中南米におけるEV生産ブラック クイーン ブラック ジャック戦略ブラック クイーン ブラック ジャック記録を更新するチリEV市場に死角はあるか
全国自動車産業協会に聞く

2024年12月5日

2024年のチリの電動車(注1)市場は非常に好調だ。チリ全国自動車産業協会(ANAC)によると、同年1~9月の電動車新車ブラック クイーン ブラック ジャックは前年同期比約2倍の1万1,986台となり(表参照)、新車ブラック クイーン ブラック ジャック全体の5.4%を占めた。これは、過去最高を記録した2023年通年の9,333台を既に上回る水準だ。本レポートでは、ANACによる販売データをみた上で、同協会の事務局長らへのインタビューを実施して、動向や課題を探った。

全カテゴリーで好調

2024年1~9月の電動車新車ブラック クイーン ブラック ジャックをカテゴリー別にみると、前年同様、最もブラック クイーン ブラック ジャックが多かったのはハイブリッド車(HEV)で、前年同期比約1.8倍の4,734台だった。ブランド別では、トヨタがシェア68.0%を占め、車種別でも、「COROLLA CROSS(1,994台)」を筆頭に、ブラック クイーン ブラック ジャック上位3車種を独占した。続いて長城汽車(GWM)、フォードの順だった。

マイルドハイブリッド車(MHEV)のブラック クイーン ブラック ジャックは前年同期比約2倍の3,677台だった。ブランド別では、スズキのシェアが拡大して60.6%を占め、「FRONX(1,263台)」と「GRAND VITARA(858台)」のブラック クイーン ブラック ジャックが多かった。続いてVOLVO、BMWの順だった。

市場の拡大とプレーヤーの変化が顕著だったのがバッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)だ。BEVのブラック クイーン ブラック ジャックは前年同期比約2.8倍の2,665台を記録した。2024年から本格的に販売を開始したテスラが市場を牽引しており(上半期のBEV市場は過去最高の活況、ブラック)、シェア首位の25.4%を占めた。車種別でも、「MODEL 3(396台)」と「MODEL Y(279台)」がトップ2だ。2番手の比亜迪(BYD)をはじめとした中国ブランドも上位に複数入っており、全体の約4割と存在感が大きい(ブラック ジャック サイトEV・車載電池企業のグローバル戦略チリEV市場で存在感示すブラック)。市場への新規参入も増えており、30以上のブランドによる競争が激しい市場だ。PHEVのブラック クイーン ブラック ジャックは前年同期比約2.4倍の788台だった。これまで欧州ブランドが強い市場だったが、「SONG PLUS DM-I(274台)」の販売が伸びたBYDがシェア40.4%を占め、ボルボやBMWを抑えて首位となった。

表:電動車新車ブラック クイーン ブラック ジャック(単位:台)(-は値なし)
種類 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
1~9月 通年 1~9月
ハイブリッド車(HEV) 400 866 850 696 1,796 2,552 2,669 3,766 4,734
バッテリー式電気自動車(BEV) 125 129 217 157 556 1,295 959 1,588 2,665
プラグインハイブリッド車(PHEV) 15 68 85 79 300 474 324 506 788
マイルドハイブリッド車(MHEV)(注1) 0 0 38 80 696 2,583 1,824 3,197 3,677
レンジエクステンダーEV車(EREV)(注2) 225 276 122
合計 540 1,063 1,190 1,012 3,348 6,904 6,001 9,333 11,986

注1:電力単体では駆動できないが、電力によるアシストにより燃 料効率を上げCO2排出量を抑制した自動車。
注2:航続距離を延長する目的で小型発電機を搭載した電気自動車(EV)。
出所:ANAC

業界団体、輸入関税格差、税制優遇不足、EV普及目標未達の恐れ指摘

チリでのBEVブラック クイーン ブラック ジャックの傾向や課題、今後の展望などについて、ANAC事務局長のディエゴ・メンドーサ・ベナベンテ氏と、同オペレーションマネジャーのダニエル・ヌネス・パルマ氏にインタビューを実施した(取材日:2024年11月4日)。

