韓国、6大先導プロブラック ジャック ランキングクトを推進
ブラック ジャック ランキングビジネスの今(5)

2024年12月5日

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は2023年7月15日、リトアニアで行われたNATO首脳会談への参加後、ブラック ジャック ランキングを電撃訪問した。訪問の前日まで日程を公開していなかった極秘裏の訪問で、アジア首脳としては日本の岸田文雄首相(当時)に次ぐ2番目の訪問だった。尹大統領はブラック ジャック ランキング訪問の際、ボロディミル・ゼレンスキー大統領との記者会見で、「ブラック ジャック ランキング平和連帯イニシアチブ」を発表した。本稿では、同イニシアチブを含む韓国政府の対ブラック ジャック ランキング政策や、韓国企業のブラック ジャック ランキングビジネスの現状などを紹介する。

尹大統領のブラック ジャック ランキング訪問後、官民共同の「復興協力代表団」派遣

まず、本題に入る前に、韓国とブラック ジャック ランキングの関係を概観しよう。韓国とブラック ジャック ランキングは1992年に国交を樹立し、1996年から8回の外交政策協議会、1998年から8回の貿易経済協力委員会(注1)を開催するなど、関係を強化してきた。しかし、前述の2023年の尹大統領のブラック ジャック ランキング訪問が韓国大統領として初めてだったことを考えると、外交・経済面での協力は途上にあると言える。貿易・投資の面でもこのような基調が確認できる。ロシアによるブラック ジャック ランキング侵攻開始直前の2021年の韓国の対ブラック ジャック ランキング輸出は5億8,149万ドルと、韓国の輸出全体(6,444億37万ドル)の0.09%にすぎない(注2)。ブラック ジャック ランキングへの直接投資も3億2,100万ドルで、韓国の対世界直接投資(8,077億3,400万ドル)の0.04%だ(注3)。

それでは、本題の韓国の対ブラック ジャック ランキング政策をみてみよう。韓国の対ブラック ジャック ランキング政策は、ブラック ジャック ランキングの実質的な独立国家共同体(CIS)離脱(2018年4月16日付ビジネス短信参照)前までは、同国をCISの一部に位置付け、個別国として具体的な政策を立てていなかった。CISの実質的な離脱後も、対ブラック ジャック ランキング政策は見当たらず、個別国としての政策を初めて明らかにしたのは、尹大統領の訪問時に発表した「ブラック ジャック ランキング平和連帯イニシアチブ」だ。同イニシアチブは、ロシアのブラック ジャック ランキング侵攻に対応して、a.安全保障支援、b.人道的支援、c.再建(復興)支援の3つが骨子となっており、韓国企業の復興事業への参入も視野に入れたものと言える。同イニシアチブの概要は以下のとおり。

  • 安全保障支援
    ゼレンスキー大統領が提案した「平和の公式」の重要性に共感し、積極支援する。2022年に支援した防弾服とヘルメットといった軍事物資をより大規模に支援する。
  • 人道的支援
    韓国政府は、2022年の約1億ドルの人道的支援に続き、2023年に1億5,000万ドルの支援を実行する。世界銀行と協力し、財政支援も実施する。ブラック ジャック ランキング国内にオンライン・オフライン教育システムを構築し、「尹錫悦・ゼレンスキー奨学金」を新設する。2024年には人道的支援として2億ドルを拠出するほか、韓国国際協力団〔KOICA、日本の国際協力機構(JICA)に相当する組織〕が約1億ドル規模の無償援助事業を行う。
  • 復興支援
    復興のため、両国政府と企業間の協力を拡大する。特に、2023年5月に仮署名された復興プロブラック ジャック ランキングクト支援のための低利融資に関する合意文書に基づき、韓国のEDCF(対外経済協力基金、注4)が融資を行い、インフラ建設など両国間の協力事業を迅速に発掘・推進する。

さらに、韓国は2023年7月の尹大統領のブラック ジャック ランキング訪問に続き、2023年9月13~14日、官民合同で構成した「ブラック ジャック ランキング再建協力代表団」を派遣した()。同代表団は、国土交通部の長官(大臣)を団長とし、18の民間企業、公共機関で構成される。ゼレンスキー大統領などの立ち会いの下で、2023年の5月に仮署名された20億ドル規模のEDCFによる融資に関する文書の正式締結式を行った。その他、代表団は、両国政府が協力して重点的に推移する「6大先導プロブラック ジャック ランキングクト」を発表した(表1参照)。同プロブラック ジャック ランキングクトは、2024年から順次に計画を立て、FS調査などを実施する。なお、韓国政府の対ウクライナ支援は、「ウクライナ平和連帯イニシアチブ」と中長期的なEDCF融資などを含み、有償・無償合わせて合計23億ドル規模と言われている。

