ブラックジャックゲームルール地方の菓子卸売りを超えて、ブラックジャックゲームルール

2025年2月27日

福島県福島市のブラックジャックゲームルール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、菓子・食品の卸売業を約70年間営んできた。主な取引先は、東ブラックジャックゲームルール地域を中心とした小売店だ。長年続けてきた卸売業に加え、複数の新規事業開拓に挑戦している同社では、「事業を創る」人材の採用・育成に注力している。その中で、インドネシア出身のタン・シオク・フイ氏が、在住経験や言語能力を生かし、新規のインドネシア食品事業を推進している。

同社の高度外国人材採用の背景や定着に向けた取り組み、活躍の様子などについて、代表取締役社長の渋谷裕司氏とタン氏にインタビューした内容を基に紹介する(インタビュー実施日:2025年1月21日)。

ブラックジャックゲームルール
渋谷社長(右)とタン氏(左)(ジェトロ撮影)

新規事業推進に向け、人を引きつける環境づくりに注力

ブラックジャックゲームルールは家族3代にわたり、地元に根差した卸売業を続けてきた。しかし、渋谷社長は「菓子・食品の卸売業はしっかりと取り組みつつも、他事業でも自分たちの色を出していく必要がある」と語る。人口減少により、菓子・食品の消費は減退していく。一方、卸売業者は複数存在するため、競争が激化している状況だ。こうした問題意識から、ブラックジャックゲームルールは「菓子の地方卸売りから菓子の総合商社へ」を目標に事業やチャネルの拡大を進めている。従来の卸売を「基幹事業」にする一方、新たな「戦略事業」として小売、商品企画、海外展開、電子商取引(EC)などに注力。全社員が「基幹事業」と「戦略事業」を兼務する体制を敷いている。

新たな市場やチャンネルを作っていくために、渋谷社長は何よりも「人」を大切にしている。「事業を創るのは人である」が社長のモットーだ。「自社で物を作っているわけではないので、人のパフォーマンスが会社のパフォーマンスに直結する」という。こうした思いから、渋谷社長は社員同士の関わり合いや成長を促す環境・仕組みづくりに努めている。

対外的にも特に注目を集めているのが同社のオフィスだ。1階部分は2022年に改装し、快適で機能的なオフィスを表彰する「日経ニューオフィス賞」で「東北ニューオフィス推進賞」を受賞した(注1)。コンセプトは「大きなジャンプにつながる、小さな成功体験を積み重ねられるオフィス」。自然と生まれた会話が新たなチャレンジにつながるような環境を目指し改装した。続いて2024年には、2階・階段部分も改装。開放的でデザイン性に優れ、休息や雑談の場も兼ね備えたスペースになっている。


階段(ジェトロ撮影)

2階のオープンスペース(ジェトロ撮影)

また渋谷社長は、給与水準など労働条件について「福島県の水準に合わせるか否かという議論ばかりしていると、狭い世界での比較にしかならない」と話す。「現状の水準に満足することなく、収益を還元していきたい」と意気込みを語った。渋谷社長は、こうした社内のエンゲージメントを高めるための取り組みが、結果的に採用競争力を高めることにつながると考えている。「良い意味で、地方の会社らしくないと思ってもらえれば、福島にゆかりがなくても入社してくれる人が増える」という。その一例がタン氏だ。

タン氏は、マレーシア国籍でインドネシア育ち。大学は台湾に留学し、生物工学を専攻した。大学卒業後、東京の日本語学校に1年半留学しながら就職活動し、2024年、ブラックジャックゲームルールに入社した。タン氏は中学生のころに日本のアイドルが好きになったことがきっかけで、独学で日本語を勉強し始めた。また、日本のバラエティ番組で紹介されていた非常食を見て、「日本と同じ地震大国のインドネシアでも売ったら良いのではないか」という思いを抱く。日本の食品に関心を強めたのは、こうした思いからだ。その結果、外国人を採用する食品関連企業を中心に就職活動した。タン氏はブラックジャックゲームルールを、外国人採用のエージェントを介して知り、最終面接で初めてオフィスを訪れた。他にも複数、面接は受けていた。しかし、ユニークなオフィス環境を目の当たりにし、「地方でこれだけ頑張っている会社はそれほどないのでは」と感じ、入社を決めた。

