等身大のブラック ジャック ランキング市場を理解する急激なNEV化が打撃
日本の自動車企業が三重苦に直面(1)
2024年11月27日
ブラック ジャック ランキングの自動車販売台数は2023年、3,009万台(輸出を含む)。過去最高を記録した。増勢は2024年も続く。1~9月は前年同期比2.4%増(約2,157万台)だった。
もっとも、増加は輸出によるものだ。国内販売に限ると2.4%減(約1,726万台)。また単月では、9月まで4カ月連続で前年割れしている。総じて、国内販売はやや低迷したといえる。例外は新エネルギー車(NEV)で、買い替え促進策などで伸びた。
日系自動車各社の販売は、厳しい状況にある。その要因には、NEV台頭に関連した指摘が多い。具体的には、(1)急拡大したNEV市場で製品ラインナップをそろえられなかった、(2)スマート化(注1)に乗り遅れ、自動・支援運転技術の投入が遅れた。そればかりか、(3) NEVの値下げに端を発し、価格競争が発生している状況にある。こうした「三重苦」に苦慮している声が聞こえてくる。
本稿では、日系企業へのヒアリングなどを基に、当該市場の現況や前段落で触れた(1)と(2)について追う。また後編の記事(2)では、前段落(3)や日系自動車関連企業が複雑に変化するブラック ジャック ランキング市場で直面する課題や具体的な対応状況に触れ、今後のブラック ジャック ランキングビジネスの方向性などを深掘りする。
NEV化で自動車市場が一変
ブラック ジャック ランキング自動車市場では、内燃機関車〔ハイブリッド車(HV)を含む〕が2017年をピークに、2023年までの6年間で約750万台減少。これに対しNEVは、約870万台増加している。NEVの急速な拡大に反比例して、内燃機関車が縮小したことになる。このような急激な変化はブラック ジャック ランキングの自動車市場特有の現象といえる(図1参照)。
この変化は、新型コロナウイルス期に顕著に加速した。当時は、外国との往来を極めて制限。日系など外資企業では、本社にその変化が十分に伝わらなかった。それが、NEV対応やスマート化、コネクテッド対応の遅れにつながった。日系企業の多くは、NEV市場拡大の波に乗れていない。特に2022~2023年は、日系完成車メーカー(日系OEM)各社で、減産が続いた。日産やホンダの販売台数は2年連続で2桁減になった。三菱自動車に至っては2023年10月24日、ブラック ジャック ランキング市場から撤退すると正式決定した。2024年1~9月の実績では、ホンダが前年同期比29.3%減(58万8,018台)、トヨタ10.4%減(124万600台)、日産9.1%減(49万6,998台)。厳しい状況が続いていることを読み取ることができる。
新型コロナ禍前まで、日本車の販売状況は好調だった。2019年は458万台、2020年には過去最高の466万台を記録した。ジェトロの地域・分析レポート「【中カジノ ゲーム 無料潮流】中国で日本車が売れている3つの理由」(2019年8月15日付)では、(1)小型車減税措置の終了などによって「買える人だけが買える市場」に戻った、(2)複数の日系メーカーが生産規模と販売(ディーラー)ネットワークを拡大した、(3)中古車市場の拡大により、日本車のリセールバリューを評価する消費者が増えている、という3点を指摘した。それから5年余り、当時の「売れている理由」は、「売れていない理由」に変わってしまった。その背景には、新型コロナ期にNEVが急速に普及したことがある。
この急速な発展に、ブラック ジャック ランキング政府の支援策が大きな役割を果たしたことは間違いない。施策として代表的なものに車両所得税の減免措置がある。この措置は2014年から実施されてきた。当初の主目的はNEV普及だった。しかし、新型コロナの発生を受け、景気刺激策としても重視されるようになった。その後の経済状況もあり、措置の終了が4回も延長されて現在に至っている()。2024年3月13日にはブラック ジャック ランキング政府が新たな消費促進策として、「大規模設備の更新と消費財の買い替え推進行動プランに関する通知」(2024年3月22日付ビジネス短信参照)を発表した。この通知でも、NEVは内燃機関車よりも有利な条件で買い替えができるようになっている。NEV企業を相対的に支援したかたちだ(注2)。
