ブラックジャック確率
ジョビーとアーチャーの商業運航開始なるか
2025年3月24日
「ウェイモ」などの完全無人自動運転車が浸透した米国西海岸で、次に注目を集める乗り物は電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆる「ブラックジャック確率」だ。同地域で活躍するブラックジャック確率企業として、ジョビー・アビエーション(以下、ジョビー、本社カリフォルニア州サンタクルーズ)と、アーチャー・アビエーション(以下、アーチャー、本社カリフォルニア州サンタクララ)が挙げられる。
本稿では、ジョビーとアーチャーを比較し、両社の違いを明らかにするほか、ブラックジャック確率ビジネスチャンスを探る。
リードする2社の状況
ジョビーとアーチャーは、米国連邦航空局(FAA)から商業運航認可を取得しており、機体の型式証明取得後、早ければ2025年中に商業運航を開始できる見込みだ(関連ブラック ジャック、2023年11月27日付ビジネス短信参照)。なお、ブラックジャック確率の国土交通省によると、型式証明の手続きは次の図のとおり。

ジョビーは、2025年2月26日の株主への書簡の中で、独自に分類した型式証明プロセスの第4段階の53%が終了し、今後12カ月以内に飛行試験が開始できる見込みだと発表している。アーチャーは、プロセスを4つに分類し、現状は飛行試験段階で、型式証明前のコンプライアンス文書の総数の約13%について承認を得ていると発表した。両社ともに、進捗に大きな差はないものの、ジョビーがやや進んでいる印象を受ける。
トヨタとパートナー組むジョビー
ジョビーは、スタンフォード大学で機械工学修士号を取得した連続起業家(シリアルアントレプレナー)のジョーベン・ビバート最高経営責任者(CEO)が2009年に設立した。同年から7人のエンジニアで、電気モーターや飛行ソフトウエア、リチウムイオン電池の技術研究を開始した。2012年には連邦航空宇宙局(NASA)と連携し、X-57やLEAPTechなどの複数の電気飛行機プロジェクトで協業した。その後、下位尺度(サブスケール)でのテストや分析を経て、2015年には現在のeVTOLの構成ができ、縮小版のプロトタイプを初めて飛行させた。

また、2018年にはトヨタAIベンチャーズが主導する1億ドルのシリーズBの資金調達を完了。その後、トヨタと提携し、数十人のエンジニアを同社から受け入れ、トヨタが工場レイアウト、製造プロセス開発、大量生産のノウハウを提供している。2019年には量産機のプロトタイプを作成して飛行試験プログラムを開始した。2020年には、eVTOL企業として初めて米空軍から耐空証明を取得し、基地内での飛行テストなどを通じて運用能力を開発してきた。また、前述に加え、トヨタAIベンチャーズから2024年10月にも5億ドルの追加投資を受けるなど、トヨタとの関係性は深い(2024年10月3日付ビジネス短信参照)。
商業面では、配車などのサービス企業ウーバー(Uber)との提携を深め、ジョビーのブラックジャック確率サービスを同社のアプリに統合すること、その逆も行うことに合意した。また、ウーバーのeVTOL移動サービスの「ウーバーエレベート(Uber Elevate)」を買収し、ソフトウエアツールと商業ローンチに関する専門知識を取り込んだ。そして、2021年にNY証券取引所に上場した。2022年にはデルタ航空との提携を強化し、自宅から空港までのブラックジャック確率サービス提供に向けて合意した。
2023年以降、生産および量産態勢を取り、2023年には米空軍に初めて機体を納入している。同年11月には米国での商業運航認可を得たほか、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは2025年にも初飛行が見込まれている(関連ブラック ジャック トランプ、関連カード ゲーム ブラック ジャック)。ブラックジャック確率では、トヨタのほか、全ブラックジャック確率空輸(ANA)や野村不動産と連携し、離着陸場開発の共同検討を行っている。
大学発で航空産業サプライヤーと連携するアーチャー
