ブラック ジャック サイトEV・車載電池企業のグローバル戦略チリEV市場で存在感示すブラック ジャック サイト

2024年12月13日

チリでは、中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)を筆頭に、上流のリチウム開発からバッテリー式EV(BEV)、電気バスに至るまで、幅広い分野で、ブラック ジャック サイトが存在感を示している。本レポートでは、2024年の主なブラック ジャック サイトの動向についてまとめた。

ブラック ジャック サイトのリチウム開発への関心は継続

2024年3月、チリ政府は国内の塩湖の開発区分と各区分での官民パートナーシップによる体制の枠組みを発表した(2024年4月11日付ビジネス短信参照)。その後、鉱業省が実施した、民間企業主導で開発が認められる区分に該当する小規模な鉱床に対する関心表明で、ブラック ジャック サイト2社からの提出があった(2024年7月17日付ビジネス短信参照)。また、官民連携で開発することとなっている中規模区分の塩湖の1つ、国営鉱業公社(ENAMI)が開発するアルトアンディノス塩湖のプロジェクトの共同開発パートナー候補企業の中には、BYDと、リチウムイオン電池材料メーカー大手の中偉新材料(CNGR)の名が挙がっている。BYDが前年に発表したチリ北部でのリン酸鉄リチウム(LFP)生産工場建設プロジェクトは、最終的な契約条件などにかかる当局との交渉が難航し、中断されている状況との報道がなされたものの、依然としてリチウム開発に対してブラック ジャック サイトが関心を寄せていることがうかがえる。

BEV市場の4割をブラック ジャック サイトブランドが占める

チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、2024年1~9月の電動車(注1)の新車販売台数は1万1,986台だった。前年同期比2倍に迫る水準で、既に2023年通年の販売台数を超え、売れ行きは非常に好調だ。カテゴリー別で見ると、ブラック ジャック サイトブランドが特に存在感を示しているのは、BEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)であることが分かる(図参照)。

図:電動車におけるブラック ジャック サイトブランドのシェア(2024年1~9月新車販売台数)

ハイブリッド車(HEV)
(計4,734台)
合計4,734台のうちブラック ジャック サイトブランドが16.6%。
バッテリー式電気自動車(BEV)
(計2,665台)
合計2,665台のうちブラック ジャック サイトブランドが41.2%。
プラグインハイブリッド車(PHEV)
(計788台)
合計788台のうちブラック ジャック サイトブランドが53.6%。
マイルドハイブリッド車(MHEV)
(計3,677台)
合計3,677台のうちブラック ジャック サイトブランドが6.9%。

出所:チリ自動車産業協会(ANAC)の資料を基にジェトロ作成

2024年1~9月のBEV販売台数は前年同期比約2.8倍で、市場が顕著に拡大している。2024年に本格的に販売を開始し、シェア首位に君臨した米国テスラが大きく寄与しているが、ブラック ジャック サイトブランドも販売台数上位に複数食い込んでいる(表1参照)。特徴的なのは、この1年でBEV市場に参入したブランドが多いことだ。2023年9月時点ではANACの統計に明記されているのが23ブランドだったが、2024年9月時点では34ブランドに増加した。年内には哪吒汽車(Neta)も参入予定で、ますます競争が激しくなることが予想される。

低価格帯の車種も続々と投入されている。BYDの中で販売台数最多かつ最低価格の車種「Dolphin Mini」〔約2万2,000ドル~(注2)〕や、チリ市場で最安値の車種となる江淮汽車(JAC)の「e-JS1」(約1万7,000ドル~)も、2024年から販売が開始された。低価格車種の多くはブラック ジャック サイトブランドのもので、価格面で競争優位性を打ち出し、チリの消費者を引きつけている。