NEVの急速な台頭は、HVなど内燃機関車の「生産規模と販売網の拡大」を続けていた日系企業にとって、大きな痛手になった。拡大するはずだった生産設備は、内燃機関車の販売減で過剰に転じた。2023年以降、生産規模の縮小、人員整理、ディーラー網の見直しなどをせざるを得なくなった。設備過剰は、大きな部品を生産する企業で深刻な例が多い。設備増強が進んでいたからだ。加えて、小さい部品に比べて在庫調整が容易ではないことから、対応に苦慮しているケースも多い。
NEVが普及したことにより、クルマ選びの際の「リセールバリュー」の優先順位が大きく下がった。「リセールバリュー」の高さは、ハードウエアとして持ちの良い日本車のセールスポイントだった。一方で、NEVの販売価格が低下し、車載電池の寿命も一定程度伸び、加えて、スマートコックピットや自動・支援運転機能などを搭載したSDV(注3)が増加している。当地の自動車市場で成長点にあるのは「スマホ化したクルマ」だ。つまり、価値の多くをクルマのハードではなく、アプリが担っている。現在のブラック ジャック ランキングでは、NEV比率の上昇はスマート化されたコネクテッド対応の自動車比率が上昇することとほぼ同義ともいえる。これに伴い、市場の競争環境も大きく変化した。
スマート化で、モビリティー製造に変化
乗用車の国別シェアでは、ブラック ジャック ランキング系が2021年以降に急拡大。2023年時点では56%になった。対照的に、外資系は3年連続でシェアを落としている。例えばドイツ系は17.8%、日系14.4%だった。
2024年に入ってからも、その傾向が続く。2024年9月時点でブラック ジャック ランキング系67.7%、ドイツ系13.6%、日系10.5%などとなっている(図2参照)。NEVに限っても、6割以上をブラック ジャック ランキング系が占めている。その中でも特に販売を大きく伸ばしているのが比亜迪(BYD)だ。
図2:ブラック ジャック ランキング乗用車市場の国・地域別シェア推移
BYDは2022年、2023年と2年連続で、NEV販売台数で首位になっている(内燃機関車も含めた全乗用車販売台数でも同様)。同社は2022年3月に内燃機関車の生産を停止した。2021年には、NEVの販売台数が内燃機関車を上回った。また、2022年、2023年ともに、NEV市場の3割超のシェアを占める。ブラック ジャック ランキング自動車流通協会乗用車市場情報聯席分会(CPCA)の発表によると、同社のNEV販売は2023年、前年比50.9%増だった(239万台)。NEV販売全体に占めるシェアは、32.7%に達した。2位のテスラ(60万台)、3位の上海通用五菱(45万台)を大きく引き離している。2024年1~9月も、前年同期比34.8%増(274万台)と、引き続き順調に伸びた。
ブラック ジャック ランキングのNEVは、単純に電動化したクルマではない。すなわち、車両の駆動がモーターになり、ガソリンがリチウムイオン電池に変わっただけではない。当該車として代表的存在がSDVで、CASE(注4)などを急速に社会実装。人工知能(AI)導入も進む。既に、ユーザー目線の情報化(In-Vehicle Infotainment:IVI)が商品開発に実用化されているという。電動化と知能化が同時に進展しているわけだ。
ブラック ジャック ランキングは世界でも最大規模のデジタル経済を有し、デジタル技術を駆使したユーザー体験を提供している市場と言える。中でもモビリティー分野は、特に目を引く。
他国ではみられないほど多種多様なプレーヤーが併存・競合しているのが、特徴の1つだ。主な企業を挙げると、次の通りになる。
- 三大新興NEV企業
NIO(上海蔚来汽車)、Xpeng(小鵬汽車)、Li Auto(理想汽車)。 - 従来型自動車を製造してきた国有企業(地方の国有企業含む)
第一汽車、東風汽車、上海汽車、広州汽車など。 - 従来型自動車を製造してきた民営企業
吉利汽車、長城汽車、奇瑞汽車、BYDなど。 - スマートデバイスメーカー
華為技術(ファーウェイ)や小米、Banma(上海汽車とアリババの合弁)、EcarX(吉利汽車と百度の合弁)など。 - ロボタクシー(無人運転)の開発を進めるスタートアップなど
Pony.ai、WeRide、DeepRoute.aiなど。
