大統領にシリル・ラマポーザ氏が再選
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2024年06月17日
南アフリカ共和国で6月14日、総選挙後1回目の第7次国民議会と州議会(注)が開かれた。国民議会は南アの立法首都であるケープタウンで開催され、大統領としてアフリカ民族会議(ANC)議長のシリル・ラマポーザ現大統領が再選された。ラマポーザ大統領は投票総数339票のうち283票を獲得し、44票に終わった経済的解放の闘士(EFF)のジュリアス・マレマ党首に大差をつけた。なお、12票は無効票だった。
第1回の国民議会では、議員の就任(400人)を経て、議員による推薦、投票により国民議会議長、副議長、大統領の順に選任された。立法において重要な役職である議長にはANCから前農業・土地改革・地方開発相のトコ・ディディザ氏が、副議長には民主同盟(DA)からアンネリー・ロトリエ氏が選出された。なお、民族の槍(やり、M.K.)は議会をボイコットした。
大統領に再任されたラマポーザ氏は受諾演説の中で、「選挙結果の厳しい現実は、この議会に代表されるどの政党も、立法や行政レベルで単独で活動できるほどの過半数を獲得できなかったこと」だとし、国民が投票を通じ「すべての政党が憲法の枠組み内で協力し、非人種差別、非性差別、正義に基づく民主社会の目標を達成し、安定と平和を確保することを期待している」と述べ、「貧困、失業、不平等という3つの課題に取り組み、すべての人の繁栄を促進することに焦点を当てる必要がある」と決意を表明した(ブラック ジャック トランプ)。
なお、ラマポーザ大統領の2期目の就任式は、6月19日に行政首都であるプレトリアで執り行われる予定だ。
各州で行われた州議会でも、州首相などが選出された。プレトリアやヨハネスブルクが位置するハウテン州では、ANCのパニャザ・レスフィ氏が再任された。ケープタウンのある西ケープ州では、2019年から州首相を務めるDAのアラン・ウィンデ氏が再任した。
アフリカ最大の港であるダーバン港を擁し、トヨタ自動車が進出するクワズール・ナタール(KZN)州では、インカタ自由党(IFP)党首のタミ・ントゥリ氏が州首相に選出された。KZN出身のズマ元大統領が率いるM.K.は同州においては約45%の最大得票率を獲得したが、今回ANC、DA、IFP、国民自由党(NFP)が連立を組むことで、KZN州議会の80議席のうち41議席と過半数を押さえ、M.K.による州政府与党化を抑えたかたちだ。
(注)ケープタウンの州議会のみ6月13日に開催。
(堀内千浪、的場真太郎)
(南アフリカ共和国)
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