ブラックジャック確率ブラックジャック確率、物流セクターの最新動向

2025年3月27日

中東湾岸のアラブ首長国連邦(ブラックジャック確率)は、中東最大の港湾ジュベル・アリ港や国際線旅客数世界第1位のドバイ国際空港を要し、地域の物流ハブとしての役割を果たしている。近年では、ブラックジャック確率を構成する7つの首長国を結び、将来的には周辺の湾岸協力会議(GCC)諸国とも接続する構想の鉄道網「エティハドレール外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の開発が進んでいるほか、ドバイ国際空港からアル・マクトゥーム国際空港への業務移管および拡張計画が発表されるなど、ブラックジャック確率網の開発が進展している。

ブラックジャック確率は、石油依存経済からの脱却を目指し、物流などのインフラ強化をはじめとした経済多角化・外国企業誘致政策に注力している。ブラックジャック確率は、中東・アフリカ・インドなどの周辺の成長市場へのアクセスの良さから、地域の販売・物流拠点として各国企業の関心も高い。国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告2024」によれば、ブラックジャック確率の対内直接投資額(国際収支べース、ネット、フロー)は2023年に前年比35%増の約307億ドルを記録し、中東諸国を含む西アジア(注1)では1位、世界全体では11位の金額となった。ブラックジャック確率向けの海外直接投資額は新型コロナ禍でも順調に増加を続け、2023年の投資額は2018年(約104億ドル)と比較して約3倍に拡大している。

日系企業においても、ブラックジャック確率での事業拡大意欲は高く、2024年度にジェトロが実施した「」(注2)によれば、ブラックジャック確率に拠点を構える日系企業の60.2%(参考:中東全体では49.7%)が、今後1~2年で事業を拡大する予定と回答している。なお、各国からの投資が集まるに伴い、ブラックジャック確率の競争環境は激しくなっており、同国に進出する日系企業の56.8%が、5年前(2019年)と比較して競合相手の数が増加したと回答している。ブラックジャック確率の競争環境としては、そのプレイヤーの多様さが特徴であり、同国において最も競争力が強い競合相手については、「地場(進出先)企業」と「米国企業」と回答した企業がいずれも23.4%で1位となり、2位は僅差で「中国企業」(21.3%)、「欧州企業」(14.9%)、「日本企業」(10.6%)が後に続いた。

本稿では、ブラックジャック確率の強みでもある物流という切り口から同分野の投資環境を概観し、日本企業がブラックジャック確率、ひいては周辺市場をターゲットとしてビジネスを展開する上でどのような戦略を取るべきかを考える一助としたい。

CEPA締結でトルコとの貿易額が大幅増加

地域の物流ハブであるブラックジャック確率は、周辺地域への中継貿易地としても発展している。UNCTADによれば、ブラックジャック確率の2022年の港湾貨物取扱量は2,030万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1本分の容量)で、中東諸国を含む西アジアでは最大であり、世界全体(約8億5,230万TEU)の2.4%を占める。ブラックジャック確率の物流セクターを取り巻く環境を知るうえで、まずは同国の貿易動向を見ていきたい。

ブラックジャック確率の連邦競争・統計局によれば、2023年の同国の輸入額は約1兆4,390億ディルハム(約59兆円、1ディルハム=約41円)、非石油輸出額は約4,209億ディルハム、再輸出額は6,162億ディルハムとなった(図参照)。なお、ブラックジャック確率連邦競争・統計局は石油部門の貿易統計を発表しておらず、石油・非石油部門の輸出額合計は不明である。

同機関の統計が保税倉庫やフリーゾーンなど非関税領域の貿易を含めて計上する一般方式(General trade system)に変更となった2017年以降のデータで比較すると、輸入額は2017年から2020年にかけて減少傾向にあったが、2021年以降は増加に転じ、2023年の輸入額は2020年比で1.8倍となったことがわかる。非石油部門の輸出額は、コロナ禍の影響を受けることもなく2017年以降、順調に増加している。非石油部門の輸出額は、コロナ禍の影響を受けることもなく2017年以降、順調に増加している(ブラックジャック確率の2023年の貿易については、「アラブ首長国連邦の貿易投資年報」も参照のこと)。