質問:
チリのBEV市場の傾向は。
答え:
タイプ別で見ると、最も多く販売されていたのは、3年前までは商用車、つまり貨物用のバンだった。現在は乗用車、SUV(スポーツ用多目的車)、ハッチバック、セダンタイプが主流だ。ブラック クイーン ブラック ジャック上位のブランドも、商用車だけでなく、こうした乗用車型の車種を販売している。また、車両の価格も大幅に下がった。前年の平均価格は現在より約40%高かった。今年(2024年)は優れた技術と装備を兼ね備えた2,000万チリ・ペソ(約2万800ドル、注2)以下の車種がルノーやBYD、江淮汽車(JAC)などから販売されている。
質問:
BEV普及に当たってのインセンティブや追い風は。
答え:
現在のインセンティブとしては、以下が挙げられる。
  • 新車購入時のグリーン税免除
  • 1年の償却前倒し(商用車に限る)
  • 通行許可料(Permiso de Circulación)の支払い免除(ただし、2025年には廃止され、通常の車両の25%の金額が課されるようになる)
また、排ガス規制の強化も、エレクトロモビリティーの普及を加速させる要因となる。2025年9月からはチリ全土でユーロ6C(注3)が導入される。加えて、チリのエネルギー効率化に関する法律により、燃費の基準値の1リットル当たり18.8キロを超過した場合、超過分に応じて輸入業者などに罰金が科せられる。この基準値は2030年には1リットル28.9キロにまで段階的に引き上げられる。
質問:
BEV普及に当たっての政治的な課題は。
答え:
次の4点が挙げられる。
  1. 規制の導入の仕方:各種規制の導入は、適応するために十分な時間的猶予を持った上で段階的になされるべき。
  2. 関税面での格差:例えば、中国から輸入されるBEVが関税の免除を受けられる一方、同じように自由貿易協定(FTA)を結んでいても、欧州から輸入されるものは関税を全額支払う必要がある。これは、FTAの原産地規則の適用で、第三国で製造されたバッテリーなどのBEV部品が控除対象に含まれていないために生じている。市場での競争力の維持のため、関税差をなくすべき。
  3. 税制優遇措置の不足:現在、BEV購入は会社の経費として認められず、付加価値税(IVA)の控除もなく、小規模企業や起業家向けの他のインセンティブの活用もできない。
  4. エレクトロモビリティー国家戦略(2021年10月21日付ビジネス短信参照)で掲げる目標到達への遅れ:2035年までに国内の新車販売の100%をゼロエミッション車にすることを目指しているが、チリでは現在、BEVとPHEVのブラック クイーン ブラック ジャックは全体の1.6%にとどまる。これはとても少なく、普及を急速に進める必要がある。
質問:
充電設備などのインフラ整備の状況はどうか。
答え:
現時点では充電設備とBEV販売のバランスは十分良いと考えているが、今後、ブラック クイーン ブラック ジャックが急激に伸びる一方で、インフラ整備が追い付かなくなることを懸念している。特に自動車販売の55%以上を占める首都圏州では、充電設備の設置は数カ月かかることもあるため、整備が需要に追い付かなくなる可能性がある。充電設備の設置を促進するためには、政府がより積極的に関与し、規制の透明性を高める必要がある。そうでなければ、民間セクターの投資意欲が喚起されない。現状の課題としては、山間部や沿岸部といった地方での充電設備や急速充電設備の不足に加え、充電設備の運用管理や支払いシステムの問題なども挙げられる。
質問:
今後のブラック クイーン ブラック ジャックの予想は。
答え:
2024年のチリの新車ブラック クイーン ブラック ジャックは約30万5,000台と予想しており、そのうち1.6%がBEVとPHEVとなる見込みだ。これは年間4,800台以上のブラック クイーン ブラック ジャックで、チリでの過去最高記録となる。チリの自動車市場は非常に開放的で、2024年1~10月にBEVとPHEVを合わせて 140以上の車種が販売認証を受けている。前年は60車種にも満たなかったことを考えると、その供給は急増している。世界的にもBEVは急速に普及しており、技術革新も進んでいるため、チリ市場でも同様の成長が期待されている。

注1:
ハイブリッド車(HEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、マイルドハイブリッド車(MHEV)、レンジエクステンダーEV車(EREV)のことを指す。
注2:
2024年11月4日のチリ中央銀行レート(1ドル=961.29チリペソ)を用い算出。
注3:
EUで2017年から施行されている排ガス規制。
ブラック クイーン ブラック ジャック
執筆者紹介
ジェトロ・サンティアゴ事務所長
大塚 優希(おおつか ゆうき)
2018年、ジェトロ入構。ビジネス展開支援課、新興国ビジネス開発課、佐賀貿易情報センター勤務を経て、2023年9月から現職。