ドバイ政府、経済再開に向けて規制を段階的に緩和
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2020年05月29日
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国政府は5月25日、ラマダン(断食月)明け祝祭後となる5月27日から、現行の規制措置を段階的に緩和すると発表した。
「スキー・ドバイ」や「グリーン・プラネット」といった市内の主要屋内型観光施設、映画館、美術館、スポーツ施設などの営業が、3月中旬に閉鎖措置が開始されて以来(2020年3月17日記事参照)、2カ月半ぶりに解禁されるなど経済・文化活動が再開されることとなった。ただし、外出時は2メートルのソーシャルディスタンスの確保およびマスクの常時着用が求められるほか、特定年齢(12歳以下・60歳以上)や慢性疾患がある人などはショッピングモールやスポーツ・娯楽施設などへの入場不可、午後11時から午前6時までの夜間外出禁止など、幾つかの予防措置は継続する。
ドバイ政府経済開発局が5月26日に改定・発表した経済再開に向けたガイドラインによると、従前、重要産業部門を除いて従業員総数の30%が上限(関連ブラック ジャック ルール)だった従業員のオフィスへの出勤可能割合が50%に引き上げられた。また、スポーツ・娯楽・文化施設などは上述の年齢などによる入場制限に加え、入場者数をキャパシティの50%を上限とするなど、営業再開に関して一定の条件を課している。加えてドバイ政府は27日、政府機関においては6月14日から100%の出勤を可能とすると発表した。
3月中旬から継続している国際便の停止、入国制限措置についても、5月上旬から一部緩和されており、国外にいるUAE国民に加え、居住ビザを有する人は事前手続きを経ることで帰国が可能となっている。現状、一般旅行客の入国までは許可されていないが、これを受けてドバイのエミレーツ航空は、5月21日から欧州、米国、オーストラリアなどの9都市への商業運航を再開している。UAEでは、精力的な検査実施もあって、直近の1週間は1日平均800人以上の新規感染者が確認されているものの、感染拡大のコントロールと経済再開とを両立する試みが始まっている。
(田辺直紀)
(アラブ首長国連邦)
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