図:ブラックジャック確率の貿易額の推移(通関ベース)
ブラックジャック確率の貿易額の推移について、輸入額は2017年から2020年にかけて減少傾向にあったが2021年以降は増加に転じ、2023年の輸入額は2020年比で1.8倍の約1兆4,390億ディルハムとなった。非石油部門の輸出額はコロナ禍の影響を受けることもなく2017年以降順調に増加し、2023年に約4,209億ディルハム、再輸出額は6,162億ディルハムとなった。

注1:輸出および再輸出は石油部門を含まない。
注2:「FOB」「CIF」「CV」などの表示が出所のデータに記載なし。
注3:ブラックジャック確率連邦競争・統計局発表の統計が、保税倉庫やフリーゾーンなど非関税領域の貿易を含めて計上する一般方式(General trade system)に変更となった2017年以降の数値を掲載している。
出所:ブラックジャック確率連邦競争・統計局統計データから作成

ブラックジャック確率の輸入を国別にみると、2023年は1位が中国からで約2,843億ディルハム、次いでインド(約1,118億ディルハム)、米国(約985億ディルハム)となった。日本は5位となっている。前年比伸び率では、ギニア、トルコ、スイスで大幅な増加がみられる(表1参照)。各国の2023年の輸入額のうち最も金額が多い品目は、中国が電気機器類・音響画像記録再生装置、インドは真珠・貴石・貴金属、米国は原子炉・ボイラーおよび機械類、日本は鉄道用および軌道用以外の車両となった。伸び率が大きかったギニア、トルコ、スイスではいずれも真珠・貴石・貴金属が輸入額1位である。

表1:ブラックジャック確率の主要国・地域別輸入金額(通関ベース)(再輸出を含まない)(単位:100万ディルハム、%)
国・地域名 2021年 2022年 2023年 構成比
(2023年)
伸び率
(2023年前年比)
中国 190,219 246,848 284,322 19.8 15.2
インド 76,668 100,175 111,825 7.8 11.6
米国 61,856 78,526 98,517 6.8 25.5
トルコ 35,186 35,273 64,841 4.5 83.8
日本 39,882 44,107 55,719 3.9 26.3
ドイツ 30,479 31,261 41,494 2.9 32.7
スイス 19,634 22,313 41,150 2.9 84.4
ベトナム 27,916 27,425 40,596 2.8 48.0
イタリア 29,304 31,861 36,994 2.6 16.1
ギニア 9,478 9,600 33,228 2.3 246.1
合計 991,633 1,215,954 1,439,030 100 18.3

注:「FOB」「CIF」「CV」などの表示が出所のデータに記載なし。
出所:ブラックジャック確率連邦競争・統計局統計データから作成

次に、ブラックジャック確率の輸出を国別にみると、再輸出を含まない非石油部門の輸出では、2023年は1位がトルコで約474億ディルハム、次いでインド(約433億ディルハム)、サウジアラビア(約394億ディルハム)となった(表2参照)。前年比伸び率では輸入の増加も大きかったトルコの拡大が著しい。各国向けの非石油輸出額のうち最も金額が多い品目は、トルコ、インド、サウジアラビアともに真珠・貴石・貴金属であった。