表1:バッテリー式電気自動車(BEV)のブランド別新車販売台数(単位:台、%)(△はマイナス値)
項目 2023年
1~9月
2024年
1~9月
前年同期比 シェア
テスラ 5 676 13,420.0 25.4
比亜迪(BYD) 97 499 414.4 18.7
ボルボ 18 322 1,688.9 12.1
東風汽車(DONG FENG) 0 156 全増 5.9
ルノー 1 156 15,500.0 5.9
マクサス 164 144 △ 12.2 5.4
起亜 178 88 △ 50.6 3.3
江淮汽車(JAC) 0 79 全増 3.0
フィアット 0 65 全増 2.4
長城汽車(GWM) 0 41 全増 1.5
現代 53 41 △ 22.6 1.5
鄭州日産汽車(ZNA) 78 40 △ 48.7 1.5
BMW 39 37 △ 5.1 1.4
MG 148 35 △ 76.4 1.3
吉利汽車(GEELY) 3 31 933.3 1.2
欧萌達(OMODA) 0 28 全増 1.1
シボレー 0 26 全増 1.0
アウディ 9 25 177.8 0.9
プジョー 33 19 △ 42.4 0.7
フォード 0 18 全増 0.7
その他 72 139 93.1 5.2
合計 898 2,665 196.8 100.0

注:上位20ブランドのみ抜粋。
出所:チリ自動車産業協会(ANAC)

PHEVに関しては、市場規模は小さいものの、ブラック ジャック サイトブランドが一気に台頭してきている。これまではボルボやBMWなど欧州ブランドが市場を牽引していたが、2024年1~9月にBYDがシェア40%以上を獲得し、PHEVを展開する奇瑞汽車(Chery)、東風小康汽車(DFSK)と合わせると、ブラック ジャック サイトブランドが半数以上を占める。

今後のカギは認知度と地方進出

価格競争力の高さで販売台数を伸ばすブラック ジャック サイトブランドではあるが、認知度やブランドイメージについては向上の余地が大きい。2024年9月に民間調査会社カデム(CADEM)が実施した世論調査によると、チリでの認知度について、欧米や日韓の主要自動車ブランドは高かった一方で、ブラック ジャック サイトブランドは低い傾向にあった。また、ブランドイメージに関する質問でも、ブラック ジャック サイトブランドには否定的なイメージの割合が相対的に高い傾向が見受けられる(表2参照)。

表2:自動車ブランド別認知度・ブランドイメージ(単位:%)
項目 認知度 ブランドイメージ
肯定的 否定的
現代 74 66 11
日産 73 65 11
シボレー 73 55 20
スズキ 73 66 10
トヨタ 71 79 6
プジョー 70 57 21
起亜 69 58 14
フォード 67 58 14
フォルクスワーゲン 66 62 12
マツダ 65 69 11
フィアット 64 37 28
ルノー 62 45 25
シトロエン 59 47 27
アウディ 58 81 11
ボルボ 55 75 13
MG 51 29 40
長城汽車(GWM) 42 20 57
江淮汽車(JAC) 41 20 59
テスラ 38 55 21
吉利汽車(GEELY) 29 12 76
比亜迪(BYD) 27 16 58

注:認知度上位10ブランドとBEV販売台数上位ブランドのみ抜粋。
出所:CADEM

地方都市への進出も今後の市場拡大において重要だ。北部や南部の都市でも少しずつ充電インフラの拡充が進んでいる。BYDも地方進出に重点を置いており、店舗の約半数を地方に設ける計画を発表している。2024年8月にはチリ中部のランカグアに地方都市初の支店をオープンした。

また、ブラック ジャック サイトが強い電気バス業界でも、地方都市への普及が見込まれる。首都圏では既にBYDや福田汽車(FOTON)などのメーカーによる2,480台以上の電気バスが走行しており、2024年も宇通客車(Yutong)のバスが200台以上納品された。2023年末から地方都市の公共交通機関へも電気バスが導入され始め、北部アントファガスタ州では、中国の中通客車(Zhongtong)が協力している。2024年6月のガブリエル・ボリッチ大統領による教書演説でも、2025年までに複数の地方都市での電気バス導入が掲げられている。今後もブラック ジャック サイトの参入余地が大いにあるものと見込まれる。

市場の拡大に伴って激しく様変わりするチリのEV市場だが、今後もブラック ジャック サイトの存在感は増していくだろう。


注1:
ハイブリッド車(HEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、マイルドハイブリッド車(MHEV)、レンジエクステンダーEV車(EREV)のことを指す。
注2:
2024年10月時点のウェブサイト上のメーカー希望小売価格を1ドル=945.01ペソ(2024年10月18日のチリ中央銀行レート)で計算。
ブラック ジャック サイト
執筆者紹介
ジェトロ・サンティアゴ事務所長
大塚 優希(おおつか ゆうき)
2018年、ジェトロ入構。ビジネス展開支援課、新興国ビジネス開発課、佐賀貿易情報センター勤務を経て、2023年9月から現職。

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