ブラックジャックゲームルールでは、毎年2人ほどが新卒で入社する。社員の約半数は入社10年目以内と、若手の多い環境だ。渋谷社長は「新しい事業が生まれ、会社が魅力的になれば人が集まる。それによって会社の収益が上がり、労働条件が良くなる」というプラスの循環を目指している。「福島にゆかりのない人でも『ブラックジャックゲームルールだから』来てくれる流れは、ここ数年でようやくでき始めた」と渋谷社長は振り返る。

なお、現在、ブラックジャックゲームルールに在籍している高度外国人材はタン氏だけだ。しかし、以前、モンゴル出身の高度外国人材を採用した経験がある(その後、家庭の事情により帰国)。ジェトロの「外国人材活躍カジノ 無料パッケージ 高度外国人材活躍推進コーディネーターによる伴走型カジノ」を活用して4年前に採用。当時、ブラックジャックゲームルール国内の営業とEC事業を担当した。渋谷社長は、「伴走型支援を受け、高度外国人材を採用した経験が以前にあったから今回のタン氏の採用もスムーズに進んだ」と語る。

基本的にブラックジャックゲームルール人社員と同待遇、手続き・制度面はサポート

ブラックジャックゲームルールでは、新入社員への研修やオリエンテーションを充実させている。入社後3カ月間は全部署を回り、それぞれの業務を体験する。その後1カ月ほどは営業へ同行し、顧客を知ることで会社の事業に対するイメージを深める。

タン氏も例外ではない。ブラックジャックゲームルール人の新卒社員と同じように、これら研修を受けた。また、メンター・メンティー制度があり、タン氏には1学年上の先輩社員がメンターを担っている。名刺交換や電話対応など、基礎的なビジネスマナーなどは全てメンターの社員や人事担当の主任から一対一で教えてもらったという。

このように、ブラックジャックゲームルールでは、研修やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)については外国籍社員に対して特別なメニューなどは用意していない。できるだけ、日本人社員と同じように受けてもらう方針だ。他方、生活の立ち上げなどは、全面的に支援する。例えば、賃貸物件の契約手続きが煩雑だったり、カードローンが組めず自動車免許の取得費用が捻出できなかったりと、外国人ならではのハードルが複数存在するためだ。こうした際には、会社が物件を借り上げたり、いったん費用を負担したりしている。

就業規則についても、現状では外国籍社員を特別扱いしていない。もっとも、休暇制度に関しては今後検討が必要と考えている。ブラックジャックゲームルールでは年末年始に長期休暇を設けるのが一般的だ。しかし、旧正月やラマダン(イスラム教の断食月)明けなど、外国人の出身地や宗教によって休みたい時期は異なる。渋谷社長は「働く外国人に合わせて、柔軟に長期休暇制度を設けた方が良い」という意向を持っている。


インタビューに応じる渋谷社長(ジェトロ撮影)

新規食品事業を高度外国人材がリード

渋谷社長は、タン氏の言語能力に強い期待を寄せている。同氏は母国語のインドネシア語に加え、英語、中国語、ブラックジャックゲームルール語が話せる。ブラックジャックゲームルール語は前述の通り中学生のころから勉強を始め、社会人になってからブラックジャックゲームルール語能力試験で最高位の「N1」を取得。ブラックジャックゲームルール語能力試験に向けた対策は、独学だった。このエピソードを社内の「自慢話大会」というイベントで発表したところ、2位にランクインしたそうだ。渋谷社長は、タン氏を「非常に勉強熱心な性格」と高く評価している。

