等身大の中国市場を理解する低迷する消費、政府は設備投資・買い替え促進を中心に喚起

ブラック ジャック 賭け 方11月27日

中国の消費が低迷している。消費の代表的指標である社会消費品小売総額を見ると、ブラック ジャック 賭け 方 1~9月累計で3.4%増となった。近年の状況を振り返ると、2019年通年は8.0%増だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年は3.9%減、2021年は12.5%増、2022年は0.2%減と乱高下が生じた。2023年は移動制限などの感染拡大予防措置が撤廃され、ベントアップ需要が期待されたが、7.2%増にとどまり、コロナ前の水準に届かなかった(図1参照)。

図1:中国の社会消費品小売総額の伸び率推移
2004年13.1%、2005年14.6%、2006年15.5%、2007年18.0%、2008年22.5%、2009年15.6%、2010年18.5%、2011年18.2%、2012年14.3%、2013年13.0%、2014年11.7%、2015年10.4%、2016年10.2%、2017年10.0%、2018年8.8%、2019年8.0%、2020年マイナス3.9%、2021年12.5%、2022年マイナス0.2%、2023年7.2%、ブラック ジャック 賭け 方1-9月3.3%。

出所:中国国家統計局のデータを基に作成

乱高下の影響を除くため平準化すると、新型コロナ前の2019年を基準とした2020~2023年の4年間の伸びは15.7%増にとどまり、2015年を基準とした2016~2019年の42.4%増、2011年を基準とした2012~2015年の59.3%増を大幅に下回っている。うち、商品小売額はそれぞれ16.1%増、43.0%増、61.3%増、飲食業収入は11.6%増、46.9%増、51.7%増と、いずれも同様の傾向を示している。この間、消費者物価指数(CPI)は2020~2023年が5.7%上昇、2016~2019年が8.9%上昇、2012~2015年も8.9%上昇となっており、物価上昇率が弱まったことを考慮しても、消費の伸び悩みは明らかだ。

業種別の商品小売額(注1)を見ると、不動産市況の低迷もあってか、建築・内装材料が2022年は6.2%減、2023年は7.8%減、ブラック ジャック 賭け 方1~9月も2.6%減と減少が続いている。自動車については、2020年以降もプラスを維持していたが、ブラック ジャック 賭け 方1~9月は2.1%減とマイナスに転じた。自動車は新エネルギー車(NEV)を中心に販売台数は増加しているが、これは輸出増によるもので(注2)、国内販売台数の減少や値下げ競争の激化などにより、消費額は減少している。その他、化粧品、金銀・宝石、文化・事務用品なども、ブラック ジャック 賭け 方1~9月は前年同期比減となっている(注3)。

都市別では、沿岸部大都市の回復が鈍い。ブラック ジャック 賭け 方1~6月の消費(注4)の伸びを見ると、北京市は0.3%減、上海市は2.3%減、天津市は2.1%減、広東省は1.2%増にとどまっている。一方で、内陸に位置する湖南省は5.7%増、貴州省が5.5%増と比較的堅調に推移しているほか、安徽省、江西省は新型コロナ期間を通じても消費はプラスを維持している。沿岸部と内陸部(注5)の省・市・自治区の1~6月の消費の伸び率の平均を比較すると、沿岸部は1.8%増、内陸部は3.4%増と2倍近い開きが生じている。

消費者心理の悪化で貯蓄増加

消費低迷の要因としては、(1)企業業績の悪化、(2)不動産市場の低迷、(3)(1)と(2)に伴う収入の伸び悩みと、消費者心理の悪化が考えられる。

(1)について、工業企業(注6)の営業利益額の推移をみると、2022年、2023年ともに9%を超える減少となっている。営業利益率は2016年以降6%を超える状態が続いてきたが、2023年には5.5%となり、2002年(4.9%)以来の水準に低下した(図2参照)。2023年の赤字企業は2019年比で約1.8倍に増加、赤字企業率は21.1%で2004年以来の高さとなった。ブラック ジャック 賭け 方に入っても、1~9月の利益総額は前年同期比3.5%減と厳しい状況が続く。

図2:中国の工業企業の利益率推移
営業利益率 2004年5.7%、2005年6.0%、2006年6.3%、2007年7.0%、2008年6.6%、2009年6.8%、2010年8.0%、2011年7.6%、2012年6.7%、2013年6.6%、2014年6.1%、2015年5.8%、2016年6.0%、2017年6.5%、2018年6.1%、2019年6.0%、2020年6.1%、2021年7.0%、2022年6.3%、2023年5.5%赤字企業率 2004年21.1%、2005年17.8%、2006年15.6%、2007年13.6%、2008年15.3%、2009年13.8%、2010年10.0%、2011年9.4%、2012年11.5%、2013年11.3%、2014年11.5%、2015年12.6%、2016年10.8%、2017年11.4%、2018年15.3%、2019年15.7%、2020年15.8%、2021年15.7%、2022年19.3%、2023年21.1%