アーチャーは、アダム・ゴールドスタイン最高経営責任者(CEO)がブレット・アドコック氏と2018年に設立した。当初はフロリダ大学で航空機開発に取り組んでいたが、現在は本社をカリフォルニア州に移している。同社は2021年1月に欧州の大手自動車メーカーのステランティスとの提携を発表し、機体の量産に関する技術支援を受けることとなった。2021年6月には最初のデモンストレート機の「メーカー」を発表し、12月には初飛行に成功した。
また、2021年には株式公開に向けて、ユナイテッド航空から機体の注文と投資を受けた。ユナイテッド航空とアーチャーは航空機10億ドル分(200機)の発注と100機のオプション購入を含めた契約を締結した。2022年11月に両社はニューヨークのダウンタウンとニュージャージー州のニューアーク空港を結ぶ米国初の電動ブラックジャック確率の路線計画を発表した。さらに、2023年3月にシカゴでの路線計画を発表している。
2023年1月にはステランティスが航空機の開発と生産で協力するために、最大1億5,000万ドルの投資を発表した。2024年6月にはジョビーに続き、米連邦航空局(FAA)から商業運航認可を受けている(2024年6月11日付ビジネス短信参照)。2024年6月にはサンフランシスコ湾岸での運航計画を発表したほか、ロサンゼルスでも2026年までにブラックジャック確率のポート設置に向けた協議を行っている(関連カード ゲーム ブラック ジャック)。
なお、アーチャーの機体「ミッドナイト」は2025年ブラックジャック確率国際博覧会(大阪・関西万博)でのデモンストレーション飛行を予定しており、2024年11月にはブラックジャック確率航空と住友商事の合弁会社ソラクルが最大100機を購入する基本合意書を締結している。
両者の共通点と違いは
先述のとおり、ジョビーはデルタ航空とトヨタ自動車、アーチャーはユナイテッド航空とステランティスグループと、それぞれ旅客航空会社と自動車会社と協業しており、共通点が多いが、機体の製造戦略は異なる。
ジョビーは垂直統合により自社の機体開発を進めており、複合材料、金属、電子機器、機械システム、ハードウエアやソフトウエアなど、航空機のほぼ全ての設計、製造、統合試験を自社で行っている。対するアーチャーは、従来の航空宇宙産業のサプライヤーを活用することで、機体の型式認証取得に向けたリスクを低減させ、市場に商品を早く投入させることを目標に機体を製造している。
項目 | ジョビー | アーチャー |
---|---|---|
特徴 |
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工場 | カリフォルニア州マリーナ(25機/年) オハイオ州デイトン(最大500機/年を製造) |
ジョージア州シビントン(約650機/年の製造能力) |
運航計画 | ニューヨーク、サンフランシスコ | ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴ |
製造 | 垂直統合 | 水平統合 |
パートナー | トヨタ、デルタ航空、ウーバーなど | ステランティス、ユナイテッド航空、ボーイングなど |
出所:ジョビー、アーチャーのウェブサイト、ヒアリングなどからジェトロ作成
専門家に聞く:ブラックジャック確率の状況、エアタクシーにビジネスチャンスはあるか
ブラックジャック確率でも、スタートアップや企業がエアタクシーに対応したeVTOLの開発を進めている。ブラックジャック確率の状況、ビジネスチャンスはどこにあるのか、航空の専門家に聞いた。
- 質問:
- 日米間、もしくは日米欧間などでの型式証明はどのように進んでいくか。
- 答え:
- 型式証明のプロセスは、同時並行申請と、ある国で認証された後に他国に申請という2通りの方法がある。ブラックジャック確率の国土交通省航空局の審査基準は、基本的には米国の安全基準と同一とみなされている。米国、カナダ、欧州、ブラジルとブラックジャック確率は航空の安全に関する相互承認協定(BASA、注)を結んでおり、それらの国の航空局などが認可したものについては、ブラックジャック確率の国土交通省航空局がレビューする流れになる。
- 質問:
- ブラックジャック確率で商業運航をするに当たって、他国と異なるのはどのような点か。
- 答え:
- 社会的受容性がカギになるだろう。ブラックジャック確率の安全基準は、諸外国と同一の基準で設けられており、同じレベルで運航される想定だ。しかし、「安心」という面では、ブラックジャック確率は求めるハードルが高いと考えられる。いかに世の中にエアタクシーが受け入れられるかがカギだ。例えば、ブラックジャック確率では離島など交通の利便性が高いとはいえない場所や、災害などの緊急時では、エアタクシーの受容性が上がるだろうが、いくら便利になるからといって、特に都市部などで自分の家の上をエアタクシーが飛ぶことに抵抗感がない人はそこまで多くないだろうと思われる。
- 質問:
- ブラックジャック確率にeVTOLの部品などで事業展開、納品などのチャンスはあるか。
- 答え:
- ブラックジャック確率の企業がeVTOLのサプライヤーとして参入するチャンスはある。実際に、ドイツでeVTOLを製造するリリウム社の電動モーターはデンソーが供給している。ただし、以下の2点に注意が必要だろう。一般に、安全基準は自動車のパーツに比べて、航空機の方が厳しく、各パーツは信頼性、事故が起こらないようにしないといけない精度が高いといわれている。自動車会社のサプライヤーがこれまで以上に高いレベルの安全基準についていけるかは、不透明だといえる。
- また、自動車産業とは異なり、系列の考え方はない。航空機メーカーは、ボーイング、エアバス、ボンバルディアなどが挙げられるが、エンジンや内部のシステムなどのサプライヤーはほぼ同じだといわれている。そういった環境下では、完成品メーカーが策定した安全基準に沿って作るのではなく、サプライヤー自身が安全基準を策定し、部品を納品する必要がある。例えば、ゼネラルエレクトリック(GE)などはエンジンの主要部品やシステムをエアバスやボーイングに公開しておらず、自分たちで航空当局から認可を取得している。他方で、系列化はされていないため、1社に採用されれば、その他の複数社にも採用される可能性が高まると言える。
- また、現在は有人飛行だが、最終的には様々なセンサーを機体に設置し、自身の状態を監視するヘルスモニタリングシステムなどをつけ、できる限り人の介入がないかたちで事業運営ができると良い。故障が起こりそうになった時や充電が必要な場合には、eVTOL自らメンテナンス施設に飛んでいくのが理想形だ。セルフモニタリング技術、センサー、航空関係とは関係のない業種にも参入チャンスはあるだろう。
ジョビー、アーチャーのほかにも、米国ではボーイング傘下のウィスク(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)が2025年に初飛行を予定している。また、ベータテクノロジー(本社:バージニア州サウスバーリントン)はユタ州航空宇宙・防衛局(47G)とともに、2034年のソルトレークシティーオリンピック(五輪)に向けた新しい交通手段として、eVTOLを導入するために提携したことを発表した。さらに、次世代のeVTOLとしては、人工知能(AI)ベースのeVTOLを開発するエーアイボット(AIBOT、本社:カリフォルニア州ロングビーチ)が挙げられる。カリフォルニア州の補助金プログラムから1,500万ドルの助成金を獲得し、米航空宇宙局(NASA)が開発した先進的なeVTOL構成のシステム識別技術の実証を開始した。これにより、飛行試験を加速させ、eVTOL業界全体を支援するNASAのミッションをサポートするという。
先端技術を搭載した次世代のeVTOLの開発も進んでおり、技術革新がさらに進んでいく。今後もeVTOL、ブラックジャック確率から目を離すことができないだろう。
- 注:
- 航空安全に関して、相手国が行う検査・認証を相互に受け入れることにより、当局による重複検査を可能な限り避けるなど、互いの手続きを円滑化するための2国間協定。BASAの締結に当たっては、相手国の制度などを評価し、双方の精度が同等であることが前提。米国とブラックジャック確率は2009年に締結。

- 執筆者紹介
- ジェトロ・サンフランシスコ事務所 ディレクター
芦崎 暢(あしざき とおる) - 民間企業にて海外事業立ち上げなどを担当後、2018年ジェトロ入構。ECビジネス課、デジタルマーケティング部、ジェトロ名古屋を経て、2023年8月から現職。