中南米におけるEV生産ブラック ジャック ストラテジー戦略BYDペブラック ジャック ストラテジー工場設置の可能性を探る

2024年12月5日

ペブラック ジャック ストラテジーのディナ・ボルアルテ大統領は2024年6月、閣僚7人とともに訪中した(2024年7月1日付ビジネス短信参照)。その際、バッテリー式電気自動車(BEV)を製造する比亜迪(ブラック ジャック ストラテジー)の施設を訪れ、王伝福会長兼最高経営責任者(CEO)と面談した。

BYDを訪問後、ボルアルテ大統領はペブラック ジャック ストラテジーの報道機関に対して、「(ペブラック ジャック ストラテジーの)チャンカイ、あるいはアレキパなどの町に工業団地を造成しよう。その幾つかの工業団地に、自動車組み立ての工場も入るだろう。ペブラック ジャック ストラテジーから中国に銅などの資源が輸出され、中国からはペブラック ジャック ストラテジーへ組立工場などの製造業が入る」とコメントした。チャンカイは首都リマから北へ80キロの位置にある小さな集落地帯だが、中国資本が60%入るチャンカイ港が2024年11月14日に開港した(2024年10月3日付ビジネス短信参照)。ボルアルテ大統領と、APEC首脳会議のためリマ入りした中国の習近平国家主席も参加して、開港式を実施した(習国家主席とボルアルテ大統領、ブラック ジャック)。ブラック ジャック ストラテジーの工場設置に現実味はあるのか。今後の市場展望と工場設置の可能性を探った。

ブラック ジャック ストラテジー市場拡大も、圧倒的なガソリン車、ディーゼル車シェア

2023年のペブラック ジャック ストラテジーの新車販売台数は17万3,620台で、前年比0.8%増だった(表1参照)。燃料種別に見ると、ガソリン車が10万6,466台で、全体の61.3%を占める。次いでディーゼル車が4万2,310台で全体の24.4%、液化石油ガス(LPG)が1万874台で同6.3%、天然ガス(NSV)が3,452台で同2.0%となっている。これらを合計すると全体の94.0%を占める。

表1:燃料別自動車ブラック ジャック ストラテジー統計(単位:台、%)(△はマイナス値、-は値なし)
燃料種別 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 構成比
(2023年)
2023/
2022年比
ガソリン 124,992 85,138 113,637 109,427 106,466 61.3 △ 0.0
ディーゼル 40,952 30,074 39,539 42,355 42,310 24.4 △ 0.0
液化石油ガス(LPG) 409 661 5,697 9,803 10,874 6.3 0.1
天然ガス(NSV) 625 308 1,030 2,440 3,452 2.0 0.4
ハイブリッド(ガソリン、電気) 235 364 1,171 1,901 3,397 2.0 0.8
バイオ燃料(ガソリン、LPG) 0 0 661 3,050 3,200 1.8 0.0
表示なし 2,497 1,948 2,999 1,871 2,105 1.2 0.1
デュアル燃料(ディーゼル、天然ガス) 1 0 0 417 1,669 1.0 3.0
電気 4 10 17 123 \ 147 0.1 0.2
バイブリッド(ディーゼル、電気) 0 0 1 0 0 0.0
バイオ燃料(ガソリン、天然ガス) 6 0 17 900 0 0.0 △ 1.0
合計 169,721 118,503 164,769 172,287 173,620 100.0 0.8

注:「表示なし」の項目に分類される自動車があるため、表2の数値と一部齟齬が生じている。
出所:ペブラック ジャック ストラテジー自動車協会(AAP)

しかしながら、ガソリンと電気のハイブリッド車(HEV)は2021年に1,171台だったが、2023年には3,397台と約3倍となり、確実に市場が拡大している(表1参照)BEVは2021年の17台から2023年の147台と8倍以上の増加だが、台数は多くはない。メーカー別EVの新車ブラック ジャック ストラテジー統計では、BYDのBEVは2023年に9台のブラック ジャック ストラテジーとなっている。HEVを展開するトヨタは年々確実にブラック ジャック ストラテジー台数を増やし、2023年のトヨタのHEV新車ブラック ジャック ストラテジー台数はメーカー別トップの928台をブラック ジャック ストラテジーした。HEVの2023年のブラック ジャック ストラテジー台数に占める日本メーカーの割合は44.2%となっており、圧倒的な強さを見せる(表2参照)。