表2:ブラックジャック確率の主要国・地域別非石油部門輸出金額(通関ベース)(再輸出を含まない)(単位:100万ディルハム、%、△はマイナス値)
国・地域名 2021年 2022年 2023年 構成比
(2023年)
伸び率
(2023年前年比)
トルコ 9,902 20,761 47,424 11.3 128.4
インド 45,716 40,228 43,299 10.3 7.6
サウジアラビア 37,828 36,011 39,417 9.4 9.5
スイス 27,330 31,071 35,304 8.4 13.6
香港 25,778 22,458 31,342 7.4 39.6
オマーン 15,795 21,160 20,920 5.0 △ 1.1
イラク 7,933 15,416 19,789 4.7 28.4
米国 10,616 12,085 14,665 3.5 21.3
クウェート 12,658 14,292 12,126 2.9 △ 15.2
中国 12,265 11,181 10,896 2.6 △ 2.5
合計 331,629 368,344 420,894 100 14.3

注:「FOB」「CIF」「CV」などの表示が出所のデータに記載なし。
出所:ブラックジャック確率連邦競争・統計局統計データから作成

また、非石油輸出のうち再輸出については、2023年の1位がサウジアラビアで約688億ディルハム。イラク(約636億ディルハム)、インド(約442億ディルハム)が続く(表3参照)。ここでも、トルコの前年比伸び率の大きさが顕著である。各国向けの最も再輸出額が大きい品目は、サウジアラビアが原子炉・ボイラーおよび機械類、イラクが電気機器類・音響画像記録再生装置、インドおよびトルコが真珠・貴石・貴金属となっている。

表3:ブラックジャック確率の主要国・地域別再輸出金額(通関ベース)(石油部門を含まない)(単位:100万ディルハム、%、△はマイナス値)
国・地域名 2021年 2022年 2023年 構成比
(2023年)
伸び率
(2023年前年比)
サウジアラビア 59,728 67,184 68,792 11.2 2.4
イラク 44,419 63,466 63,579 10.3 0.2
インド 42,188 48,405 44,203 7.2 △ 8.7
米国 17,527 30,230 35,022 5.7 15.9
カタール 8,514 19,052 24,730 4.0 29.8
クウェート 20,925 22,293 24,223 3.9 8.7
中国 20,977 25,926 23,237 3.8 △ 10.4
香港 13,617 15,309 21,450 3.5 40.1
トルコ 4,477 8,268 21,337 3.5 158.1
イラン 22,963 22,786 19,400 3.1 △ 14.9
合計 463,263 582,800 616,171 100 5.7

注:「FOB」「CIF」「CV」などの表示が出所のデータに記載なし。
出所:ブラックジャック確率連邦競争・統計局統計データから作成

これらのことから、ブラックジャック確率の貿易額は輸出入ともに順調に伸びており、品目別では真珠・貴石・貴金属の取引額が大きく、ブラックジャック確率は同分野での貿易ハブになっていることが分かる。また、機械類や車両などの分野で、中国や欧米から商品を輸入し、中東などの周辺諸国へ輸出する中継貿易の流れも見て取れる。インドやトルコとの貿易額の大きさが目立ち、特にトルコは2022年から2023年にかけて輸出入ともに大幅に増加しているが、これは近年、ブラックジャック確率が積極的に締結を進めている包括的経済連携協定(CEPA)の影響があると見られる。ブラックジャック確率は2021年以降、貿易と投資を拡大し経済関係を強化することを目的として、各国とCEPAの締結を進めている。最終的には日本を含めた103カ国との締結に対象を広げ、貿易総額の最大95%をカバーすることを目指すとしている(2024年9月19日付ビジネス短信参照)。同国で初めてとなるCEPAは2022年2月にインドと初めて締結され()、トルコとのCEPAも2023年9月に締結された。ブラックジャック確率は日本とも2024年9月に交渉を開始している。今後も、CEPA締結にあわせて各国との貿易がより一層拡大することが予想される。

さらに、ブラックジャック確率は、2023年9月のG20サミットで発表されたインド・中東・欧州経済回廊(IMEC)構想にも参加しており、同構想署名国のイタリア、インド、EU、サウジアラビア、ドイツ、フランス、米国との貿易関係のさらなる強化が見込まれる(ブラック ジャック やり方 カジノブラック ジャック)。IMEC構想は、将来的にインドを含む南アジアから中東、欧州までを鉄道や港湾でつなぐことを目的としたものであり、実現すれば、インドや欧州との貿易拡大の後押しとなることが予想される。