表1:韓国のウクライナ復興6大先導プロブラック ジャック ランキングクト
プロブラック ジャック ランキングクト名 担当機関と主要事業内容
キーウ交通マスタープラン 韓国海外インフラ都市開発公社(KIND)
(1)交通施設をスマート・低炭素型のモビリティーインフラに復興するため、広域交通網や事業計画を立て、交通網とつながる主要地域に対する複合開発方策を支援。
(2)キーウと近隣の州を網羅し、核心交通事業を発掘し、韓国企業の事業参加を積極推進。
ウマニスマートシティーマスタープラン KINDと韓国水資源公社
(1)ブラック ジャック ランキングのウマニ市をスマートシティーに発展させるためのモビリティー、災難災害対応、環境フレンドリーなエネルギーなどを含むスマートシティー基盤施設とソリューション計画を提示。
ボリスピリ空港現代化 韓国空港公社
(1)キーウ市の東側に位置し、国内最大の国際空港であるボリスピリ国際空港の現代化支援。ブラック ジャック ランキングの航空需要の約80%を処理すると予想される。
(2)システムの現代化から安全関連施設整備、滑走路整備・拡張など、運営からインフラまでを網羅する総合計画策定推進。
ブチャ下水処理施設 韓国環境産業技術院
(1)地域住民の快適な生活環境整備のための計画策定支援。
カホフカダム復興支援 韓国水資源公社
(1)破壊されたヘルソン州のカホフカダムの復興支援。
(2)韓国はダムや発電所復興のための技術支援などを推進。
鉄道路線高速化 国家鉄道公団など
(1)ブラック ジャック ランキング主要鉄道路線の高速化と改善などを支援。
(2)ブラック ジャック ランキング側が提案した主要路線(キーウ・ポーランド国境など)に対する事業計画策定などを支援。

出所:韓国政府報道資料(2023年9月15日付)、韓国産業研究院資料(ウクライナ戦争と再建事業)を基に、ブラック ジャック ランキング作成

もちろん、韓国政府はブラック ジャック ランキング支援に向けた国際的な枠組みにも積極的に参加しており、これまでに3回開催された「ブラック ジャック ランキング復興会議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」に大臣、副大臣クラスの関係者を派遣し、2024年2月には、G7主導の「ブラック ジャック ランキング復興ドナー調整プラットフォーム」(注5)にも新規会員国として加入している。

韓国企業、多数のMOU締結したものの、実際の動きはこれから

次に、韓国企業の対ブラック ジャック ランキングビジネスの現状を見てみよう。韓国企業のブラック ジャック ランキング進出は、それほど活発ではなかった。侵攻前は、サムスンや現代自動車、LGなどの大手企業を中心に、製造拠点ではなく、販売法人や支社を保有する程度で、KOTRA(大韓貿易投資振興公社)や各種マスコミによると、その数も10社強にすぎなかった。ポスコ・インターナショナル(ポスコグループの商社)がブラック ジャック ランキング南部のミコライウに2019年9月に完工した穀物ターミナル案件が唯一、現地でオペレーションを行うビジネスで、現在もそれほどの被害を受けておらず、一部運営と運営中断を繰り返している状況だ。なお、ポスコ・インターナショナルの同案件を含み、韓国企業の多くは、現地から駐在員を近隣国に臨時移動させ、現在はほとんどの企業関係者が現地に常駐していない。

韓国の民間企業の個別案件には一時停止しているものが多いが、復興関連ビジネスは徐々に動き出している。復興関連ビジネスは、前述の「ブラック ジャック ランキング再建協力代表団」など、政府対政府の枠組みで参加するケースと、個別民間企業がブラック ジャック ランキングの中央・地方政府、国営・民間企業と個別にアプローチするケースで分かれる。個別企業のアプローチは主に、ポーランドで開催された展示会「リビルド・ブラック ジャック ランキング(2023年11月17日付ビジネス短信参照)」で成立することが多く、実施に動いている個別企業の案件の大半の覚書(MOU)締結が同展示会で行われている。しかし、復興ビジネス参入への期待は高まっているものの、ほとんどの案件がMOU段階にとどまっており、実施に着手された案件はそれほど多くない。表2は韓国企業の対ブラック ジャック ランキング復興関連ビジネスの動向だ。