表2:メーカー別EVの新車ブラック ジャック ストラテジー統計(単位:台、%)(△はマイナス値、-は値なし)
メーカー 2020年 2021年 2022年 2023年 構成比 2023/
2022年比
Hブラック ジャック ストラテジー 542 1,364 2,406 3,928 87.6 0.6
トヨタ 341 644 950 928 20.7 △ 0.0
GEELY 0 0 309 659 14.7 1.1
スズキ 0 20 77 575 12.8 6.5
アウディ 37 351 309 430 9.6 0.4
メルセデスベンツ 50 91 128 317 7.1 1.5
ボルボ 0 47 250 296 6.6 0.2
レクサス 68 96 114 130 2.9 0.1
スバル 0 0 14 103 2.3 6.4
起亜 0 20 117 79 1.8 △ 0.3
現代 3 8 5 75 1.7 14.0
フォード 0 30 86 66 1.5 △ 0.2
ランドローバー 35 55 27 62 1.4 1.3
BMW 0 0 0 54 1.2
CHERY 0 0 0 42 0.9
RAM 0 0 2 34 0.8 16.0
HAVAL 0 0 7 31 0.7 3.4
MASERATI 0 0 2 29 0.6 13.5
ポルシェ 0 0 3 11 0.2 2.7
HIGER 8 0 0 3 0.1
DONGFENG 0 0 0 2 0.0
V9 0 0 0 1 0.0
DFSK 0 0 0 1 0.0
PHブラック ジャック ストラテジー 10 58 109 289 6.4 1.7
BMW 0 0 1 177 3.9 176.0
ボルボ 7 56 107 82 1.8 △ 0.2
ミニ 0 0 0 15 0.3
CHERY 0 0 1 12 0.3 11.0
フェラーリ 0 0 0 2 0.0
マクラーレン 0 0 0 1 0.0
Bブラック ジャック ストラテジー 26 33 165 267 6.0 0.6
JAC 0 0 1 30 0.7 29.0
現代 12 10 49 29 0.6 △ 0.4
ミニ 0 0 12 22 0.5 0.8
アウディ 0 1 25 22 0.5 △ 0.1
BMW 0 1 2 21 0.5 9.5
日産 0 0 0 21 0.5
MAXUS 0 1 2 17 0.4 7.5
DONGFENG 0 1 0 13 0.3
ブラック ジャック ストラテジー 1 2 2 9 0.2 3.5
KEYTON 0 2 8 9 0.2 0.1
ボルボ 0 1 7 8 0.2 0.1
MAPLE 0 0 8 7 0.2 △ 0.1
DFSK 0 0 0 7 0.2
起亜 0 0 2 6 0.1 2.0
FUNKY-KL 0 0 0 4 0.1
ポルシェ 0 5 4 3 0.1 △ 0.3
FARIZON 0 0 3 3 0.1 0.0
LINGBAO 0 0 1 3 0.1 2.0
BLAVAL 0 0 0 2 0.0
RUNTOE 0 0 0 2 0.0
NEXTEM 0 0 0 2 0.0
JMC 0 0 4 2 0.0 △ 0.5
YIMING 0 0 0 2 0.0
KEYU 0 0 0 2 0.0
シボレー 0 0 0 2 0.0
BAW 0 0 0 1 0.0
EGGOO ブラック ジャック ストラテジー 0 0 0 1 0.0
PUTIAN 0 0 0 1 0.0
ZNA 0 0 0 1 0.0
SUNLONG 0 0 0 1 0.0
ブラック ジャック ストラテジーUM MOTORS 0 0 0 1 0.0
LAND ROLYS 0 0 0 1 0.0
CHANGAN 0 0 0 1 0.0
RAYSINCE 0 0 1 1 0.0 0.0
AL 0 0 0 1 0.0
SINOGOLD 0 0 0 1 0.0
JEKEEN 0 0 0 1 0.0
フォルクスワーゲン 1 1 0 1 0.0
KAMA 0 0 0 1 0.0
WULING 0 0 0 1 0.0
HUASHA 0 0 0 1 0.0
Lブラック ジャック ストラテジーDEO 0 0 0 1 0.0
BADA 0 0 0 1 0.0
メルセデスベンツ 0 0 0 1 0.0
合計 578 1,455 2,680 4,484 100.0 0.7