注:年間売上高2,000万元(約4億3,000万円、1元=約21.5円)以上の企業。
出所:中国国家統計局のデータを基に作成

企業業績の下落を受けて、失業率も悪化した。都市調査失業率(注7)をみると、2019年の5.2%から2020年2月には6.2%、2022年4月には6.1%と2度の山を迎えた。その後、徐々に持ち直しを見せ、ブラック ジャック 賭け 方9月時点では全国および大都市いずれも5.1%となった(注8)。 一方で、若年層の失業率は再度の悪化を見せている。16~24歳の失業率は2019年末時点で12.2%だったが、2023年6月に統計開始以来で最高となる21.3%を記録した(図3参照)。その後、統計の発表が一時停止され、同年12月から新たな定義で発表が再開された。新たな定義(注9)による16~24歳の失業率は同年12月14.9%に低下したものの、ブラック ジャック 賭け 方8月には18.8%に上昇、9月は17.6%とやや低下したが依然として高水準にある(図3参照)。

図3:中国の16~24歳の都市部調査失業率の推移
都市部調査失業率 2018年1月5.0%、2018年2月5.0%、2018年3月5.1%、2018年4月4.9%、2018年5月4.8%、2018年6月4.8%、2018年7月5.1%、2018年8月5.0%、2018年9月4.9%、2018年10月4.9%、2018年11月4.8%、2018年12月4.9%、2019年1月5.1%、2019年2月5.3%、2019年3月5.2%、2019年4月5.0%、2019年5月5.0%、2019年6月5.1%、2019年7月5.3%、2019年8月5.2%、2019年9月5.2%、2019年10月5.1%、2019年11月5.1%、2019年12月5.2%、2020年1月5.3%、2020年2月6.2%、2020年3月5.9%、2020年4月6.0%、2020年5月5.9%、2020年6月5.7%、2020年7月5.7%、2020年8月5.6%、2020年9月5.4%、2020年10月5.3%、2020年11月5.2%、2020年12月5.2%、2021年1月5.4%、2021年2月5.5%、2021年3月5.3%、2021年4月5.1%、2021年5月5.0%、2021年6月5.0%、2021年7月5.1%、2021年8月5.1%、2021年9月4.9%、2021年10月4.9%、2021年11月5.0%、2021年12月5.1%、2022年1月5.3%、2022年2月5.5%、2022年3月5.8%、2022年4月6.1%、2022年5月5.9%、2022年6月5.5%、2022年7月5.4%、2022年8月5.3%、2022年9月5.5%、2022年10月5.5%、2022年11月5.7%、2022年12月5.5%、2023年1月5.5%、2023年2月5.6%、2023年3月5.3%、2023年4月5.2%、2023年5月5.2%、2023年6月5.2%、2023年7月5.3%、2023年8月5.2%、2023年9月5.0%、2023年10月5.0%、2023年11月5.0%、2023年12月5.1%、ブラック ジャック 賭け 方1月5.2%、ブラック ジャック 賭け 方2月5.3%、ブラック ジャック 賭け 方3月5.2%、ブラック ジャック 賭け 方4月5.0%、ブラック ジャック 賭け 方5月5.0%、ブラック ジャック 賭け 方6月5.0%、ブラック ジャック 賭け 方7月5.2%、ブラック ジャック 賭け 方8月5.3%、ブラック ジャック 賭け 方9月5.1%。都市部調査失業率(16~24歳)(注、2023年12月以降は在校生含まず)2018年1月11.2%、2018年2月11.0%、2018年3月10.4%、2018年4月10.1%、2018年5月9.6%、2018年6月10.0%、2018年7月13.3%、2018年8月13.1%、2018年9月11.2%、2018年10月9.8%、2018年11月10.0%、2018年12月10.1%、2019年1月11.2%、2019年2月11.0%、2019年3月11.3%、2019年4月9.9%、2019年5月10.5%、2019年6月11.6%、2019年7月13.9%、2019年8月13.1%、2019年9月13.0%、2019年10月12.4%、2019年11月12.5%、2019年12月12.2%、2020年1月12.5%、2020年2月13.6%、2020年3月13.3%、2020年4月13.8%、2020年5月14.8%、2020年6月15.4%、2020年7月16.8%、2020年8月16.8%、2020年9月15.0%、2020年10月13.2%、2020年11月12.8%、2020年12月12.3%、2021年1月12.7%、2021年2月13.1%、2021年3月13.6%、2021年4月13.6%、2021年5月13.8%、2021年6月15.4%、2021年7月16.2%、2021年8月15.3%、2021年9月14.6%、2021年10月14.2%、2021年11月14.3%、2021年12月14.3%、2022年1月15.3%、2022年2月15.3%、2022年3月16.0%、2022年4月18.2%、2022年5月18.4%、2022年6月19.3%、2022年7月19.9%、2022年8月18.7%、2022年9月17.9%、2022年10月17.9%、2022年11月17.1%、2022年12月16.7%、2023年1月17.3%、2023年2月18.1%、2023年3月19.6%、2023年4月20.4%、2023年5月20.8%、2023年6月21.3%、2023年7月公表無し、2023年8月公表無し、2023年9月公表無し、2023年10月公表無し、2023年11月公表無し、2023年12月14.9%、ブラック ジャック 賭け 方1月14.6%、ブラック ジャック 賭け 方2月15.3%、ブラック ジャック 賭け 方3月15.3%、ブラック ジャック 賭け 方4月14.7%、ブラック ジャック 賭け 方5月14.2%、ブラック ジャック 賭け 方6月13.2%、ブラック ジャック 賭け 方7月17.1%、ブラック ジャック 賭け 方8月18.8%、ブラック ジャック 賭け 方9月17.6%。

