第30回ASEAN貿易円滑化共同協議会、貿易円滑化の進捗状況を産業界に報告

(ASEAN、インドネシア、マレーシア、タイ)

ジャカルタ発

2024年11月05日

ASEAN事務局(本部:インドネシア・ジャカルタ)は10月24日、第30回ASEAN貿易円滑化共同協議会(ATF-JCC:ASEAN Trade Facilitation Joint Consultative Committee、注1)に合わせて、産業界の意見を求めるステークホルダー会合を開催した。産業界からはASEANビジネス諮問評議会(ASEAN-BAC)、EU-ASEANビジネス評議会や米国ASEANビジネス評議会、英国ASEANビジネス評議会、ジェトロなどが出席した。

ASEANの貿易円滑化に関して、産業界から改善要望を行い、ASEAN事務局が回答した。主な回答は次のとおり。

〇「非関税障壁(NTM)ツールキット」(注2)の開発はパイロット実装段階にあり、インドネシアが医薬品や医療機器、セラミックス、機械、電子機器の製品リストを提供した。マレーシアは2023年9月に公表した「マレーシア新産業マスタープラン(NIMP)2030」に基づき、マレーシア生産性公社(MPC)がNTMに関連する産業を特定するための検証作業を実施中。

〇ASEANシングルウィンドウ(ASW)を通じたASEAN税関申告書(ACDD、注2)の電子交換は9カ国での稼働が確認されているが(関連ブラック ジャック ディーラー)、残るラオスについては、2024年中の稼働開始を目標としている。また、インドネシアとタイは生きた動物の電子動物衛生証明(e-Animal Health certificate)について、2025年までの稼働開始を目標としている。

〇ASEAN加盟国は、急送貨物やeコマースで購入した貨物の取り扱いについて、税関当局とeコマース事業者との間の「eコマースデータに係るブラック ジャック 勝ち 方交換に関するガイドライン」を策定中。2025年中に完成予定。

〇「ASEAN加盟国間での認定事業者(AEO)相互認証取り決め(AAMRA)」について、インドネシアの税関による運用が2024年10月1日から開始された(注3)(タイ税関、ブラック ジャック)。フィリピンでは、2024年第4四半期(10~12月)からの運用開始に期待。残るカンボジア、ラオス、ベトナム、ミャンマーについて、2025年中に運用開始予定。ASEAN事務局は、AAMRAの運用開始により、(1)迅速な貨物の通関、(2)ASEAN域内で取引される商品の貨物検査に関する優先処理を受けられるメリットがあると説明した。

(注1)2016年の第38回ASEAN経済大臣会合で設立に合意。ASEANの貿易円滑化に関する履行状況や各イニシアチブの監視を行う。また、産業界が削減を求める各種のNTMsに関する提言を受ける会合も開催する。

(注2)「NTMツールキット」は2021年、当時のASEAN議長国ブルネイの優先経済成果物として、国連貿易開発会議(UNCTAD)の支援を受け、東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)とATF-JCCによる開発が約束された。

(注3)AAMRAは、タイ、ブルネイ、マレーシア、シンガポールの4カ国では既に運用されており、インドネシアが5カ国目の運用開始となった。

(大滝泰史)

(ASEAN、インドネシア、マレーシア、タイ)

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