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CO2見える化支援のアスエネへのヒアリング
2025年1月15日
米国では、バイデン政権の下でさまざまな気候変動政策が推進されてきたが、ドナルド・トランプ次期大統領の就任後、これらの政策は修正されるとの見方が強い。バイデン政権下で中心的な気候変動政策の1つとして、2024年3月の米国証券取引委員会(SEC)による気候変動に関連するリスクと温室効果ガス(GHG)排出量などの開示を求める規則(最終規則)の採択が挙げられる。また、2023年10月にはカリフォルニア州で全米初の気候変動関連の情報開示法が成立するなど、州レベルでの規制制定の動きも進んでいる。気候変動開示法制を中心に、こうした動きを振り返るとともに、気候変動関連の今後の動向や、日本ブラックジャックゲームルールが留意すべき点について、二酸化炭素(CO2)見える化・削減支援などを行うAsuene USAの谷垣征一郎カントリーマネージャーにヒアリングを行った(取材日:2024年12月5日)。
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- 質問:
- 2023年にブラックジャックゲームルールカリフォルニア州に現地法人を設立しているが、その背景やブラックジャックゲームルールでの事業内容は。
- 答え:
- 米国では、温室効果ガス(GHG)排出量を2030年までに2005年比で50~52%削減するという目標を掲げており、バイデン政権ではこの目標に向けて、インフレ削減法(IRA)をはじめ、さまざまな政策を打ち出してきた。それでも、2030年までの削減量は2005年対比で32%程度にとどまると予想されており、その先の目標であるネットゼロ達成に向けては、さらなる対策が求められるのが現在の米国の状況と捉えている。まずは米国ブラックジャックゲームルールGHG排出量の見える化を支援して、具体的な削減の取り組みを推進していくことを目指して、米国進出を決めた。カリフォルニア州は脱炭素化のための規制やブラックジャックゲームルール取り組みが最も先進的な地域のため、同州に拠点を置くことにした。
- 事業内容としては、CO2排出量の見える化・削減・報告クラウドや環境・社会・ガバナンス(ESG)評価クラウドに加えて、第三者認証サービスを提供している。ブラックジャックゲームルールが脱炭素化に向けた取り組みを進める上でのワンストップソリューションとして、事業を展開している。製造業分野の在米日系ブラックジャックゲームルールがメインの顧客層となっている。
- 質問:
- 米国ブラックジャックゲームルールが環境に取り組む意識は。
- 答え:
- 事業を行っていく中で、企業ごとの意識差を感じる。例えば、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などのビッグテック企業は、日本ブラックジャックゲームルール取り組みよりも進んでいる一方、脱炭素化への取り組みに関心が低い企業も一定数ある。こういった企業と話していると、取引先からのプレッシャーは感じているが、強制されているわけではないため、まだ取り組んでいないといった声が聞かれる。
- また、地域差も大きいと感じている。例えば、カリフォルニア州を含む西海岸、ニューヨーク(NY)州を含む北東部、イリノイ州などは、環境規制も進みやすく、企業側がより社会的なプレッシャーを感じやすい地域でもあるため、ブラックジャックゲームルール意識や取り組みも相対的に進んでいる。他方で、中西部や南部では、製造業が多い地域ではあるものの、あまり意識が高まっていないと感じている。
- 日系ブラックジャックゲームルールでも環境対策への意識はまちまちだが、例えば、自動車のサプライヤーブラックジャックゲームルールは取引先からデータを提出するよう言われていたり、CDP(注1)などの国際イニシアチブの取得を求められたりしているといった話も聞く。また、あるブラックジャックゲームルールは環境への取り組みを積極的に行うことで自社のレピュテーションを高め、これを顧客にアピールしている。
- 質問:
- 連邦レベルではSECが最終規則を採択したが、ここまでの動きについてどうみるか。
- 答え:
- 2024年3月にSECによって最終規則が採択されているが、対象企業は上場ブラックジャックゲームルールみで、GHG排出量と気候変動に関する財務リスクの開示を求めることが主な内容だ。規則案の段階では、スコープ1(自社の排出量)、スコープ2(電力やそのほかのエネルギーの使用による間接的な排出量)に加えて、スコープ3(取引先など自社のサプライチェーン全体の排出量)も対象となっていたが、採択された最終規則では、スコープ3は対象外となっている。
- ただし、最終規則が採択された後すぐに訴訟が相次いだため、当該規則については一時停止の状況だ。しかし、SEC自体のスタンスとしては、こういった状況でも最終的に執行することを目指しているといわれている。
- 質問:
- カリフォルニア州では2023年10月に全米初となるブラックジャックゲームルール関連の情報開示法が成立したが、ここまでの動きについてどうみるか。
- 答え:
- カリフォルニア州では、2023年10月に「気候関連ブラックジャックゲームルールデータ説明責任法」(SB253:Climate Corporate Data Accountability Act)と「温室効果ガス:気候関連財務リスク」(SB261:Greenhouse gases: climate-related financial risk)の2つの法律が成立した。GHG排出量の開示については、SEC最終規則で求められるスコープ1、2に加えて、スコープ3まで求められる。同州に拠点がなくても、同州で事業を行っていれば、規制の対象になり得ることには留意が必要だ。報告を怠った場合には、罰金の支払いが求められることや、第三者保証(注2)が求められるということもポイントとなる。
- 具体的な要件などについては、カリフォルニア州大気資源委員会(CARB)が2025年1月までに規則を策定するということになっていたが、CARB自体に予算が付いていなかったことや、SECの規則制定後に訴訟があって暗礁に乗り上げたことなどが相まって、CARBの規則策定作業が思うように進んでいない。こうした中で、カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(民主党)は州議会に対して、各種報告期限を当初予定から2年後ろ倒しするという提案を行った。しかし、議会側が反対し、ブラックジャックゲームルール報告期限については、当初のスケジュールが据え置かれた。ただし、CARBによる規則策定期限が2025年1月から7月まで6カ月延期された。
- いずれにしても、同州上院議員などの説明を聞いていると、ブラックジャックゲームルール側に過度に負担をかけようとするものではないため、求める報告内容についても、世界のスタンダードに合わせることが基本線となるもようだ。
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表:SEC最終規則とカリフォルニア州法の比較 項目 カリフォルニア州法 SEC最終規則 SB253 SB261 時期 2025会計年度以降 2026年1月1日までに初回開示 2025会計年度以降 対象ブラックジャックゲームルール 年間売り上げ10億ドル超 年間売り上げ5億ドル超 米国上場ブラックジャックゲームルール(注1) 開示範囲 GHG排出量
スコープ1、2:2025年
スコープ3:2026年ブラックジャックゲームルールに関連する財務リスク - GHG排出量
スコープ1、2:2026年 - ブラックジャックゲームルールに関連する財務リスク
保証 限定保証。ただし、2029年以降合理的保証(注2)。 ―
(明示なし)2029年以降:限定保証
2033年以降:合理的保証注1:ブラックジャックゲームルール規模などによって段階的な開示義務が導入される。
注2:限定保証は対象範囲を限定して保証を付すもの。合理的保証は対象範囲を限定せずに、重要項目全体を評価して保証を付すもの。
出所:Asuene USA提供 - GHG排出量
- 質問:
- これらの気候変動開示規制について、ブラックジャックゲームルール側が留意すべき点は何か。
- 答え:
- このままの情勢であれば、カリフォルニア州法がSEC最終規則より先に施行されることになるが、開示義務が広範なため、対象となる事業者は対策を進めていく必要がある。カリフォルニア州のみならず、NY州やイリノイ州、ワシントン州でも同様の規制が議論されているため、こうした地域でも事業を行っているブラックジャックゲームルールは議論を注視すべきだ。
- カリフォルニア州法の開示規制は売り上げが大きい企業が対象だが、80%程度が非上場企業と言われている。同法ではスコープ3も対象となるため、自社が規制対象とならずとも、取引先が対象となる場合は影響を受けることとなる。また、第三者保証については、いろいろなブラックジャックゲームルール様子を見ていても、正確に情報を把握されていないことも多いため、スケジュール感も含めて、十分に認識しておく必要がある。
- 質問:
- 大統領選の結果、ドナルド・トランプ氏が次期大統領となることが決まった。特に気候変動関連ブラックジャックゲームルールについては、大きな変更があり得ることも指摘されている。この結果をどう受け止めているか。
- 答え:
- 率直に言って、気候変動関連ブラックジャックゲームルールに関する懸念はありつつも、前向きな要素もある。懸念として、前回のトランプ政権では、パリ協定からの離脱をはじめ、環境規制の緩和がなされた。今回の選挙での公約などを見ても、前回同様に、バイデン政権が打ち立ててきた環境ブラックジャックゲームルールは修正されるだろう。具体的にどう修正されるかは、実際に大統領就任後の動向を見てみないとわからないが、今回の選挙で大統領と上下両院の多数党を同一の政党が担うという共和党の「トライフェクタ」になったことも含めて、全体的に脱炭素化への取り組みが減速するのは間違いない。