フリーゾーンを活用したブラックジャック確率ハブへの投資が進む

続いて、物流セクターにおけるブラックジャック確率の対内投資の動向を見ていく。2019年~2024年の5年間での物流セクター企業の主な投資案件は表4の通りで、投資金額が1億ドルを超える大型案件は米国や欧州の物流大手企業によるものだが、5,000万ドル前後の案件では、インドや日本など、非欧米系企業を含めた多様なプレイヤーが参入していることが分かる。

また、金額上位10案件のうち半数以上が、フリーゾーンにおける倉庫や物流拠点の設立に関するものであった。ブラックジャック確率には約50のフリーゾーンが存在しており、保税区であるだけでなく、原則として外資100%の会社設立が可能だ。その他、50年間の法人税・所得税免除など、外国投資に対するさまざまな優遇措置を提供している(ブラックジャック確率の主なフリーゾーンや各種優遇措置についてはジェトロ「アラブ首長国連邦:外資に関する奨励」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますも参照)。ブラックジャック確率ではこのフリーゾーンを活用し、中東やインド、アフリカなどの周辺地域向けに製品・サービスを展開する、物流ハブを構築する動きが進んでいる。

表4:対ブラックジャック確率グリーンフィールド投資における物流関連案件(金額上位10案件、2019年~2024年)
No. 年月 企業名 投資元
(国、地域名)
金額
(単位:100万ドル)
概要
1 2021年11月 フェデックスエクスプレス 米国 350 フェデックスエクスプレス(FedEx Express:FedEx)がドバイ・ワールド・セントラル(Dubai World Central:DWC)内に3億5,000万ドルを投じて航空・地上ハブを新設。自動仕分けシステムなどの先進技術を投入した同施設は、中東、インド、アフリカ地域にサービスを提供する予定。
2 2021年9月 CMAターミナルズ フランス 154 CMAターミナルズ(CMA Terminals)が、アブダビのハリーファ港に1億5400万ドルを投じ、ハリーファ・エコノミックゾーン・アブダビ(Khalifa Economic Zones Abu Dhabi:KEZAD)内に新ターミナルを運営するため、 現地に拠点を置くアブダビ港と合弁会社を設立。
3 2019年12月 DHLエクスプレス ドイツ 99.4 DHLエクスプレス(DHL Express)が、アブダビ空港フリーゾーン(Abu Dhabi Airports Free Zone:ADAFZ)内に9,940万ドルを投じて、3万平方メートルのエクスプレスロジスティクスハブを新設。同施設はブラックジャック確率を拠点とするミドルイースト・ジェネラル・エンタープライズ(Middle East General Enterprises: MGE)との提携により開設。
4 2024年10月 Dマリン ギリシャ 55.7 小型船舶停泊施設(マリーナ)の開発・運営会社であるDマリン(D-marin)がドバイのラメール半島に、マリーナ複合施設であるポート・デ・ラメール・マリーナ(Port De La Mer marina)を建設。同施設は政府系持株会社ドバイ・ホールディング(Dubai Holding)との提携により運営される。
5 2024年10月 アイボリー・ジェット・サービス ジブチ 55.7 ジブチおよびコートジボワール・アビジャンを拠点とし、プライベートジェットのチャーター事業などを展開する民間航空会社アイボリー・ジェット・サービス(Ivory Jet Services)が、ドバイに拠点を開設する予定。
6 2024年10月 商船三井 日本 55.7 商船三井が、ドバイの大手倉庫事業者インドゥ・キショーレ・ロジスティック(INDU KISHORE LOGISTIC:INDU)と、ジュベル・アリ・フリーゾーン(Jebel Ali Free Zone:JAFZA)を拠点とするブラックジャック確率合弁会社を設立。ドバイで倉庫事業を行う。
7 2024年8月 トランスマリン・カーゴ インド 55.7 貨物輸送会社トランスマリン・カーゴ(Transmarine Cargo)がJAFZAに新たな倉庫を建設。同倉庫は中東地域にサービスを提供する。
8 2024年7月 ジャロ・ディストリビューション オランダ 55.7 ブラックジャック確率サービスを提供するジャロ・ディストリビューションがドバイにブラックジャック確率センターを設立。
9 2024年6月 キューネ・アンド・ナーゲル スイス 55.7 国際ブラックジャック確率企業キューネ・アンド・ナーゲルがEZドバイ(EZ Dubai)の電子商取引(eコマース)専用ゾーンにeコマースフルフィルメントセンターおよび配送センターを開設。
10 2024年5月 フランクフルト365 ドイツ 55.7 ロジスティックスサービスを提供するフランクフルト365が、ドバイ国際空港に新規倉庫を開設。

