商務部などが小規模店舗の発展を推進する通知発表
(中国)
中国北アジア課
2020年07月28日
中国の商務部や財政部など7部門は7月14日、「小店経済の推進活動を展開するための通知」(以下、通知)を発表した。
小店とは、卸売りや小売り、飲食、美容サービスなどを提供する個人事業主が運営する小規模な店舗で、従業員が10人以下、または年間の売上高が100万元(約1,500万円、1元=約15円)以下の零細企業や1,500万元以下のネットショップを指す(注1)。
5月の第13期全国人民代表大会(全人代)閉幕後の記者会見で、李克強首相は、就業問題への対策として都市部などで実施されている露店(屋台)(注2)経済の効果を示す事例を紹介した。李首相は「西部のある都市で地元の規則に従い3万6,000カ所の流動的な露店を設置したところ、1晩で10万人が就業した」と語った(「21世紀経済報道」6月3日)。また、6月に李首相が山東省烟台市を視察した際には、「露店経済、小店経済は就業ポストを作り出す重要な供給源であり、中国にとっての活力だ」と述べ、就業を促進する上で露店を含む小店が果たす役割は大きいとの認識を示している。
全国で登記されている小店は2019年末時点で8,000万店以上、従業員は2億人を超えるが、「融資を受けるのが困難で融資コストが高い」「経営コストが高い」といった、発展する上での問題点が指摘される(「央広網」7月23日)。
今回の通知では、こうした問題を解決して小店の発展を促すべく、主要任務(主要な課題)として、インフラ整備やサービスのレベルアップの推進などを掲げる。また、保障措置として、営業許可など手続きの簡素化による参入要件の緩和や公的な金融機関に対して小店に融資することを奨励するほか、2025年までに小店のテスト都市(区)を100カ所、活気のある小店の集中エリアを1,000カ所設け、「100の都市、1,000のエリアで、1億店を育成する」(百城千区億店)目標が示されている(添付資料参照)。
(注1)通知の添付資料「全国の小店経済発展指南」に基づく。
(注2)露店は個人事業主が展開するケースが多く、小店の概念に含まれる。
(方越)
(中国)
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