出所:中国国家統計局のデータを基に作成

また、都市登録失業人数は2020年に1,160万人と、初めて1,000万人を超え、2023年も1,074万人となった。なお、労働力人口(注10)は2022年には7億6,863万人で、2019年から約2,000万人減少しており、全体の失業率は低下したものの、年齢や就労意欲の問題で労働市場から退出する人口も増加している。 (2)について、不動産市場は引き続き低迷し、消費者にとって心理的な重しになっている。 2023年の住宅販売額(注11)は10兆2,990億元と、ピークの2021年(15兆8,428億元)から35.0%減少し、2017年(10兆8,096億元)を下回った(図4参照)。ブラック ジャック 賭け 方に入っても、1~9月は前年同期比24.0%減と、13カ月連続で減少している。個人向け住宅ローン貸出残高は2016年以降急増し、2021年央までは四半期ごとに1兆元近い伸びを続けてきたが、2022年第4四半期(10~12月)に前期比で減少に転じた。その後は、2023年第1四半期(1~3月)、ブラック ジャック 賭け 方第1四半期を除いて、前期比で減少が続き、ブラック ジャック 賭け 方第2四半期(4~6月)の残高は37兆7,900億元となっている。

図4:中国の住宅販売額の推移
住宅販売額は、2004年8,619億元、2005年14,564億元、2006年17,288億元、2007年25,566億元、2008年21,196億元、2009年38,433億元、2010年44,100億元、2011年48,086億元、2012年53,227億元、2013年67,076億元、2014年61,810億元、2015年71,836億元、2016年97,349億元、2017年108,095億元、2018年123,618億元、2019年136,181億元、2020年150,673億元、2021年158,428億元、2022年113,670億元、2023年102,990億元。前年比伸び率は、2004年31.7%、2005年69.0%、2006年18.7%、2007年47.9%、2008年△17.1%、2009年81.3%、2010年14.7%、2011年9.0%、2012年10.7%、2013年26.0%、2014年△7.9%、2015年16.2%、2016年35.5%、2017年11.0%、2018年14.4%、2019年10.2%、2020年10.6%、2021年5.1%、2022年△28.3%、2023年△9.4%。

出所:中国国家統計局のデータを基に作成

販売の低迷により、不動産価格も下落している。中国内の主要70都市の住宅平均価格は2022年1月~ブラック ジャック 賭け 方9月(注12)の間で新築が7.9%、中古が14.2%下落している。都市別では、新築住宅では34都市が10%以上、うち5都市が15%以上下落し、増加したのは6都市(注13)にとどまっている。中古住宅では60都市が10%以上、うち35都市が15%以上下落した。増加は1都市のみで、最大下落率は22.4%(黒龍江省牡丹江市)と、都市間の格差が広がっている(注14)。 これまでの住宅価格の上昇もあってか、家計債務比率(注15)は2016年第1四半期には40%程度であったものが、2020年第2四半期に60%程度となった。ブラック ジャック 賭け 方第2四半期は63.5%と高止まりしており、消費者にとって住宅ローンの負担(注16)が重くなっているとみられる。2022年、2023年ともに、通年で新築、中古の全国平均の住宅価格は下落している。通年での価格下落は2014年以来で、景気の悪化による失業の恐れや収入が伸び悩む中、持ち家の価格も下落し、消費を控える心理が強まっていることが考えられる。 (3)について、(1)や(2)のような状況の中、中国人民銀行(中央銀行)が四半期ごとに都市部預金者を対象に実施しているアンケートでは、今後「貯蓄を増加させる」と回答した比率が61.5%、「消費を増加させる」は25.1%、「投資を増加させる」は13.3%だった(図5参照)。2019年第4四半期の結果ではそれぞれ45.7%、28.0%、26.3%だったが、貯蓄の比率は15.8ポイントと大幅に上昇している。

