カジノ 無料理が本格化−
サンパウロ発
2012年04月09日
2011年からの非自動輸入ライセンス導入や工業製品税(IPI)の引き上げなどで、自動車産業は市場参入の敷居が高くなっている。そのほか、特定の自動車部品では、国家度量衝・規格・工業品質院(INMETRO)による強制認証も始まり、認証がなければ国内での販売ができなくなる。
<油圧ブレーキオイルは2月から強制認証の対象に>
11年5月に非自動輸入ライセンス導入、9月にIPIの最大30%引き上げ発表など、輸入完成車を取り扱う企業にとって、11年は政府の方針に振り回された年になった。しかし、多くの自動車メーカーにとって、成長期にあるブラジル市場の攻略は依然として優先課題だ。これから製造拠点を設けようとする企業は、政府が重要視する現地調達率を高めることを意識しながら、サプライチェーンの確立を急ぐ必要がある。
自動車部品メーカーにもアセンブラーの要請に従い、現地生産を検討する企業が増えている。そうした中、INMETROのブラジル適合性評価システム(SBAC)規制による、強制認証の適用が12年から始まっている。
INMETROは、自動車部品をはじめ自転車、玩具、哺乳瓶や使い捨てプラスチックカップなど、消費財の品質確保を目的とした公的機関だ。自動車部品ではフロントガラス用の安全強化ガラスや新品タイヤなどについて、09年から相次いで省令が出され、強制認証が必要になった(表参照)。これらの製品は、INMETROによる認証を受けない限り、早ければ12年6月からブラジルでの販売ができなくなる。
例えば、自動車の油圧ブレーキオイルは、輸入品や生産品について12年2月からINMETROの強制認証が必要になっている。既存在庫は認証なしでも販売が許可されているが、8月以降は強制認証が必要になる。14年2月以降はINMETROによる強制認証を受けた製品だけが流通することになる。
<認証申請にはCNPJが必要>
また、08年5月6日付開発商工省決議第5号4項によると、INMETROの強制認証を取得する場合、登録の段階で生産者または輸入者が納税番号(CNPJ)を持っていなければならない。つまり、ブラジルに現地法人がない外国企業の場合、現地に法的代理人を設定する必要がある。
また、関係者によると、これらの製品のほかに、ステアリングラック、右ステアリングラック・エンドブーツ、左ステアリングラック・エンドブーツ、タイロットエンドブーツ、シートベルトの5品目については、過去の強制認証決定にかかる審議の中で一時保留とされており、今後強制認証の対象になる可能性もあるという。
(紀井寿雄、渡邉親枝)
(ブラジル)
ビジネス短信 4f7e56985d818