カジノ無料ゲームアプリ政府、デジタルやプリント回路基板産業の誘致強化

2025年3月11日

米中対立による地政学リスクの高まりや、気候変動に対応すべく、カジノ無料ゲームアプリ政府は環境配慮型で、イノベーティブであり、また、リスクに対して強靭(きょうじん)な経済成長を目指している。そうした産業基盤の構築に向け、バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済、電気自動車(EV)、半導体・エレクトロニクス、デジタル、地域統括拠点を、投資誘致を強化すべき重要分野としている。本稿では、これらの産業の中でも、デジタル、半導体に焦点を当て、カジノ無料ゲームアプリへの投資動向や課題、政府の支援策を解説する。

データセンター投資が拡大

カジノ無料ゲームアプリ投資委員会(BOI)によると、2024年の対内直接投資申請額(内資・外資)は、前年比34.5%増の約1兆1,385億バーツ(約5兆94億円、1バーツ=約4.4円)と、過去10年で最も高い。牽引したのはデジタル産業だ。同年のデジタル産業への投資申請額は約2,433億バーツ(前年比25.6倍)と急拡大し、対内直接投資全体の21.4%を占めた。政府は産業高度化に向けた国家の指針「カジノ無料ゲームアプリランド4.0」の下、12の重点産業(Sカーブ産業、注1)を設定しているが、デジタル産業は同年に、このうち最も多くの投資申請を獲得した。同産業の投資申請のうち、特に目立つのはデータセンター設置やクラウドサービス導入で、国・地域別では米国、中国、香港、日本、インド、オーストラリア、シンガポールから大型の投資申請があった。デジタル産業への投資は2025年も継続している。例えば、BOIは2025年1月、TikTok(中国)がバンコクや首都圏近郊で、データセンターにサーバーや各種機器を設置する事業(約1,268億バーツ)を認可した。また、地場振興企業のSiam AI cloud(注2)によるAI(人工知能)クラウドサービス拠点の設置事業(約33億バーツ)も認可された。

政府によると、デジタル産業への投資増加の背景には、カジノ無料ゲームアプリやASEANでのAIやビッグデータ需要の高まりがある。また、ASEANでは、シンガポールやマレーシアにデータセンターが先行して集積しているが、コスト上昇などを背景に、第3の投資先として、カジノ無料ゲームアプリへの注目が集まっている。さらに、BOIによると、カジノ無料ゲームアプリでは電力供給が安定しており、地理的にも周辺国へのデータサービス提供の拠点になり得るという。そのほか、グローバルな観点では、米中対立などの地政学リスクが高まる中、米中双方と良好な関係を有するカジノ無料ゲームアプリは、リスク回避を図る投資家から、安定した投資先として選ばれているという。

他方、データセンター設置で重要なのは、再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来の電力の確保だ。ジェトロのヒアリング(2024年12月20日)に対して、BOIの担当者は「グリーンエネルギーを確保できないと、データセンター投資先として、カジノ無料ゲームアプリの優先順位が下がる可能性がある」と懸念を表明した。そのため、政府は企業のクリーン電力へのアクセス促進を目的に、2025年1月2日から、再エネ由来の電力の購入制度のユーティリティー・グリーン・タリフ(UGT)への企業登録を開始した(注3)。また、利用者が国家送電網を通じて、発電業者から直接、再エネ由来の電力を購入できる「直接電力購入契約(PPA)」の導入も予定している。BOIによると、現在(本稿執筆時点)、エネルギー規制委員会(ERC)が適切なPPAの価格体系やシステムを検討している。PPA制度下でも、2,000メガワット(MW)分のクリーン電力はまず、データセンターと半導体の製造に割り当てられ、今後の需要に基づいて、追加容量が検討される見込みだ(注4)。UGTやPPAは、産業界のエネルギー移行に不可欠なシステムだ。デジタル産業の成長に伴い、脱炭素化を後押しする環境も整備されつつあると言える。

拡大するPCBへの投資

2024年、Sカーブ産業のうち、デジタルに次いで投資額が多かったのは電気・電子産業で、申請額は約2,317億バーツだった(前年比33.5%減)。同年の対内直接投資額の20.4%を占める。注目される大型案件は、フォックスセミコン(台湾)による半導体製造装置の工場設置(約105億バーツ)や、ハナ・マイクロエレクトロニクス(カジノ無料ゲームアプリ)とカジノ無料ゲームアプリ石油公社(PTT) の合弁事業によるシリコン・カーバイド(SiC)ウエハー(注5)の生産事業(約115億バーツ)だ。

また、同分野では近年、プリント回路基盤(PCB)やプリント回路基板組み立て(PCBA)事業への投資が拡大している。日本のメクテックやフジクラ、韓国のハンソル、台湾のデルタ・エレクトロニクス、カジノ無料ゲームアプリのKCEなど、既にカジノ無料ゲームアプリに進出しているPCB工場の拡張投資に加え、新たに投資しているのは主に中国や台湾の企業だ。

BOIによると、両産業への投資申請額は、2022年の159億バーツから、2023年の約1,009億バーツへ、6.3倍に拡大した。この拡大傾向は2024年以降も継続している。業界関係者によると、第5世代移動通信システム(5G)技術の進歩、EVや医療機器、ロボット産業の進展により、PCBやPCBAへの投資は今後も継続が期待される。

直近の主な事例では、ウェルテック・エレクトロニクス(中国)が2024年6月、カジノ無料ゲームアプリに設置したPCB製造工場を稼働させた。同社が製造するのは高密度相互接続(HDI)型の多層PCBで、データサーバー、EV用電源、AI搭載型の電子製品などに使用される。同社は製品の40%をカジノ無料ゲームアプリ国内に、60%を国外へ輸出するほか、原材料の過半をカジノ無料ゲームアプリで調達するとしている(2024年11月時点)。

