米カリフォルニア州、食品添加物5種の使用禁止に関する法案審議進む
(米国)
ロサンゼルス発
2023年06月27日
米国カリフォルニア州の上院議会で、5種類の添加物を用いた食品製造や使用、販売などを禁止する「食品保護法案(AB-418、Food Product Safety Assembly Bill)」が審議されている。下院では5月15日に可決した。州議会の会期末の9月14日までに上院でも可決されれば、カリフォルニア州はこれら添加物の加工食品への使用を禁止する初めての州となる。
同法案で規制対象となっているのは、赤色3号、二酸化チタン、臭素酸カリウム、臭素化植物油(VBO)、プロピルパラベン。各種報道によると、これらの添加物は着色、保存、味覚向上のため、飲食料品やビタミン剤、医薬品などに用いられている。法案が成立すれば、2025年1月1日以降、これらの添加物を含む加工食品の同州での製造・販売は禁止される。違反した個人や団体は初回5,000ドル、2回目以降は1万ドル以下の罰金が科せられる。
米国食品医薬品局(FDA)は、これらの添加物はGRAS物質(一般的に認められている着色料または物質)として、食品への使用を禁止していないが、赤色3号については1990年から化粧品への使用を禁止している。一方、EUでは既に使用が禁止されているほか、カリフォルニア州環境保護庁有害物質管理局(OEHHA)が2021年に発表した調査でも、健康を害する恐れがあるとされている。州議会に法案を提出したジェシー・ガブリエル下院議員(民主党)は、今回の禁止の動きが米国全体に波及するのではないかと述べている(「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版5月17日)。
(仲野千晶)
(米国)
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