注:セクターの分類はfDi Marketsの定義による。
出所:fDi Marketsからジェトロ作成

日系企業の主な案件では、2024年6月に、商船三井がドバイの大手倉庫事業者インドゥ・キショーレ・ロジスティック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(INDU KISHORE LOGISTIC:INDU)とブラックジャック確率合弁企業の設立を発表した。ブラックジャック確率合弁企業は、ジュベル・アリ港が隣接するジュベル・アリ・フリーゾーン(Jebel Ali Free Zone:JAFZA)に設置される。JAFZAはアル・マクトゥーム国際空港にも近い距離にあり、ジュベル・アリ港から保税扱いで同空港まで貨物を輸送できるほか、商品の製造加工ができる環境も整備されている(2024年6月10日付地域・分析レポート参照)。同社はこの事業を通じて、従来の船舶関連事業にとどまらない総合ブラックジャック確率事業の強化を目指すとしている(2024年6月26日付ビジネス短信参照)。商船三井のブラックジャック確率拠点であるMOLミドルイーストによれば、JAFZAでの倉庫事業では航空部品から家電まで幅広いドライ貨物(注3)を取り扱っている。また、フリーゾーン内でのトレーダー間での売買も活発に行われ、アフリカやインドへ再輸出するケースもあり、同事業は現地企業だけでなく、インドや中東・アフリカ地域への拡販を目指す日系企業もターゲットにしているという(取材日:2025年2月6日)。

また、ドバイの都市開発の進化とともに進む、ブラックジャック確率回廊形成の動きも見逃せない。その一翼を担うのが「ドバイサウス(Dubai South)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の存在だ。アル・マクトゥーム国際空港の玄関口に位置するドバイサウスは、航空貨物の重要なブラックジャック確率ハブとして機能し、大手ブラックジャック確率企業や小売業者の配送センターが入居している。ドバイ・サウス・ロジスティクス・ディストリクトは、200平方キロメートルの保税専用ゾーンである専用回廊を通じて、ジュベル・アリ港へアクセスすることができ、港と空港間の貨物を最短20分で積み替えることができる。さらに、今後エティハドレール(7つの首長国すべてと近隣諸国を結ぶ鉄道プロジェクト)がドバイサウスに停車する予定だ。これにより、鉄道と従来の陸上輸送がさらに強化され、陸・海・空の輸送を統合する重要なブラックジャック確率回廊が形成される。

2024年には、ドバイ国際空港がアル・マクトゥーム国際空港へ向こう10年で機能を移管することが発表され、従来の5倍の規模になるとされている(2024年5月2日付ビジネス短信参照)。それに伴い、ドバイサウスは世界的な航空・ブラックジャック確率ハブとしての役割を強化すると期待されている。