図5:都市部預金者アンケート結果の推移
2009年3月消費を増加29.6%、貯蓄を増加37.5%、投資を増加32.9%、2009年6月消費を増加15.1%、貯蓄を増加47.0%、投資を増加37.9%、2009年9月消費を増加15.3%、貯蓄を増加43.1%、投資を増加41.6%、2009年12月消費を増加15.9%、貯蓄を増加42.0%、投資を増加42.1%、2010年3月消費を増加15.3%、貯蓄を増加43.6%、投資を増加41.2%、2010年6月消費を増加18.0%、貯蓄を増加45.7%、投資を増加36.3%、2010年9月消費を増加16.8%、貯蓄を増加44.4%、投資を増加38.8%、2010年12月消費を増加17.3%、貯蓄を増加37.6%、投資を増加45.2%、2011年3月消費を増加14.2%、貯蓄を増加41.6%、投資を増加44.2%、2011年6月消費を増加17.0%、貯蓄を増加42.0%、投資を増加41.0%、2011年9月消費を増加17.2%、貯蓄を増加43.1%、投資を増加39.7%、2011年12月消費を増加17.6%、貯蓄を増加47.2%、投資を増加35.2%、2012年3月消費を増加17.5%、貯蓄を増加46.9%、投資を増加35.6%、2012年6月消費を増加19.3%、貯蓄を増加47.2%、投資を増加33.5%、2012年12月消費を増加19.4%、貯蓄を増加47.1%、投資を増加33.5%、2013年3月消費を増加17.9%、貯蓄を増加44.5%、投資を増加37.6%、2013年6月消費を増加18.1%、貯蓄を増加46.2%、投資を増加35.7%、2013年9月消費を増加17.5%、貯蓄を増加46.2%、投資を増加36.3%、2013年12月消費を増加19.2%、貯蓄を増加47.4%、投資を増加33.4%、2014年3月消費を増加17.6%、貯蓄を増加44.2%、投資を増加38.2%、2014年6月消費を増加18.4%、貯蓄を増加47.6%、投資を増加34.0%、2014年9月消費を増加18.0%、貯蓄を増加46.0%、投資を増加36.0%、2014年12月消費を増加18.7%、貯蓄を増加44.9%、投資を増加36.4%、2015年3月消費を増加18.5%、貯蓄を増加45.6%、投資を増加35.9%、2015年6月消費を増加16.9%、貯蓄を増加39.9%、投資を増加43.2%、2015年9月消費を増加20.4%、貯蓄を増加44.0%、投資を増加35.6%、2015年12月消費を増加20.8%、貯蓄を増加42.0%、投資を増加37.2%、2016年3月消費を増加20.3%、貯蓄を増加44.1%、投資を増加35.5%、2016年6月消費を増加21.2%、貯蓄を増加43.9%、投資を増加34.9%、2016年9月消費を増加21.1%、貯蓄を増加43.7%、投資を増加35.2%、2016年12月消費を増加23.1%、貯蓄を増加42.4%、投資を増加34.5%、2017年3月消費を増加23.8%、貯蓄を増加42.4%、投資を増加33.9%、2017年6月消費を増加25.4%、貯蓄を増加42.8%、投資を増加31.8%、2017年9月消費を増加26.4%、貯蓄を増加41.6%、投資を増加32.0%、2017年12月消費を増加26.2%、貯蓄を増加40.8%、投資を増加33.0%、2018年3月消費を増加24.8%、貯蓄を増加42.5%、投資を増加32.7%、2018年6月消費を増加24.7%、貯蓄を増加43.6%、投資を増加31.7%、2018年9月消費を増加26.0%、貯蓄を増加44.3%、投資を増加29.7%、2018年12月消費を増加28.6%、貯蓄を増加44.1%、投資を増加27.3%、2019年3月消費を増加25.9%、貯蓄を増加45.0%、投資を増加29.2%、2019年6月消費を増加26.4%、貯蓄を増加45.4%、投資を増加28.2%、2019年9月消費を増加27.7%、貯蓄を増加44.5%、投資を増加27.8%、2019年12月消費を増加28.0%、貯蓄を増加45.7%、投資を増加26.3%、2020年3月消費を増加22.0%、貯蓄を増加53.0%、投資を増加25.0%、2020年6月消費を増加23.4%、貯蓄を増加52.9%、投資を増加23.8%、2020年9月消費を増加23.5%、貯蓄を増加50.4%、投資を増加26.1%、2020年12月消費を増加23.3%、貯蓄を増加51.4%、投資を増加25.3%、2021年3月消費を増加22.3%、貯蓄を増加49.1%、投資を増加28.6%、2021年6月消費を増加25.1%、貯蓄を増加49.4%、投資を増加25.5%、2021年9月消費を増加24.1%、貯蓄を増加50.8%、投資を増加25.1%、2021年12月消費を増加24.7%、貯蓄を増加51.8%、投資を増加23.5%、2022年3月消費を増加23.7%、貯蓄を増加54.7%、投資を増加21.6%、2022年6月消費を増加23.8%、貯蓄を増加58.3%、投資を増加17.9%、2022年9月消費を増加22.8%、貯蓄を増加58.1%、投資を増加19.1%、2022年12月消費を増加22.8%、貯蓄を増加61.8%、投資を増加15.5%、2023年3月消費を増加23.2%、貯蓄を増加58.0%、投資を増加18.8%、2023年6月消費を増加24.5%、貯蓄を増加58.0%、投資を増加17.5%、2023年9月消費を増加21.9%、貯蓄を増加62.2%、投資を増加15.9%、2023年12月消費を増加23.3%、貯蓄を増加61.0%、投資を増加15.6%、ブラック ジャック 賭け 方3月消費を増加23.4%、貯蓄を増加61.8%、投資を増加14.9%、ブラック ジャック 賭け 方6月消費を増加25.1%、貯蓄を増加61.5%、投資を増加13.3%。

