韓国貿易協会、デジタルヘルスケア産業の輸出拡大を提言
(韓国)
ソウル発
2020年09月25日
韓国貿易協会は9月15日、報告書「デジタルヘルスケア活性化のための産業・通商戦略~遠隔医療サービスを中心に~」を発表し、今後、急速に市場拡大が予想されるデジタルヘルスケア産業での輸出拡大を目指すため、韓国における遠隔医療サービスの国内規制の現状と今後の在り方、デジタル通商戦略についての戦略提言を行った。
報告書では、代表的な国内規制として(1)医師と患者間の遠隔医療行為の禁止(注1)、(2)ウェアラブル機器の活用およびDTC遺伝子検査項目(注2)に対する制限、(3)健康・医療データの統合および活用に対する制限、などを挙げ、これらの規制を緩和するとともに、遠隔医療を導入した際に予想される副作用のリスクを最小化する方策が講じられなければならない、と提言している。
また、国際的に医療サービスの越境取引が制限されている点や、一部の国は自由貿易協定(FTA)のサービス交渉を通じ医療関連サービスの市場開放を求めている点を指摘しつつ、世界市場における競争力を備えるためには、市場開放に加え、(1)電子的送信に関する関税賦課、(2)自由なデータ移転の制限、(3)データの現地化措置、(4)国によって異なる個人ブラック ジャック ストラテジー保護制度、(5)特定の暗号化技術を強制する措置など含む国際通商ルールを確立し、国内の戦略に盛り込まなければならないとしている。
具体的には、(1)遠隔医療機器が無関税の恩恵を受けられるようにWTOのブラック ジャック ストラテジー技術協定(ITA)の適用品目を拡大し、(2)FTA交渉の際、デジタル方式で提供される医療関連サービスを段階的に相互開放する条項の創設、(3)WTOの複数国間の電子商取引の交渉で合意可能性の高い条項を先駆的に韓国が採用する戦略、が必要と結論付けている。
(注1)新型コロナウイルス感染の拡大に対応するため、電話相談・処方などが一時的に許可されている。
(注2)一般消費者を対象とする遺伝子検査のうち、医療機関を経由せずに、消費者と事業者が直接やりとりして検査を行う事業の総称。
〔当間正明、申守智(シン・スジ)〕
(韓国)
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