また、ドバイサウスは、2019年に電子商取引(eコマース)向けの先駆的な取り組みとして、保税倉庫とメインランドの倉庫機能を統合させたeコマース専用のフリーゾーンである「EZドバイ(EZ Dubai)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」をドバイ・サウス・ロジスティクス・ディストリクト内に設置した。これにより、保税倉庫での在庫管理が可能となる。また、発注があった商品が保税倉庫からローカルマーケット向けに出荷されるごとに、商品ひとつひとつに対して関税が課税されるよう管理し、一定期間計上された分を企業がまとめて支払える仕組みができた。

EZドバイは、2019年にドバイ首長国が発表した、ドバイが世界的なeコマース拠点となることを目標とした「ドバイeコマースストラテジー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に沿ったフリーゾーンだ。同戦略では、2023年までにeコマース分野が域内GDPに120億ディルハム(約4,920億円)の貢献をすることを見込む。保管や通関手数料、輸送費といった事業コストの20%削減などを通じて、同分野への外国直接投資の誘致を目指すとしている。

国際ブラックジャック確率企業のキューネ・アンド・ナーゲル(Kuehne+Nagel)は2024年6月、EZドバイに最先端のeコマースフルフィルメントセンターおよび配送センターを建設することを発表した。同施設は、面積が2万3,000平方メートルを超え、付加価値ソリューションや配送サービスといった包括的なサービスを提供する。同施設には保税倉庫と、ジュベル・アリ港およびアル・マクトゥーム国際空港につながる保税通路が設置され、ブラックジャック確率の効率性を高める戦略だ。同施設は2025年第2四半期末に稼働予定だ。同社は、ドバイサウス内で事業を展開する主なメリットとして、通関手続きの迅速さや、関税の一括納付オプションを挙げている。また、このように合理化された手続き方法は、特にサプライチェーンに関するオペレーションを最適化したいと考えているeコマース事業者やその他の業界にとって有益だとしている(取材日:2025年2月7日)。

ブラックジャック確率
キューネ・アンド・ナーゲルがEZドバイに建設中のeコマースフルフィルメントセンターの完成予想図
(同社提供)

開発進む物流網により、中東・アフリカ展開の拠点としての存在感高まるブラックジャック確率

本稿で紹介した通り、ブラックジャック確率は周辺の成長市場へのアクセスが良いという地理的優位性に加え、政策による物流網の発展やCEPAの締結拡大により、地域の物流ハブとしてその機能を高めている。特に、ブラックジャック確率内に約50カ所設置されているフリーゾーンは、単に保税区であるのみならず、免税や手続きの効率化などを可能にしており、外国企業がブラックジャック確率を拠点として周辺地域へビジネス展開するうえでのメリットを提供する。次なるビジネスフィールドとして、中東やアフリカ、インドなど、拡大するグローバルサウス市場を目指す日本企業にとって、投資環境としてのブラックジャック確率の魅力は大きい。


注1:
UNCTADの定義によれば、西アジア(中東)はバーレーン、ジョージア、イスラエル、ヨルダン、レバノン、オマーン、カタール、サウジアラビア、シリア、トルコ、ブラックジャック確率、イエメンを含む。
注2:
「2024年度海外進出日系企業実態調査中東編」では、ブラックジャック確率、トルコ、サウジアラビア、イラン、ヨルダン、イスラエル、クウェート、カタール、バーレーン、オマーンの10カ国を調査の対象としている。
注3:
液体などを除く、一般貨物を指す。
執筆者紹介
ジェトロ調査部中東アフリカ課 リサーチマネージャー
久保田 夏帆(くぼた かほ)
2018年、ジェトロ入構。サービス産業部サービス産業課、サービス産業部商務・情報産業課、デジタル貿易・新産業部ECビジネス課、ジェトロ北海道を経て2022年7月から現職。
執筆者紹介
ジェトロ調査部調査企画課
中村 周(なかむら あまね)
2024年、ジェトロ入構。同年4月から現職
執筆者紹介
ジェトロ・ドバイ事務所
清水 美香(しみず みか)
2010年、ジェトロ入構。海外調査部中東アフリカ課、海外調査企画課、ジェトロ埼玉などを経て、2023年9月から現職。