出所:CEIC(中国人民銀行)のデータを基に作成

貯蓄額も大きく増加した。1人当たり貯蓄預金額をみると、2022年は前年比18.3%の8万5,859元と、2009年以来の高い伸びを記録、2023年も13.9%増の97,794元で、2桁増が続いている。一方で、1人当たり可処分所得は1桁の伸びが続いている。

可処分所得の伸びと貯蓄額の伸びを比較すると、2009年以降は両者の差はプラスマイナス2%台で推移していたが、2019年以降は、2021年を除き、貯蓄の伸びが所得の伸びを大きく上回っている(表1参照)。

表1:中国の貯蓄預金額と可処分所得の伸び率の推移(△はマイナス値)
(1) 1人当たり貯蓄預金額の伸び率 (2)1人当たり可処分所得の伸び率 (1)-(2)
2005 17.3 12.8 4.5
2006 14.0 13.2 0.8
2007 6.1 18.7 △ 12.6
2008 25.7 16.0 9.7
2009 19.1 10.2 8.9
2010 15.9 14.1 1.8
2011 15.6 16.2 △ 0.6
2012 16.0 13.5 2.6
2013 13.0 10.9 2.1
2014 8.4 10.1 △ 1.7
2015 8.0 8.9 △ 1.0
2016 8.7 8.4 0.2
2017 7.0 9.0 △ 2.0
2018 10.7 8.7 2.0
2019 13.1 8.9 4.3
2020 13.0 4.7 8.3
2021 9.7 9.1 0.6
2022 18.3 5.0 13.3
2023 13.9 6.3 7.6

注:いずれも名目の伸び。
出所:CEIC(国家統計局、中国人民銀行)データを基に作成

設備更新・買い替え中心に消費喚起

消費の伸び悩みを受け、中国政府は相次いで刺激策を打ち出した。ブラック ジャック 賭け 方3月には「⼤規模な設備更新と消費財の買い替え促進⾏動プラン」に関する通知(国発[2024]7号)が成立。設備の更新や消費財の買い替えに関する具体的な数値⽬標が挙げられたほか、⽬標達成を⽬指して、財政や⾦融⾯での⽀援を強化していく⽅針を示した。

「行動プラン」では、設備更新を推進する重点産業として、鉄鋼、⾮鉄⾦属、⽯油化学、化学⼯業、建材、電⼒、機械、航空、船舶、紡織、電⼦が挙げられた。また、省エネ・排出削減、⽣産安全、デジタル化、高度なスマート化に向けて、設備更新を進めるとした。消費財の買い替えについては、⾃動⾞、家電、住宅内装を中⼼に推進することを示した。

「行動プラン」を受けて、政府各部門から、自動車、家電、電動自転車(EV)、新エネルギー都市バス、貨物車、農業機械、船舶などの買い替え・設備更新について、各種の政策が発表されている(表2参照)。

