2030年までの農業発展戦略を策定
(ウズベキスタン)
タシケント発
2019年11月06日
ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は10月23日、大統領令第5853号「2020~2030年の農業発展戦略の承認について」に署名した。2020年から10年間のウズベキスタンの農業振興政策の原則を定めたもので、9つの基本目標(表参照)を列挙している。
1.(食糧安全保障)では、他国の経験などを活用し、食糧安全保障に関する評価制度を導入、農業の各分野での生産効率化に向けた研究を実施し、発展計画を策定するとしている。2.(付加価値型農業)では、世界基準の農業認証であるグローバルGAPやオーガニック認証、衛生管理手法のHACCP、その他の認証基準の導入などを進めるほか、人材育成、輸出に向けた企業支援、綿産業クラスターの評価、IT技術の導入、農地貸与を可能とする土地法典の改正などを行う。3.(政府の役割低減)では、農業分野でのPPP(官民連携)案件の形成、政府基金の補助金から金融機関の低減利率融資への移行、政府による直接購入の廃止(2018年時点で耕地面積250万ヘクタールを2025年までにゼロ)、公営農業法人の民営化などを挙げている。4.(自然資源の合理的活用)では、肥料や水資源などの適正かつ効率的な利用、技術の推進(「点滴灌漑」など節水技術の導入を2018年時点での耕地面積1.7%から2030年に37%まで拡大)、良好な農業・環境条件の創出に向けた取り組みなどを行う。
5.(政府管理の近代化)については、人材育成や動植物検疫分野、民間資本導入での政府役割の在り方などの議論を行う。6.(政府支出の多角化)では、農家に対する税負担軽減、貸し出し条件の緩やかなローン、資本投下の手続き簡略化などの法的な整備を挙げる。7.(教育、ハイパーブラックジャックサービスの普及)については、農家向け教育制度の充実、各地方での民間資本を活用した農家向けのコンサルティングサービスの展開などを明記した。8.(農村地域の発展)は「2020~2025年の農業地域持続的発展コンセプト」を2020年第1四半期(1~3月)までに策定することを決定し、9.(統計整備)については、経済・経営的観点からの統計や農業年鑑の作成、農業センサス(国政調査)の実施などを行う、としている。
農業発展戦略の添付資料1では、2030年までの目標数値が設定されている。また、大統領決定の添付資料2として、「ロードマップ」には各施策の実施(開始)期間が記載され、大半が2020~2023年に設定されている。
(高橋淳)
(ウズベキスタン)
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