WHO、「サル痘(monkeypox)」の名称を「M痘(mpox)」に変更と発表
(米国、世界)
ニューヨーク発
2022年11月29日
世界保健機関(WHO)は11月28日、サル痘の名称を「サル痘(monkeypox)」から「M痘(mpox)」に変更すると発表した。WHOは今後、英語表記は「M痘(mpox)」とし、他の国々や団体でも名称変更に従うよう促している。
ただし、世界的な流行の最中に名称変更することで生じ得る混乱を軽減するため、名称変更は段階的に行われるとし、今後1年間は、「サル痘(monkeypox)」と「M痘(mpox)」の両方の名称を同時に使用するとした。WHOは1年間かけて「サル痘(monkeypox)」の名称が段階的に廃止された後は、「M痘(mpox)」の名称を優先することを推奨している。
名称変更の理由には、2022年初めに「サル痘」感染が拡大した際、感染者に汚名を着せて非難したり、人種差別したりするという事態が発生していることが確認・報告されたことを挙げた。また、公式、非公式にかかわらず、幾つかの会議で多くの個人や国が名称に対して懸念を表明し、WHOに病名変更を提案したことも理由としている。ニューヨーク市保健局も2度にわたり、WHOに「サル痘」という病名が与えるネガティブな印象について懸念を表明し、改名を要請していた()。
米国疾病予防管理センター(CDC)のM痘(サル痘)特設ウェブサイトによると、11月25日までに米国内でM痘による死者が14人確認されており、前月同日比で8人増となっている。国内の累計感染者数は同日時点、2万9,248人(前月同日比1,161人増)で、州別では最も多い順に、カリフォルニア州5,572人(200人増)、ニューヨーク州4,156人(75人増)、テキサス州2,814人(137人増)、フロリダ州2,797人(100人増)、ジョージア州1,951人(52人増)となっている。
(吉田奈津絵)
(米国、世界)
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