3月27日には商務部、国家発展改革委員会、工業情報化部などによる「消費財の買い替えを促進するための行動プラン」(商消費発〔2024〕58号)が成立(4月17日発表)。自動車、家電、住宅内装材・設備を対象とする買い替え促進の具体策を示した。自動車買い替えへの財政・金融面での支援強化や、中古車取引の利便性向上、グリーン・スマート製品の購⼊に対する補助金政策の導入、中古住宅のリフォームやバリアフリー化の支援などを盛り込んだ。

7月24日には国家発展改革委員会と財政部による「⼤規模ブラック ジャック 賭け 方への⽀援強化に関する若⼲の措置」(発改環資〔2024〕1104号)が成立(7月25日発表)。ブラック ジャック 賭け 方支援に向け、3,000億元の超長期特別国債を割り当てるとした。その上で、費用については中央政府が9割を負担するとしている。

製品別では、8月15日に成立した「自動車買い替え促進関連業務のさらなる着実な実施に関する通知」(発改弁能源〔2024〕687号)では、新エネルギー車(NEV)への買い替えで1万5,000元~2万元の補助金支給などが定められた。8月24日に成立した「家電買い替え促進業務のさらなる着実な実施に関する通知」(商弁流通函〔2024〕397号)では、省エネ性能を満たした冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなど8種類の製品について、1件当たり最大2,000元の補助金を支給するとした。

買い替え促進のほか、7月29日には国務院による「サービス消費の質の高い発展を促進するための意見」(国発〔2024〕18号)が成立(8月3日発表)。飲食・宿泊、家政サービス、高齢者ケア・育児サービス、文化・娯楽、旅行、スポーツなどの分野について、発展させるべき内容を示し、サービス消費の喚起も図っている(注17)。