出所:ペブラック ジャック ストラテジー自動車協会(AAP)

充電設備はいまだ不十分

ペブラック ジャック ストラテジーでは、多くの消費者は、電気を使う自動車は環境面でメリットがあるとしても、販売価格や維持費が高く、充電スタンド不足の問題とも付き合い続ける必要があると感じている。ペブラック ジャック ストラテジー自動車協会(AAP)によると、2024年9月時点の充電スタンドは52カ所、充電口は83基設置されている。このうちリマ市内にある充電スタンドが21カ所、充電口が36基と、いずれも全体の4割以上を占めている。ペブラック ジャック ストラテジーの国土面積は日本の3倍以上あり、全国的に充電スタンドが普及しているとは言えないのが実情だ。BEV利用者は充電を基本的に自宅で行うこととして、利用は限られた範囲にとどめざるを得ない。

BEVの利用に不可欠なインフラが整っていない実情について、トヨタ・デル・ペブラック ジャック ストラテジーの武藤卓夫社長は「BEVを否定はしないものの、インフラが整っていない状況や、再生エネルギーの比率を考えると、BEVをお客さまにお勧めできる段階には至っていない」と指摘する。同社では、HEVに関する消費者の理解を深めるため、SNSや教育機関への情報提供などの機会を通じて、メンテナンス費も含めた長い目で見たHEVのコストや、自宅で充電を行う必要がないことなど、基礎的な情報を繰り返し届ける取り組みを行っているという。

Bブラック ジャック ストラテジー工場設立には課題山積

BYDに限らず、自動車メーカーが工場を設置するには、市場への近接性、裾野産業の集積、輸送インフラ整備などの条件を整える必要がある。ペブラック ジャック ストラテジーでBEVの市場規模を拡大するには、消費者の理解促進と充電環境の整備が不可欠だが、メーカーの対応だけでは限界がある。また、ペブラック ジャック ストラテジーに設置された工場が近隣諸国への自動車供給という役割を担うには、国内外の輸送インフラを多国間で整備する必要がある。他方、ペブラック ジャック ストラテジー政府には、BEVの利用促進に向けた政策実施などに取り組む積極的な理由が見当たらない。ペブラック ジャック ストラテジーの電力は水力発電と天然ガスを燃料とする火力発電でほぼ賄われるため、温室効果ガス(GHG)排出量がもともと少ない。また、1990年のアルベルト・フジモリ政権以降、財政規律を守る経済財政省と独立性を保つ中央銀行が安定的な役割を果たしており、補助金や企業の投資インセンティブによる大胆な普及促進政策なども考えにくい。

ボルアルテ大統領の訪中後のBYDへの期待を示したメッセージとは裏腹に、現状では、自動車メーカーがBEV工場を設置するメリットを見いだすことは容易ではない。BYDはペブラック ジャック ストラテジーへの投資計画について、何ら発表を行っていない。

ブラック ジャック ストラテジー
執筆者紹介
ジェトロ・リマ事務所長
石田 達也(いしだ たつや)
1995年、ジェトロ入構。ジェトロ沖縄など国内事務所のほか、1999年から2003年、2007年から2013年までペブラック ジャック ストラテジーのジェトロ・リマ事務所に通算10年間勤務。企画部、農林水産・食品部などを経て、2024年6月から現職。