米エアタクシー2社、相次いで新たな事業計画を公表

(米国)

サンフランシスコ発

2024年08月09日

電動垂直離着陸機(eVTOL)、いわゆる「空飛ぶクルマ」(エアタクシー)の開発を行う米国のスタートアップのアーチャー・アビエーション(本社:カリフォルニア州サンタクララ)とジョビー・アビエーション(本社:同サンタクルーズ)がそれぞれ、2024年第2四半期(4~6月)の決算発表で今後の計画を発表した。エアタクシーの商業飛行開始に向け、米国での競争が加速している。

アーチャー・アビエーション、ロサンゼルスでの運航計画発表

アーチャー・アビエーションは8月8日、2024年6月に発表したサンフランシスコ湾岸地域での運航計画に次いで、ロサンゼルスで早ければ2026年までにエアタクシーネットワークを構築すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ネットワークには、ロサンゼルス国際空港、南カリフォルニア大学、オレンジ郡、サンタモニカ、ハリウッド・バーバンク、ロングビーチ、バンナイズなど南カリフォルニア各地での離着陸が含まれる。また、南カリフォルニア大学、SoFiスタジアムとハリウッドパークに専用のポート設置に向けた協議を行っているという。

併せて、ジョージア州でエアタクシー「ミッドナイト」の製造を年間650機に拡大するため、ステランティスがこれまでの約3億ドルの投資に加えて、最大4億ドルを拠出することに合意したと発表した。

ジョビー・アビエーション、2025年にドバイでのエアタクシー商業運航発表

競合するジョビー・アビエーションは8月7日、2025年末にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでの商業運航開始を目指していると発表した。同社のジョーベン・ビバート最高経営責任者(CEO)は「2024年後半にはドバイでの最初のインフラ建設着工、2025年前半には初飛行、下半期には商業運航を目指す」と述べた(ブルームバーグ8月7日)。また、3機目となるプロトタイプの完成と、オーストラリアでの型式認証の申請を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同社は7月に世界で初めて水素電気ドローンでの523マイル(約841キロ)の試験飛行にも成功している。

(芦崎暢)

(米国)

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