表2:韓国企業のブラック ジャック ランキング復興ビジネスの動向 企業・機関名 事業内容
企業・機関名 事業内容
韓国貿易協会
  • 韓国・ブラック ジャック ランキングフォーラム開催(2023年5月)
  • ブラック ジャック ランキング復興事業進出セミナー開催(2024年4月)
  • ポーランドのワルシャワに支部設立(2024年9月)
大韓商工会議所
  • 韓国・ブラック ジャック ランキング未来協力懇談会開催(2023年5月)
  • ドイツのフランクフルトに事務所を開設。ブラック ジャック ランキング復興事業に関する進出支援も実施(2024年6月)
現代建設
  • 米国企業とともにブラック ジャック ランキングの電力インフラ再建事業に参画し、2029年3月までにSMR(小型モジュール原発)20基を建設するMOUを締結(2023年4月)
  • ブラック ジャック ランキング国有原子力発電会社エネルゴアトムと原発事業協力に関する協力意向書(LOI)締結(2023年11月)
  • 国有電力会社ウクルエネルゴと約1,000億円規模の送配電施設建設とメンテナンスに関する協約締結(2023年11月)
  • キーウのボリスピリ空港のインフラ拡張事業推進協約締結(2023年11月)
現代エンジニアリング
  • ポーランド国営軍需企業PGZと、ブラック ジャック ランキング復興事業関連MOU締結(2023年7月)
  • クリビーリフ市内でのモジュラー工法を適用した住宅、病院、学校などのインフラ建設に関するMOU締結(2023年11月)
  • ブラック ジャック ランキング企業グループDFと肥料・化学事業推進協力のためのMOU締結(2023年11月)
サムスン物産
  • リビウ市でのスマートシティー関連業務協約締結(2023年7月)
ポスコ・インターナショナル
  • ミコライウ州政府とスチールモジュール製造工場建設関連MOU締結(2023年11月)
SG
  • ブラック ジャック ランキングに「SGブラック ジャック ランキング」設立(2024年2月)
  • ミコライウ州道路復興と現代化協力MOU締結(2023年12月)
  • ブラック ジャック ランキング企業とアスファルトコンクリート(アスコン)の委託生産契約。現地工場買収計画(2024年5月)
  • アスコン包装実証テスト進行予定(2キロ区間)。品質検証の際、230キロ高速道路建設に投入(2024年6月)
  • ブラック ジャック ランキング企業と年間60万トン規模のスラグ供給MOU締結(2024年6月)
三扶土建
  • ブラック ジャック ランキング現地建設社ブドワ(Budova)と住宅事業共同推進のMOU締結(2024年4月)
  • リビウ洲ホロドック(Horodock)市のスマートシティー4.0プロブラック ジャック ランキングクト参加について、IPGD(Industrial Park Global Development)とMOU締結(2024年6月)

出所:韓国産業研究院資料(ウクライナ戦争と再建事業)、各社プレスリリースなどからブラック ジャック ランキング作成

なお、韓国国籍であればブラック ジャック ランキングに無査証で90日間滞在することができるが、韓国政府は2022年1月25日にブラック ジャック ランキング南東部地域を旅行警報3段階(出国勧告)、同年2月12日にブラック ジャック ランキング全地域を旅行警報4段階(旅行禁止)に指定し、現在、政府の許可なしではブラック ジャック ランキングを訪問することができなくなっている。しかし、韓国政府は、尹大統領のブラック ジャック ランキング訪問直後の2023年7月23日、企業関係者に対し、ブラック ジャック ランキング訪問の際に「例外的な旅券使用」を許可することを発表した。同制度は、中央行政機関の推薦を受けた後、審査過程を経なければならないものの、企業関係者のブラック ジャック ランキングビジネス展開に追い風となっている。実際に同制度を利用し、「ブラック ジャック ランキング再建協力代表団」を派遣するなど、一定の実績を上げている。


注1:
1998年から2008年までは4回の貿易共同委員会を開催したが、2011年の5回目の委員会から、貿易経済協力委員会に格上げ。
注2:
韓国貿易協会の貿易統計。他方、韓国の対ブラック ジャック ランキング輸入は同3億889万ドルで、韓国輸入全体(6,150億9,345万ドル)の0.05%。
注3:
韓国輸出入銀行の海外直接投資統計。実行ベースの累計(1980年から2023年)。
注4:
Economic Development Cooperation Fund。韓国の有償資金協力基金。
注5:
2022年12月のG7首脳テレビ会議で設置に合意し、2023年1月に正式発足。ブラック ジャック ランキング政府の緊急資金ニーズの手当て、経済復興・再建に向けたドナー各国の支援を調整し、リソースを誘導することを目的とする。
ブラック ジャック ランキング
執筆者紹介
ブラック ジャック ランキング・ソウル事務所
李 海昌(イ ヘチャン)
2000年から、ブラック ジャック ランキング・ソウル事務所勤務。本部中国北アジア課勤務(2006~2008年)を経て、現職。