日産、南ア工場に240億円の追加投資を発表

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年04月24日

日産自動車は4月10日、南アフリカ共和国のプレトリア郊外にある同社ロスリン工場拡張のため、30億ランド(約240億円、1ランド=約8.0円)を投資すると、同社主催の式典で発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。南アフリカ日産のマイク・ウィットフィールド社長は、2020年から新型のピックアップトラック「ナバラ」を年間3万台生産し、うち1万2,000台をサブサハラアフリカ諸国に輸出する計画を示した。同社工場では、「NP200」(1トン)と「NP300」(0.5トン)の小型ピックアップトラックを年間約3万5,000台生産している(2018年)。

同式典に出席した南アのシリル・ラマポーザ大統領は、今回の投資の決定は、2018年10月に南ア政府が表明(政府がブラック ジャック ルール)した「今後5年間で1,000億ドルの対内投資を呼び込む」という目標に沿って行われたとし、自身の成果であることを強調した。現在、自動車分野への投資400億ランドを含む、2,900億ランドの投資が約束された、と政府は発表している。

自動車産業は南アのGDP全体の約7%、製造業の約3割を占める主要産業で、国内では日産やトヨタを含む7つのメーカーが自動車生産を行っている。南ア政府は、2035年までに現在の年間生産台数約59万台から140万台に拡大することを目標とする「南ア自動車基本計画2035(SAAM)」を2018年11月に発表(2018年12月3日記事参照)。新政策では、国内でより多くの付加価値を創出する自動車メーカーを手厚く優遇する。

2020年から始まるSAAMの恩典を受けるためには、現地調達率6割の達成が求められているが、現在の日産の現地調達率は34%にとどまる。同社は今回の発表に合わせて、特に黒人経営の中小サプライヤーからの調達を増やすため、ハウテン州自動車産業開発センター(AIDC)と共同で、現地企業15社の技術訓練を行うことも発表した。

2018年の南アの新車販売台数は2年ぶりに減少し、約55万台となったが(2019年4月12日記事参照)、日産は2年連続の2桁成長となる2万2,356台を販売し(注)、好調を維持している。

(注)南アフリカ自動車製造者協会(NAAMSA)2019年3月発表。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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