米国務省、政府サービス用途のAIシステムに関する共同声明発表、日本など40カ国参加

(米国、日本)

ニューヨーク発

2024年09月26日

米国国務省のアントニー・ブリンケン長官は9月23日、国連総会の閣僚級のサイドイベントで、米国や日本を含む40カ国による、政府サービス用途の人工知能(AI)システムの安全・安心・信頼できる開発や利用などに関する共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、安全・安心・信頼できるAIシステムが各国の政府サービスを改善し、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(注1)の達成に向けて大きな機会を提供することを認識するとした。他方で、十分な保護措置を講じないまま、または、国際ルールに反する方法で開発や利用などすることは、市民の人権や基本的自由を損なうリスクがあるとした。特に人権や安全に影響を与え得る医療、法執行・司法、公的給付の提供などの分野で、AIシステムを利用する場合にリスクが高いとして、各国政府に対して以下の対策を講じることを呼びかけた。

(1)国際的な義務と合意を尊重すること、(2)AIシステムが及ぼす影響を開発時に評価すること、(3)AIシステムの利用時に継続的なモニタリングを行うこと、(4)必要な人材開発を行うこと、(5)市民にブラック ジャック ストラテジーを公開すること、(6)個人の権利が侵害された際の救済措置を講じること、(7)AIシステム開発を第三者に委託する際に(1)~(6)の慣行を順守するよう求めること。

なお、米国政府は2024年3月に、連邦政府機関がAIを利用する際のガイダンスを発表している(関連トランプ ゲーム ブラック)。同ガイダンスでは、AIシステムが意図せず米国民の権利を侵害することのないようにセーフガード措置を講じることなどを定めている。

グーグルやマイクロソフトなどとの官民連携の枠組みも発表

また、国務省は同日、AI開発で先行する米国大手IT企業8社(注2)と、「AIに関するグローバルな包摂性を目指すパートナーシップ(PGIAI)」を発足させたと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同パートナーシップの下で、各社はAIガバナンスを順守するほか、各社が合計1億ドル以上をAI開発に投資することを約束した。国務省はまた、連邦議会と協力の上でAIの責任ある利用とガバナンスを世界的に推進するためなどに3,300万ドルを提供する。

なお、米国政府は2023年7月に、今回パートナーシップに参加する8社を含む米国企業16社と、安全・安心・信頼できるAI開発に向けて各社が自主的な取り組みを講じる枠組みも立ち上げている(バイデン米政権、ブラック ジャック)。

(注1)2015年9月の国連サミットで採択されたアジェンダで、2030年までに達成を図る「持続可能な開発目標(SDGs)」が掲げられる。

(注2)アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、アンスロピック、グーグル、IBM、メタ、マイクロソフト、エヌビディア、オープンAI。

(葛西泰介)

(米国、日本)

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