政府も2024年4月22日、さらなるPCB産業の誘致のため、BOI布告(No.sor.4/2567)を公表した。PCB製造に関連する工程(例:ラミネーション、メッキ)や、PCB 原材料の製造〔例:銅張積層板(CCL)、フレキシブル CCL)〕を新たに奨励対象事業に追加した(注6)。恩典内容は事業により異なるが、最長8年間の法人所得税免除などが付与される方針だ。実際、BOIは同年、CCL大手の生益科技(中国)によるカジノ無料ゲームアプリでのCCL製造事業を認可した。投資総額は約62億バーツに上る。こうした状況を踏まえ、カジノ無料ゲームアプリ・プリント回路基板協会(THPCA)のピターン・オンコーシット会長は「現在、カジノ無料ゲームアプリの電子回路の世界市場シェアは4%だが、カジノ無料ゲームアプリへのPCB工場進出が進めば、10%まで拡大する可能性がある」と発言している(2024年7月)。

半導体産業誘致への課題と政策

カジノ無料ゲームアプリは、ASEANの電気電子、デジタル産業のハブとなるべく、半導体産業の誘致を強化している。自動車産業の段階的なEVシフトを目指すカジノ無料ゲームアプリにとって、半導体の重要性はますます高まりつつある。政府としては、半導体サプライチェーンの中流にあるPCBや、川下のPCBAに加え、川上のウエハー製造過程も誘致したい考えだ。

半導体産業の育成を強化すべく、政府は2024年10月、国家半導体・先端電子工学政策委員会(以下、国家半導体委員会)を設置した。同委員会は、ペートンタン・チナワット首相が委員長を務め、半導体政策の方向性や投資優遇措置を決定する。外相や高等教育・科学技術相、デジタル経済社会相、エネルギー相などが委員に就任し、BOI長官が事務局長を務める。ジェトロに対し、BOIの担当者は「この委員会が立ち上がったことで、関連省庁が実務的に協力し合い、国全体で包括的な半導体支援が可能になった」と説明する(2024年12月20日時点)。

他方、同産業の誘致に向けて重要なのは、高度人材の確保だ。過去1年に投資されたPCB製造事業では、今後1~2年以内に工場が完成し、稼働すると見込まれる。THPCAは今後1~2年で8万人以上の関連人材が必要になると予測している。そのため、国家半導体委員会は2024年12月、高度人材の育成計画の枠組みを承認した。具体的には、産業界と協力し、スキルアップ(技術向上)やリスキル(再トレーニング)を通じ、技術専門職を育成する。また、修士や博士レベルの研究者1,400人も養成する方針だ。

半導体産業では、マレーシアやシンガポールにも一定の集積があり、投資誘致ではカジノ無料ゲームアプリの競合になり得る。カジノ無料ゲームアプリ政府の政策担当者はジェトロに対して、「税制上のインセンティブに加え、大型投資には補助金給付を検討するなど、包括的な支援策が必要になるだろう」(本稿執筆時点では未定)との認識を示した。その上で、カジノ無料ゲームアプリには自動車や電子電機の集積があるため、これらの産業とのシナジーを生むかたちで、政策を考えていきたいと説明した(2024年12月20日時点)。

カジノ無料ゲームアプリ政府は2025年2月20日、東京で「日カジノ無料ゲームアプリ投資フォーラム2025」を開催した。基調講演に登壇したピチャイ・チュンハバジラ副首相兼財務相は、イノベーション、リスクへの強靭(きょうじん)性を伴った経済成長の必要性に言及した。そして、日カジノ無料ゲームアプリがともに成長し、日本企業がカジノ無料ゲームアプリへの投資を通じて、カジノ無料ゲームアプリ人に対して高度な技術や知識を提供することに高い期待を表明した。日本企業はこれまでも、カジノ無料ゲームアプリやASEANへの直接投資を通じて、地場企業の技術発展に貢献してきた。しかし、地政学リスクや気候変動への対応など、先の見えづらい課題がビジネス環境を取り巻く中、より強固な産業基盤を構築するには、人材育成やサプライチェーン高度化につながる投資が今まで以上に求められていると言える。


注1:
対象業種は、デジタル、エレクトロニクス、自動車・部品、農業・食品加工、石油化学・化学、観光、医療、自動システム・ロボット、バイオテクノロジー、航空、防衛、人材開発・教育の12分野。
注2:
同社はカジノ無料ゲームアプリで初めて、米国半導体大手NVIDIAから画像処理半導体(GPD)を調達するパートナー契約(NVIDIA Cloud Parter : NCP)を締結した。報道によると、同社は自社の生成AI「サイアムGPT」をNVIDIAの支援を得て開発している(2025年2月時点)
注3:
UGTは2種類で構成され、再エネ電源が特定されないUGT1と、大規模事業者あるいは特定事業を対象とした再エネ電源が特定されているUGT2に分かれている。今回登録が開始されたのはUGT1で、登録期間は2025年1月2~24日。
注4:
2025年2月20日開催、「日カジノ無料ゲームアプリ投資フォーラム2025」(於:東京)でのナリットBOI長官の講演内容を参照。
注5:
SiCウエハーは、ケイ素(Si)と炭素(C)を材料とし、従来の主にSiのみを利用した半導体に比べ、高温域での稼働、高い電流搬送容量、高い電圧容量などのメリットがある。
注6:
詳細は2024年4月22日付BOI布告PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(141KB)を参照。
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執筆者紹介
ジェトロ調査部アジア大洋州課 課長代理
田口 裕介(たぐち ゆうすけ)
2007年、ジェトロ入構。アジア大洋州課、ジェトロ・バンコク事務所を経て現職。