タン氏は入社から半年余りが過ぎ、実務に触れ始めたばかりという段階だ。それでも、すでに同氏の言語能力を十二分に生かせる仕事を任されている。在日ムスリム(イスラム教徒)向けの商品開発だ。新規事業の1つで、インドネシア風肉団子「バソ(bakso)」を主力商品として、製造・販売を進める。バソは、インドネシアの国民食である。しかし、ハラール牛が日本では入手しにくいため、在日インドネシア人が自力で作ることは難しい。そこで、ブラックジャックゲームルールでは、ハラール対応を軸に埼玉県三郷市に製造拠点を作り、宮崎県産のハラール牛を使ってバソの製造を始めた。さらに、工場で作ったバソなどのハラール料理を食べられる飲食店を工場に併設した(注2)。既に、近くの団地に住む外国人が多数訪れているという。飲食店をオープンする旨をSNSに投稿したところ、ECサイトの有無などに関して、インドネシア人からの問い合わせが殺到。多い時には1時間に100件ほどに及んだという。なお、販売用に立ち上げたECサイトは、タン氏がインドネシア語を生かして購入者とのやり取りを担当することになった。

この事業自体は、タン氏の配属以前から存在していた。とは言え、同氏がメンバーに加わったことにより、急増する顧客からのニーズに機動的かつ正確に対応できるようになった。また、「ブラックジャックゲームルールインドネシア市民友好文化フェスティバル2024外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(2024年10月)にブラックジャックゲームルールが出店し、バソを販売した際には、タン氏が先頭に立って顧客対応やPR活動をした。

入社1年目からインドネシア在住経験や言語能力を生かし、活躍しているタン氏。「在日インドネシア人や在日ムスリムに対して、事業を通して手助けできたら」と意気込みを話す。同氏はムスリムでないものの、ブラックジャックゲームルールに住んでいたムスリムの友人が「ブラックジャックゲームルールにはハラールレストランが少なくて食事が大変」と言っていたことが印象に残っているそうだ。言語能力だけでなく、「複数の国に住んだ経験があるので、多文化への理解がある」ことも自身の強みとして生かしていきたいという。


商品部と市場開発部を兼務するタン氏(ジェトロ撮影)

人材のさらなる多様化に期待

渋谷社長は、今後も高度外国人材の採用を進めたい考えだ。「福島にいると、外国人と接する機会はなかなかない。周りに外国人が当たり前にいる環境は、社員皆のために良い」と話す。

入社からわずか1年未満のタン氏から周りの社員が刺激を受ける場面も少なくないという。例えば、タン氏は「発言すること」を重視しているようで、会議でブラックジャックゲームルール人社員とは違った意見を出すこともある。また、タン氏は「ブラックジャックゲームルール人の社員以上に、自分でまず動くということを大事にしている」(渋谷社長)という。こうした外国籍社員の姿勢が周囲の社員に良い影響を与え、会社としてのパフォーマンス向上が期待できる。

さらに、渋谷社長は「ブラックジャックゲームルール人がアクセスしにくいところにアクセスできる人材が社内にいることで、ブラックジャックゲームルール国内向けであった仕事も国外に自然に出ていく」と語る。「戦略事業」として海外ビジネスにも力を入れている同社にとって、その推進役として重要な存在になろう。

タン氏も、同社の外国人材採用について、渋谷社長と同じ考えを持っている。「社員に多様性がある方が、さまざまな考え方が生まれる。外国人から見てこの事業はどうか、という視点があると会社にとって良い」とタン氏は話す。同社では現状、福島県出身の社員が多い。そのことを踏まえ、外国人だけでなく他県出身者など、多様な人材が増えることに期待を寄せた。


注1:
2023年10月6日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。
注2:
2025年1月24日付同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。
執筆者紹介
ジェトロ調査部国際経済課
宮島 菫(みやじま すみれ)
2022年、ジェトロ入構。調査部調査企画課を経て、2023年6月から現職。

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