チリ、2035年までに自動車販売の100%を電気自動車に

(チリ)

サンティアゴ発

2021年10月21日

エネルギー省は10月15日、チリが国を挙げて取り組む「2050年までにカーボンニュートラル(注)を達成する」との目標に向け、具体的方針の「エレクトロモビリティ国家戦略」を発表した。内容は次のとおり。

2035年までに

  • 国内で販売される自動車を100%ゼロエミッション車(ZEV)にする。
  • 都市公共交通機関で使用されるバスやタクシーとして販売される車両を100%ゼロエミッション車にする。
  • 販売される定格出力が560キロワット(kW)以上の重機(鉱業、林業、建設業、農業用)を100%ゼロエミッション車にする。

2040年までに

  • 販売される定格出力が19kW以上の重機を100%ゼロエミッション車にする。

2045年までに

  • 販売される運送用車両と都市間移動バスを100%ゼロエミッション車にする。

フランシスコ・ロペス・エネルギー次官官房は「われわれは野心的な目標を設定したが、官民一体となって目標に取り組んでいるため達成できると確信している。政府の役割は規制とインセンティブの仕組みづくりにあり、近い将来、間違いなく電気自動車利用のメリットを全ての国民が享受できるようになるだろう」とコメントした。

全国自動車産業協会(ANAC)によると、2021年1~9月の電気自動車販売台数は336台と過去最高を記録した。しかし、同時期の自動車販売台数のうち、電気自動車が占める割合は0.1%とほんのわずかだ。エネルギー省の発表によれば、エレクトロモビリティ国家戦略に関連した法案には、電気自動車の利用を促すためのインセンティブが含まれる予定になっており、これによりいまだ低調な国内の電気自動車販売が促進されることが期待されている。

(注)二酸化炭素(CO2)の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロに保たれ、大気中のCO2の増減に影響を与えない状態を指す。

(岡戸美澪)

(チリ)

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