表2:中国政府による消費刺激策

国務院による発表
No 成立日 政策名 組織
1 ブラック ジャック 賭け 方3月7日 「⼤規模なブラック ジャック 賭け 方促進⾏動プラン」に関する通知(国発[2024]7号) 国務院
2 ブラック ジャック 賭け 方7月29日 「サービス消費の質の高い発展の促進に関する意見」(国発〔2024〕18号) 国務院
国務院による発表
No 成立日 政策名 組織
1 ブラック ジャック 賭け 方3月27日 「消費財の買い替え促進行動プラン」に関する通知(商消費発〔2024〕58号) 商務部、国家発展委員会、工業・情報化部、公安部、民生部、財政部、自然資源部、生態環境部、住宅・都市建設部、交通運輸部、中国人民銀行、税務総局、市場監督総局、金融監督総局
2 ブラック ジャック 賭け 方3月27日 「標準によるブラック ジャック 賭け 方促進行動プランの向上・牽引」に関する通知(国市監標技発〔2024〕34号) 市場監督管理総局、国家発展改革委員会、工業・情報化部、生態環境部、住宅・都市建設部、商務部、応急管理部
3 ブラック ジャック 賭け 方3月27日 建築・市政インフラ更新促進業務実施プランに関する通知(建城規〔2024〕2号) 住宅・都市建設部
4 ブラック ジャック 賭け 方3月27日 ⼯業分野の設備更新促進実施プランに関する通知(工信部聯規〔2024〕53号) 工業・信息化部、国家発展改革委員会、財政部、中国人民銀行、税務総局、市場監督管理総局、金融監督管理総局
5 ブラック ジャック 賭け 方4月24日 「自動車買い替え補助金実施細則」に関する通知(商消費函〔2024〕75号) 商務部、財政部、国家発展改革委員会、工業・情報化部、公安部、生態環境部、税務総局
6 ブラック ジャック 賭け 方5月21日 「文化・旅行分野の設備更新推進実施プラン」に関する通知(発改社会〔2024〕701号) 国家発展改革委員会、住宅・都市建設部、文化・旅行部、国家映画局、広電総局、国家文物局
7 ブラック ジャック 賭け 方5月23日 工業重点業種・分野の設備更新と技術改造指南に関する通知(工信庁規〔2024〕33号) 工業・情報化部弁公庁
8 ブラック ジャック 賭け 方5月31日 「交通運輸分野の大規模な設備更新⾏動プラン」に関する通知(交規計発〔2024〕62号) 交通運輸部、国家発展改革委員会、工業・情報化部、公安部、財政部、生態環境部、商務部、中国人民銀行、市場監督管理総局、金融監督管理総局、国家エネルギー局、国家鉄道局、国家郵政局
9 ブラック ジャック 賭け 方6月13日 「消費の新たなシーン構築と消費の新たな成長点の育成に関する措置」に関する通知(発改就業〔2024〕840号) 国家発展改革委員会、農業農村部、商務部、文化・旅行部、市場監督管理総局
10 ブラック ジャック 賭け 方6月17日 業務を強化し引き続き農業機械の廃棄・更新の補助金政策を着実に実施することに関する通知(農弁機〔2024〕4号) 農業農村部弁公庁、財政部弁公庁
11 ブラック ジャック 賭け 方6月20日 特殊設備の更新促進の加速に関する関連業務に関する通知(国市監特設発〔2024〕63号) 市場監督管理総局
12 ブラック ジャック 賭け 方6月21日 設備更新貸出利子への財政補助政策の実施に関する通知(財金〔2024〕54号) 財政部、国家発展改革委員会、中国人民銀行、金融監督管理総局
13 ブラック ジャック 賭け 方7月12日 省エネ節⽔・環境保護・安全⽣産専⽤設備のデジタル化・スマート化改造にかかる企業所得税政策に関する公告 (財政部、税務総局公告ブラック ジャック 賭け 方第9号) 財政部、税務総局
14 ブラック ジャック 賭け 方7月24日 「⼤規模なブラック ジャック 賭け 方⽀援強化に関する若⼲の措置」の通知(発改環資〔2024〕1104号) 国家発展改革委員会、財政部
15 ブラック ジャック 賭け 方7月24日 「大規模な設備更新と消費財買い替え支援強化に関する若干の措置」に関する通知(発改環資〔2024〕1104号) 発展改革委員会、財政部
16 ブラック ジャック 賭け 方7月29日 「新エネルギー都市バスおよび動⼒電池買い替え補助⾦実施細則」に関する通知(交運函〔2024〕390号) 交通運輸部、財政部
17 ブラック ジャック 賭け 方7月30日 老朽営業貨物車の廃棄・更新の実施に関する通知(交規計発〔2024〕90号) 交通運輸部、財政部
18 ブラック ジャック 賭け 方8月2日 「交通運輸旧型営業船舶の廃棄・更新への補助実施細則」に関する通知(交規画発〔2024〕95号) 交通運輸部、国家発展改革委員会
19 ブラック ジャック 賭け 方8月3日 「エネルギー重点分野の大規模な設備更新実施法案」に関する通知(発改弁能源〔2024〕687号) 国家発展改革委員会弁公庁、国家能源局総合司
20 ブラック ジャック 賭け 方8月15日 自動車買い替え促進関連業務のさらなる着実な実施に関する通知(商消費函〔2024〕392号) 商務部、国家発展改革委員会、工業・情報化部、公安部、財政部、生態環境部、税務総局
21 ブラック ジャック 賭け 方8月23日 老朽営業船舶の廃棄・更新政策実施業務の着実な実施に関する通知(交弁水函〔2024〕1647号) 交通運輸部弁公庁
22 ブラック ジャック 賭け 方8月24日 家電買い替え促進業務のさらなる着実な実施に関する通知(商弁流通函〔2024〕397号) 商務部弁公庁、国家発展委員会弁公庁、財務部弁公庁、市場監督管理総局弁公庁
23 ブラック ジャック 賭け 方8月24日 「電動自転車買い替え促進実施プラン」(商弁流通函〔2024〕396号) 商務部弁公庁、工業・情報化部弁公庁、生態環境部弁公庁、市場監督管理総局弁公庁、国家消防救援局弁公室
24 ブラック ジャック 賭け 方8月27日 老朽営業貨物車の廃棄・更新業務のさらなる着実な実施に関する通知(交弁運〔2024〕44号) 交通運輸部弁公庁、公安部弁公庁、財政部弁公庁、商務部弁公庁
25 ブラック ジャック 賭け 方9月5日 業務を強化し引き続き農業機械の廃棄・更新の補助金政策を着実に実施することに関する補充通知(農弁機〔2024〕5号) 農業農村部弁公庁、国家発展改革委員会弁公庁、財政部弁公庁
26 ブラック ジャック 賭け 方9月13日 「廃棄電器・電子製品処理特別資金管理弁法」に関する通知(財資環〔2024〕119号) 財政部、生態環境部
27 ブラック ジャック 賭け 方9月24日 新エネルギー都市バスおよび動力電池更新業務のさらなる着実な実施に関する補充通知(交弁運〔2024〕49号) 交通運輸部弁公庁、国家発展改革委員会弁公庁、財政部弁公庁
28 ブラック ジャック 賭け 方9月26日 「老朽鉄道内燃機関の淘汰(とうた)更新監督管理弁法」に関する通知(国鉄設備監規〔2024〕24号) 国家鉄道局
29 ブラック ジャック 賭け 方9月29日 廃棄自動車回収監督管理業務の強化に関する通知(商消費函〔2024〕592号) 商務部、国家発展改革委員会、工業・情報化部、公安部、生態環境部、交通運輸部、市場監督管理総局

