レソトで総選挙実施、実業家のマテカネ氏が首相就任
(レソト、南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年11月18日
レソトで10月7日、5年に1回の国民議会総選挙が実施され、「繁栄のための革命(RFP)」が最多となる56議席(120議席中)を獲得した。同月28日には、RFP党首のサミュエル・マテカネ氏が正式に首相に就任した。首相就任式には、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領が参列したほか、南部アフリカ開発共同体(SADC)を代表してナミビアのハーゲ・ガインゴブ大統領も祝辞を述べている。
与党となるRFPは、2022年3月にマテカネ氏が設立した新政党。同党は過半数の議席を獲得するため、「同盟民主(AD)」(5議席)と「経済改革運動(MEC)」(4議席)と連立内閣を発足する。なお、今回の選挙の投票率は40%以下と推定されており、2位の「民主会議(DC)」は29議席、前与党「全バソト会議(ABC)」は8議席だった。
マテカネ新首相は、レソトで鉱山や不動産開発を行うマテカネ・グループ(MGC)を率いており、国内では最も裕福は実業家として知られている。1990年以降、政情が安定しないレソトでは、過去10年間で5年の任期を終えた首相がおらず、国民の不満が高まっていた。マテカネ氏には、ビジネスで培った手腕を生かし、同国の政情安定化、汚職の削減、国内の開発推進などが期待されている。
(堀内千浪)
(レソト、南アフリカ共和国)
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