米コモーション、都市部で新たなモビリティを推進するイベント「CoMotion LA 2023」を開催
(米国)
ロサンゼルス発
2023年11月27日
モビリティエコシステムに関する米国業界団体であるコモーション(CoMotion)が、都市部で新たなモビリティを推進する展示会「CoMotion LA 2023」を、ロサンゼルスのダウンタウンで11月14~16日に開催した。同展示会には、カナダ、英国、イタリア、フランスなど20カ国以上から総数1,000人以上が参加した。
イベントでは、自治体を含めた地元交通関係者に加え民間企業・団体が集まり、世界中の都市部で進められている自動運転、エアモビリティ(空飛ぶ車)、クリーントランスポーテーションに焦点を当て、モビリティの進むべき方向性についてパネルディスカッションなどが行われた。
「空飛ぶ車」は2024年からの実用化を目指す
パネルディスカッションでは、トヨタ自動車が出資し、電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するジョビー・アビエーション(Joby Aviation)が、「空飛ぶ車」はまだ実用化されていないものの、インフラ、充電システム確保、ヘリパッド(注)確保といった、実現するための条件や環境がそろってきていると述べた。同社は米国航空当局の認可を受け、試験飛行を既に開始しており、2024年からの実用化を目指しており、「空飛ぶタクシー」のサービスも数年以内に開始を目指すという。
このほか、現代グループのスーパーナル(Supernal)も自動車のノウハウを活用した「空飛ぶタクシー」事業を予定しており、規制への対応などから就航は2028年を予定していると述べた。また、エアモビリティメーカーのイブ・エア・モビリティ(Eve Air Mobility)などが、それぞれの取り組みについて述べた。
EVシフト、大型トラックについては様子見
電気自動車(EV)充電ネットワークの推進をテーマとしたセッションでは、連邦道路管理局のアンドリュー・ロジャー副管理員が、現在のEVシフトについて、政策や補助金が連邦レベルで発表されている一方、高速道路近郊でのEV充電設備の設置が遅れていると指摘した。同氏はその解決策として、運輸省とエネルギー省が連携し、充電器設置に関わる基準の策定や予算措置を提案しているとした。ロジャー副管理員は「イノベーションをつぶさないために、規制は最低限にしていくべき」とし、新興メーカーが生まれる環境を与えるのが政府の役割とも述べた。一方で、「大型トラックではそもそも電動化することは現実的なのか、との議論もあるため、連邦政府が充電設備の設置など多額の投資に踏み込めない」と米国での充電設備普及における課題にも言及した。
イベント中に、スタートアップのピッチイベント「LA New Mobility Challenge」も行われた。公募した100社の中から6社がピッチをし、最終選考で、英国発の複合材料テープの開発・製造のICOMATが選ばれた。
会場では展示スペースも設けられ、新製品の展示、電動バイクのデモ、業界関係者を集めたワークショップが開催された。
本展示会は毎年、ロサンゼルスとマイアミの2都市で開催されている。
(注)ヘリパッドとは、ヘリコプターが離着陸できるスペースで、病院や高層ビルなどに備え付けられている。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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