インド議会下院総選挙、MH州では与党が大幅議席減
(インド)
ムンバイ発
2024年06月07日
インド議会下院総選挙(関連ブラック ジャック サイト)の一斉開票が6月4日に行われ、西部マハーラーシュトラ(MH)州でも開票作業が行われた。MH州では、地域ごとに4月19日から5月20日まで計5回に分けて投票が行われた。
同州では48議席が争われ、ナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)を中心とする与党連合、国民民主同盟(NDA)の獲得議席数は17議席と、前回2019年から20議席減少した。他方、国民会議派(INC)を中心とする野党連合、インド国家開発包括同盟(INDIA)が30議席と前回の9議席から大きく議席数を伸ばした(添付資料表参照)。
MH州におけるBJP議席の減少数は14で、ウッタル・プラデシュ州の29議席に次ぐ大幅減となり、全体の選挙結果に大きな影響を与えた。MH州におけるBJP大敗の責任を取るため、6月5日にはMH州副首相を務めるBJPのデベンドラ・ファドナビス氏が同役職を辞任する意向を表明した(6月5日「ヒンドゥスタン・タイムズ」「インディア・トゥデーなど)。
現地報道(6月5日「インディアン・エクスプレス」、6月6日「ヒンドゥスタン・タイムズ」)によると、MH州におけるBJP大敗の要因として主に次のことが指摘されている。
- 2019年以降、州内の主要政党の分裂や与野党連合の組織改編が相次ぎ、政党分裂により「本家」でなくなり野党となったシブセナ(タークレー派)や国民会議党(シャラド・パワール派)に同情票が集まったこと。
- 州人口の3分の1近くを占めるマラーター民族の進学や就職に対する留保枠(優遇策)を求める同民族の要望にBJP率いる州政権が譲歩したことで、従前より留保枠を持つその他の後進カースト(OBC)の人々が不満をもったこと。
- 野党連合が「現政権は憲法を改正して、指定カーストに対する優遇策を廃止しようとしている」と主張したことで、対象となる人々がBJPに不信感を持ったこと。
- 農村地帯において、物価上昇や中央政府の農業政策に対する不満が募っていること。
同州では、2024年10月に5年に一度の州議会選挙が予定される。現在、州議会はBJP、シブセナ、国民会議党の3党の政党連合が多数派で、中央政府と連携した政策を進めている。今回の国政選挙の結果に、州政権が大きな危機感を抱いていることは間違いない。
(丸山春花)
(インド)
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