- ただし、前向きな要素もある。米国は州レベルの力が強く、また、民間ブラックジャックゲームルールも必ずしも右向け右で動かない部分もある。カリフォルニア州などの地方政府やビッグテックブラックジャックゲームルールなど、環境への取り組みを積極的に推進している主体は、こういった逆境下では、自身の行動によって社会全体に及ぼす影響がより重要になってくると捉えている節がある。「We Are Still In」(注3)などの活動もそうだが、脱炭素化の取り組みを積極的に発信してきた主体は活動を強化していくのではないか。ボトムアップの動きが間違いなく出てくるだろう。
- また、米国ブラックジャックゲームルールと話をしている中でも、EUのブラックジャックゲームルールサスティナビリティー報告指令(CSRD)の話が出てくる場面が増えていると感じており、特にグローバルブラックジャックゲームルールは米国内の政策にかかわらず、環境規制を意識せざるを得ない。こうしたことも踏まえれば、長期的にみると、脱炭素化推進という大きな流れは変わらないのではないかと感じている。
- 質問:
- 選挙結果がブラックジャックゲームルールの開示政策を含めた気候変動政策にどのような影響を与え得るか。
- 答え:
- 具体的に何が起こるかは現時点で分からないが、まず考えられるのがIRAの修正だ。トランプ次期大統領は大型の減税パッケージを打ち出しているため、財源確保のためにもIRAで充てられていた予算が見直しの対象になってくる可能性がある。まずは、電気自動車(EV)販売に対する補助金、さらに、住宅の省エネ・再エネ政策も修正される可能性が高いとみている。再エネ政策については例えば、これまで米国では洋上風力が推進されてきたが、洋上風力のサプライチェーンは欧州が主流で、米国にはほとんどない。従って、洋上風力は方針転換の可能性がある。太陽光については、レッドステート(共和党優勢の赤い州)のテキサス州などで太陽光が普及しており、トランプ次期大統領自身も否定していないため、継続の可能性もあるが、まだ不透明だ。また、水素については、米国ブラックジャックゲームルールで展開しているのはもともと、共和党支持層のオイル・ガスブラックジャックゲームルールだ。議会でも超党派の支援を得ていることから、これまであまり発言で触れられていない。いずれにしても、今後の動向を注視する必要がある。
- 開示規制については、SEC規則は不透明だが、カリフォルニア州法では訴訟が起こってはいるものの、州側も闘う姿勢を当然に見せており、早々に覆されることは想定されないのではないか。
- 質問:
- 開示法制を含む気候変動政策対応で今後、在米日本ブラックジャックゲームルールはどういったことを意識していくべきか。
- 答え:
- 繰り返しになるが、米国内の環境規制が一時的に減速したとしても、世界的な潮流は変わらないとみている。特に欧州のCSRDをはじめとした環境規制は、米国ブラックジャックゲームルールも含めてグローバルに影響を及ぼす。米国内の規制の動向を見ることも重要だが、特にグローバルブラックジャックゲームルールと付き合いがあるブラックジャックゲームルールは、引き続き脱炭素化対策を進めていく意識を持つことが重要となるだろう。米国のトップティアのブラックジャックゲームルールは1次データへの要求が高く、サプライヤーを直接的に巻き込んでいくことがトレンドとなってくるだろう。信頼性のあるデータ管理、報告体制の整備が必要となってくる。
- また、連邦レベルの規制のみならず、ブラックジャックゲームルールでは州ごとに規制が異なるため、関係がある州の規制は注視していく必要がある。カリフォルニア州のみならず、NY州やイリノイ州などでの気候変動開示法制の議論の進展を見ていきたい。
- 注1:
- Carbon Disclosure Project(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)。英国で設立された国際的な環境非営利団体(NGO)で、ブラックジャックゲームルールに対してCO2排出量や気候変動への取り組みに関する質問書を出すことで情報を収集し、その情報を開示している。
- 注2:
- ブラックジャックゲームルールが開示・報告する情報に対して、独立した第三者の専門家・機関によって、公正性や正確性を評価してもらうこと。
- 注3:
- 米国内の自治体やブラックジャックゲームルール、民間団体による共同キャンペーンで、2017年にパリ協定離脱が宣言された際に、協定に沿った温暖化対策を推進し続けることを宣言している。
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- 執筆者紹介
- ジェトロ・ロサンゼルス事務所
堀永 卓弘(ほりなが たかひろ) - 2011年財務省入省。財務省主計局調査課、理財局地方企画係、金融庁監督局銀行第二課、 個人情報保護委員会事務局、財務省大臣官房総合ブラックジャックゲームルール課などを経て、2023年7月からジェトロに出向、現職。