出所:中国政府ウェブサイトからジェトロ作成

家電などは持ち直すも、飲食業には弱さ

政策の効果もあって、9月単月の社会消費品小売総額は前年同月比3.2%と、8月の2.1%から伸びが加速し、5月以来の3%超えとなった。中でも商品小売額は、8月の1.9%から9月は3.3%と大きく伸びた。製品別では、家電・音響機器が前年同月比20.5%増(8月は3.4%増)、自動車は8月の0.4%増(7.4%減)と、1~2月以来の増加に転じるなど、買い替え促進策の効果が表れたとみられる。

一方で、飲食業収入は3.1%増で、伸び幅は8月から微減となった。飲食業収入については、1~9月では6.2%増だが、6月以降は3%台の伸びが続いており、勢いが弱まっている。また、北京市では1~9月の飲食業の利益総額が前年同期比81.2%減、上海市では1~9月の宿泊・飲食業の営業利益が8億5,000万元の赤字となるなど、都市によっては非常に厳しい状態にある。消費の本格的な回復には、これら分野の盛り上がりが待たれる。


注1:
年間売上高2,000万元(約4億3,000万円、1元=21.5円)以上の卸売企業、500万元以上の小売企業、200万元以上の宿泊・飲食業企業が対象。
注2:
2023年の自動車販売台数は前年比12%増の3,009万4,000台と、初めて3,000万台を突破した。ただし、輸出が57.9%増の491万台と高い伸びを示しており、国内販売台数(2,518万4,000台)はピークの2017年から約280万4,000台減少している。ブラック ジャック 賭け 方は1~9月で前年同期比2.4%増の2,157万1,000台だったが、輸出が27.3%増の431万2,000台を占め、国内販売は2.4%減の1,725万9,000台となっている。
注3:
なお、ブラック ジャック 賭け 方1~9月で高い伸びを示しているものとしては、食料・食品(前年同期比9.9%増)、スポーツ・娯楽用品(9.7%増)、通信機器(11.9%増)などが挙げられる。
注4:
全省・市・自治区のデータがある1~6月の数値を使用。
注5:
ここでは地理的な分類に基づき、遼寧省、河北省、山東省、浙江省、江蘇省、福建省、上海市、広東省、海南省、広西チワン族自治区を沿岸部とし、その他を内陸部としている。なお、両者の伸び率の差は2014年以降、おおよそ1:1.1~1.2の間で推移してきたが、ブラック ジャック 賭け 方に入り急激に差が拡大している。
注6:
年間売上高2,000万元以上の企業。
注7:
サンプル調査により推計された都市部失業者の都市部人口に占める比率。
注8:
北京市では、ブラック ジャック 賭け 方1~9月の飲食業従業員は前年同期比1.0%減となった一方で、宅配サービスの就業者が44.0%増となっており、いわゆる「フレキシブルワーク」が失業者の受け皿になっていると考えられる。
注9:
主な変更点として、調査対象から在校生を除いたことが挙げられている。中国統計局は、16~24歳の都市部人口では在校生が6割を占めており、在校生と卒業生の求職を同一視すべきでないとしている。
注10:
16歳以上で、労働能力があり、経済・社会活動に参加もしくは参加を求めている人口。就業者・失業者の両方を含む。
注11:
住宅商品房販売額。
注12:
販売額のピークとなった2021年を基準として下落率を算出。国家統計局発表の主要70都市の前月比の変動値を使用。
注13:
北京市、上海市、浙江省杭州市、湖南省長沙市、四川省成都市、陝西省西安市の6都市。
注14:
新築住宅で下落率が最も大きいのは浙江省温州市(17.5%)。
注15:
国家金融・発展実験室「NIFD季報」ブラック ジャック 賭け 方7月による。
注16:
住宅ローン金利の基準となる期間5年以上のローンプライムレート(LPR)は2020年時点では4.65%となっており、現在の3.60%と比べ1ポイント以上高い。
注17:
前述消費促進策のほか、9月に既存の個人向け住宅ローンの金利と頭金比率を引き下げ、10月にはローンプライムレートは期間5年以上を3.85%から3.60%に、期間1年を3.35%から3.10%に引き下げるなど、各種政策を用いて景気浮上を図っている。
ブラック ジャック 賭け 方
執筆者紹介
ジェトロ・北京事務所 経済分析部 部長
河野 円洋(かわの みつひろ)
2007年、ジェトロ入構。在外企業支援・知的財産部知的財産課、ジェトロ岐阜、ブラック ジャック 賭け 方調査部中国北アジア課、ジェトロ・広州事務所、企画部企画課を経て2022年1月より現職。