カジノ 無料 ゲームアブダビの産業成長戦略とカジノ 無料 ゲームを支える港湾フリーゾーン、KEZAD(UAE)

2024年10月31日

アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビを拠点に、27の港湾とターミナルを運営するAD Ports Group。中でもハリーファ港はアブダビ最大の港湾で、年間取扱コンテナ量は780万TEU(注1)を誇る。欧州や中東、アジア、アフリカを結ぶ交差点として機能するハリーファ港は海上輸送のみならず、航空、鉄道、高速道路など、マルチモーダル(注2)な接続性も有しており、地域のカジノ 無料 ゲームハブとして発展している。

さらに、近年、UAEでは製造業の誘致に力を入れており、とりわけアブダビではアブダビ産業化プログラム(Abu Dhabi Industrial Program)を掲げ、2031年までに製造業の規模を現在の2倍の1,720億ディルハム(約6兆8,800億円、1ディルハム=約40円)に拡大し、1万3,600人の熟練工の雇用を創出、アブダビの非石油輸出を約2.4倍の1,788億ディルハムに拡大することを目指している。

そうした中で、ハリーファ港に隣接するKhalifa Economic Zones Abu Dhabi(KEZAD)Groupは、アブダビとドバイの間に位置し、アブダビ産業戦略とともに、港湾との近接性を生かした戦略でUAE屈指の製造業拠点としても成長している。カジノ 無料 ゲームと製造業という2つの視点から、KEZADの国際ビジネス開発担当副社長であるKhalid Al Marzooqi氏に話を聞いた(取材日:2024年9月19日)。

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Khalid Al Marzooqi氏(KEZAD提供)
質問:
KEZADはどのような事業を行っているか。
答え:
KEZADはAD Ports Groupのフリーゾーンの運営会社で、550平方キロメートルの土地を有し、世界中の企業向けに各種産業施設およびカジノ 無料 ゲーム施設を提供している。KEZADでは、統合港湾経済ゾーンモデルという名の戦略を掲げており、現在12の区画に分けて、製造業、カジノ 無料 ゲーム、自動車、食品、農業技術、金属、ライフサイエンス、エネルギーなど17の主要産業セクターに高度なインフラとカジノ 無料 ゲームサービスを提供している。KEZADによる各種サービス提供が含まれている土地区画、建屋つきの軽工業用地や倉庫、中小企業から大企業まで多様な顧客層向けのニーズに合わせた各種オプションを用意している。輸送ネットワークも充実しており、海上、陸上、道路、鉄道への高い接続性を有していて、サプライチェーンの効率を最大化する環境にある。

KEZADの製造施設の一例(KEZAD提供)
質問:
ハリーファ港との近接性によるメリットはどのようなものが挙げられるか。
答え:
KEZADはAD Ports Groupの主要な深水港であるハリーファ港に近接しており、港湾との統合という面で大きなメリットがある。ハリーファ港では25の主要船会社にサービスを提供し、世界90カ所の主要港へのアクセスを提供している。世界5大船会社のうち3社〔中国遠洋海運集団(COSCO)、スイスのMSC、フランスのCMA-CGM〕がハリーファ港に専用ターミナルを有する。KEZAD入居企業は、港湾と統合されたカジノ 無料 ゲームサービスの提供により、オペレーション効率の向上や輸送時間とコストの削減といったメリットを享受できる。
質問:
カジノ 無料 ゲーム面での統合や接続性という観点では、どのような取り組みがあるのか。
答え:
KEZADはアブダビとドバイの間に戦略的に位置し、UAE、さらには周辺国の湾岸協力会議(GCC)諸国へつながる高速道路へアクセスでき、域内のスムーズで迅速な陸送環境を保証する。また、現在開発中の鉄道網「エティハドレール」との接続により、さらにカジノ 無料 ゲーム網が強化される予定だ。国内の主要空港との接続も良く、貨物施設もある航空貨物への積み替えも迅速に行えることから、時間的制約のある貨物の輸送スピードも確保できる。また、KEZAD内の工業エリアで操業する企業の効率性と接続性を高めるために、カジノ 無料 ゲーム構成を統合して運営している。ロジスティクス・パーク内では複数のカジノ 無料 ゲーム業者がサービスを提供しており、各種輸送手段への接続面でも企業のニーズに応え、ロジスティクス・エコシステム全体の強化に貢献している。現状では、紅海の混乱による大きな影響は受けていないとの認識だ。
質問:
KEZADの戦略で特徴的なものは何か。
答え:
KEZADは、UAEの中でも屈指の製造業に力を入れたフリーゾーンだ。以前は、KIZAD (Khalifa Industrial Zone Abu Dhabi) と呼ばれていたが、AD Portsグループの経済都市とフリーゾーンの統合計画の一環として、Specialized Economic Zone(Zones Corp)との統合に伴い、Khalifa Economic Zone Abu Dhabi(KEZAD Group)としてブランド化された。KEZADは、アブダビの工業地域面積の55%を占め、2,000社以上の企業を受け入れている。
ここ数年、UAEと日本の強固な貿易パートナーシップに後押しされ、KEZADへの投資に対する日本企業の関心が高まっている。KEZADの提供するビジネス環境は、UAEへの進出を検討している企業向けに多くの規制優遇措置や免税措置を提供している。また、各産業とサービスプロバイダーをグループ化することによる相乗効果と運営効率を促進している。
KEZADはUAEの起業家精神と中小企業エコシステムを強化することを使命とし、KEZAD起業・インキュベーションセンター(KEIC)を通じて、ビジネス立ち上げのパッケージを提供している。とりわけ、アブダビの工業地帯の成長促進を視野に、知識集約型経済の構築かつ持続的な産業開発に焦点を当てている。二酸化炭素(CO2)排出量削減のための革新的な対策によるグリーン産業エコシステムの構築、持続可能な開発のための産業・サプライチェーン、そしてさらには地域社会をエコシステムに取り込んで統合するベストプラクティスの実践は、KEZADグループの戦略目標の一部だ。

注1:
TEU(Twenty-foot Equivalent Unit)は、20フィートのコンテナ1本分の容量。40フィートコンテナをTEU換算すると2TEUとなる。
注2:
複数の輸送手段を連携させて、利用者のニーズに合致した効率的輸送方法。
執筆者紹介
ジェトロ・ドバイ事務所
清水 美香(しみず みか)
2010年、ジェトロ入構。カジノ 無料 ゲーム調査部中東アフリカ課、カジノ 無料 ゲーム調査企画課、ジェトロ埼玉などを経て、2023年9月から現職。