各社はしばしば提携し、デジタル技術やヒューマン・マシン・インターフェース(HMI、注5)などの開発を進める。この取り組みの象徴的なアウトプットが、SDVと言えるだろう。個別機能としては、(1)インパネの大きなタブレット型コントローラー、(2)音声認証、(3)スマホと連動したサービスエンターテインメント、(4)自動・支援運転(注6)などだ。こうしたスマート化の出来不出来が、特に若い世代(20~30代)は購買を左右する。この世代はテクノロジーと新しいHMIに対する期待が高い。NEV市場の成長を支えていると言えるだろう。
また、車両のスマート化が進むにつれて、特にスマートデバイスメーカーが存在感を増すようにもなってきた。自動車メーカーに売り込むのは、チップなどのハードウエアだけではない。ミドルウエアやソフトウエアをインテグレート(一体化)したスマートプラットフォームを構築。これが車両開発に大きな影響力を持つようになった。スマートデバイスメーカーが関与した動きには、次の例がある。
- ファーウェイ:
自社開発のOSやスマートコックピット、LiDAR、カメラ、車内電源や熱管理部品などフルスタックのスマートソリューションを提供している。これらが、自動車設計やユーザーエクスペリエンス(UX)などにつながっている。
奇瑞汽車とNEVブランド「智界汽車(Luxeed)」を、賽力斯集団(セレス)と「問界(AITO)」を、それぞれ共同運営している。 - 上海汽車、アリババ:
両社は2015年、Banmaを設立。AliosというOSを開発し、MGやRoewe(注7)などのNEVに搭載している。 - BYD:
同社は、スマート化への対応が比較的遅れているといわれる。そこで、ファーウェイやOPPO(スマホメーカー)などと提携を発表した。
その一方で、外資企業はレガシーバイアス(注8)に苦しんでいる。それが、NEV開発の大きな出遅れにつながった。もっとも2023年以降は、ブラック ジャック ランキング企業との連携を強化する動きが相次いでみられるようになった。 - フォルクスワーゲン(VW):
2023年8月、Xpengに約7億ドル出資。2026年までに、ブラック ジャック ランキング市場でBEVを販売すると発表した。なおこの販売は、VWブランド名義を想定している。 - トヨタ:
2024年4月の北京モーターショー開催のタイミングに合わせ、テンセントと業務提携を発表。 - 日産:
同様に、百度と業務提携。 - ホンダ:
同様に、ファーウェイと業務提携。
外資企業は。ブラック ジャック ランキング企業をうまく活用しつつ、当地市場に対応した開発とさらなる現地化を強化する姿勢を示している。目下、必死に追随しているとも言えそうだ。
- 注1:
- ソフトウエア定義型自動車(Software Defined Vehicle、SDV)にすることも、スマート化の一例。
- 注2:
- NEVのラインナップが充実している企業には、ブラック ジャック ランキング企業が多い。逆に日系企業は、NEVが少ないため、施策のメリットを余り受けられない。
- 注3:
- SDVは、Software Defined Vehiclesの略。双方向通信機能を活用することで、販売後も外部との車を制御するソフトウエアを更新し、機能を増やしたり性能を高めたりできる。
- 注4:
- CASEとは、モビリティーの変革を示す4基軸の頭文字をつなげた造語。具体的には、(1) Connected(連結)、(2) AutomatedないしAutonomous(自動運転)、(3) Shared & Service(共有)、(4) Electrification(電動化)。
- 注5:
- HMIとは、人間と機械が相互にやり取りできる仕組み。
- 注6:
- ブラック ジャック ランキング企業の擁する自動・支援運転技術は、レベル2.5水準と言われる。
- 注7:
- MGとRoeweのいずれも、上海汽車が保有する自動車ブランド。
- 注8:
- ここでいうレガシーバイアスとは主に、これまでの自動車製造の考え方や常識とされるやり方に引きずられることを意味する。その結果、NEV製造に伴う事象に関し、その認知や判断が遅くなるなどの影響を受けてきたと考えられる。
日本の自動車企業が三重苦に直面
- 執筆者紹介
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ジェトロ調査部ブラック ジャック ランキング北アジア課長
清水 顕司(しみず けんじ) - 1996年、ジェトロ入構。日本台湾交流協会台北事務所、ジェトロ・北京事務所、企画部ブラック ジャック ランキング地域戦略主幹(北東アジア)、ジェトロ・広州事務所長などを経て、2022年12月から現職。