ブラックジャックストラテジーブラックジャックストラテジー

2025年1月23日

紅海情勢が世界の海上輸送に大きな影響を与えている(2024年10月23日付ビジネス短信参照)。エジプトは紅海と地中海をつなぐスエズ運河を擁する国際海運の要衝だ。ジェトロは、ブラックジャックストラテジーキューネ・アンド・ナーゲルのエジプト拠点長のヨーク・マイヤー氏に、同国を取り巻く物流の状況について話を聞いた(取材日:2024年10月24日、追加情報提供:2024年12月24日)。

ブラックジャックストラテジー
キューネ・アンド・ナーゲルのエジプト拠点長ヨーク・マイヤー氏(同社提供)
質問:
事業概要は。
答え:
当社はスイスに本社を置き、約100カ国でビジネスを展開している。40万社以上のお客さまに国際ブラックジャックストラテジーソリューションを提供する世界有数のロジスティクス・プロバイダーだ。海上と航空貨物輸送の分野ではNo.1、陸上輸送とコントラクトロジスティクス(注)でも強いポジションを築いている。エジプトではカイロ、カイロ空港、アレキサンドリア、ポートサイードの4か所に拠点を持ち、主に海運、空運、陸上の貨物輸送サービスを手掛けているが、当社のグローバルネットワークと専門知識、デジタルを使った一貫したロジスティクスソリューション、顧客のニーズに応じたオーダーメードのサービスも提供可能だ。
エジプトからの輸出品は家電、電線、野菜や果物が多く、仕向け地は欧州、米国、中東、アフリカと多岐にわたる。特に近年伸びが著しいのは、中東、アフリカ向けだ。エジプトへの輸入品は自動車と自動車部品、材料・素材、日用品が多く、輸入元は中国などの東アジアや、欧州が多い。また、工場や発電所などの設備に関わるプロジェクトロジスティクスへのニーズも伸びている。エジプトでのエネルギー需要の増大を受け、風力発電設備や太陽光パネルなどの輸送が増えている。
質問:
紅海の情勢がエジプトや地域のブラックジャックストラテジーに与える影響は。
答え:
アジア発エジプト向け貨物に関しては、主な航路が南アフリカ共和国の喜望峰経由となったため、例えば、東京発、アレキサンドリア向けが以前は38日程度だったところ、当社調べでは、平均60~70日となっている。一方、欧米との貿易は、エジプトの主要港である地中海沿いのアレキサンドリア港から紅海を通過せずに、欧州に直接アクセスできるため、特に影響は出ていない。欧州の海事調査会社シー・インテリジェンスが発行するマリタイム・アナリシスの2024年12月8日号によると、世界全体のコンテナ需要は、紅海問題が発生していなかった場合の仮定と比較して、2024年10月時点で前年比約17.4%上がっているという。紅海情勢が世界全体のコンテナブラックジャックストラテジーに与える影響は30%と言われるが、新型コロナウイルス禍に起きたほどの混乱にはならないだろう。コロナ禍による混乱は、特定製品に対する急激な需要の高まりと、世界的な人材不足など、さまざまな問題によって引き起こされていたからだ。
質問:
こうした状況に顧客企業はどう対処すべきか。
答え:
ブラックジャックストラテジーが国際情勢などの外部要因に左右され、コストやリードタイムに鑑みて、航路を自由に選択する「航海の自由」が奪われた状況が続いている。荷主企業はスケール効果を考慮し、現地生産も視野に入れることが求められる。また、ブラックジャックストラテジーを担う企業と中長期的な信頼関係を築き、その時々の状況に応じて最適な輸送方法を相談することも大切だ。
例えば、当社では、アジアから欧州や中東方面に向けたブラックジャックストラテジーで、「シー・エア(SEA-AIR)」という複合輸送の需要が急激に高まっている。アジアからの貨物をアラブ首長国連邦(UAE)のドバイまで海上輸送し、UAEで航空便に積み替えて、欧州まで輸送する。エジプト向け輸送の場合、UAEの港から陸路でも10日足らずで輸送できる。また、当社の海上貨物輸送の顧客に対しては、船舶の位置や輸送時間、サービスの中断、最良の代替航路に関するマーケット情報などをリアルタイムで提供している。
質問:
今後のブラックジャックストラテジー動向の見通しは。
答え:
エジプトにとっては、2025年はまだ明るい兆しは見えづらい年と予測している。コンテナ船業界向け情報誌、ライナーリティカ(Linerlytica)の Market Pulse 2024 Week 52によると2024年の1月から11月に紅海を通過した船の数は、対前年比約70%減で、この事実は、エジプト政府の外貨の獲得に大きく影響していると言えるだろう。2024年9月頃に立て続けに一部の大手船会社が、2025年2月より紅海経由のサービス再開を案内していたが、結局同案は延期となり、2025年も引き続きエジプト政府の外貨獲得にとっては厳しい状況が続くと同時に、エジプト企業にとってもアジアとの交易に支障が続くと予想される。また世界全体にとっても、万が一中東情勢の状況が改善しても、世界全体の船のスケジュールが紅海問題発生以前に戻るまでには相当な時間を要すると言われている。
現状の不安定な状況においては、まずはプロのブラックジャックストラテジーサービスプロバイダーへ相談する事で最善の選択肢や代替案を考える事をお勧めする。

注:
一般的に、契約に基づいてブラックジャックストラテジーを一括して請け負うことを指す。
執筆者紹介
ジェトロ・カイロ事務所
塩川 裕子(しおかわ ゆうこ)
2016年、ジェトロ入構。展示事業部、ジェトロ富山、企画部(中東担当)を経て2022年7月から現職。