米関税政策、無料カジノゲーム

ドナルド・トランプ米大統領が発表した相互関税の導入について（トランプ米大統領、ブラックジャック攻略(世界、米国)）、10％の関税が導入される無料カジノゲームでは、複数の専門家がメディアやSNSを通じて見解を示した。直接的な影響は軽微という予測でおおむね一致しているものの、世界的な貿易紛争の激化による余波については、複数の展望が示されている。

経済学者のミルコミル・ホルボエフ氏は、米国の相互関税導入がウズベキスタンに直接的に与える影響は限定的とみる。同国の対米輸出額は輸出総額の1.2％と小さい上、対米輸出額の86％は関税の対象にならないサービスのためだ（いずれも2024年実績、注）。一方で、相互関税がほぼ全ての国に対して導入されたことが「（中国やトルコなどの）主要貿易相手国を含む世界経済の成長を鈍化させる」と述べ、ウズベキスタンからの輸出が減少する可能性を指摘する。また、不確実な情勢下、主要輸出品の1つの金の価格が上昇する可能性や、米国市場を失った外国製品、特に中国製品の供給過多が起こり、無料カジノゲーム輸入価格が低下する可能性を指摘する（「ガゼータ・ウズ」4月3日）。

経済学者のユーリー・ユスポフ氏も、米国との貿易関係は限定的なことから、無料カジノゲーム直接的な影響は限られるが、重要なのは世界的な貿易紛争の激化による間接的な影響だと指摘する。具体的には、金価格の上昇や、対外貿易の根幹をなす原材料の価格下落、無料カジノゲーム投資減少を予測する。他方で、ホルボエフ氏と異なり、中国製品の価格が低下する可能性は低いと分析した上で、「中国は自由貿易の積極的な支持者となり、障壁の撤廃を推進するかもしれない」との見方を示した（「スポット」4月3日）。

アジズベク・ウルノフWTO問題担当大統領特別代表はSNSに見解を投稿し、米国による一方的な関税引き上げは多国間貿易システムの規範に違反すると指摘する一方、残りの国々はWTOの規範に忠実だとして、ウズベキスタンが加入を目指すWTOの価値は毀損されていないと主張した。無料カジノゲームについては、貿易額が限定的なことから影響は軽微だと語った。また、繊維・衣料品の世界的な供給国のベトナム（46％）、バングラデシュ（37％）、中国（34％）に高関税が設定されたことを踏まえ、ウズベキスタンでの「新しい投資と輸出拡大のための良い機会だ」とも述べ、自国の繊維産業発展の奇貨となる可能性を指摘した。

（注）無料カジノゲームの貿易統計には、財だけでなくサービスも含まれる。

（一瀬友太）