日用品消費は半減、家庭用レジャー・スポーツ製品、修理工具の売り上げは急拡大

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年04月09日

ロシアの大手民間調査会社ロミルは4月7日、ロシアの多くの都市・地域で外出禁止令が発令された直後となる、3月30日~4月5日の間の日用品消費動向に関する調査結果を発表した。

ロミルはロシア国内の人口1万人以上の220都市で1万5,000世帯、延べ4万人に対して定期的に消費動向調査を実施しており、今回の発表はその結果に基づくもの。当該期間に1家族当たりの日用品購入額は3,376ルーブル(約4,730円、1ルーブル=約1.4円)と、前週に比べて47.6%減少した(図参照)。前年同週比でも21.1%減となり、小売店への来訪頻度は34.8%減となったという。ロミルの顧客担当部長のクセニヤ・パイザンスカヤ氏は「外出禁止令やそれに向けた買いだめ行動がみられたが、小売業界においてネガティブな影響がみられている。このマイナスの影響は今後も続く可能性がある」と指摘している。

図 ロシアにおける1週間当たりの日用品購入額の推移

他方、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、特定商品の消費が拡大している。ロミルの発表(4月3日)によると、大規模イベントや集会の開催を禁止する措置が導入された3月16~22日の週には、医薬品の売上高が前年同週比32%増となり、冷凍食品23%増、食品雑貨・穀物22%増、電子機器・家電12%増、生理製品9%増などが続く。特に、消費が好調だった製品は、ビタミン剤・サプリメント、食品雑貨・穀物、缶詰、医薬品で、落ち込みを見せた製品はお菓子、衣類、アルコール製品、化粧品などだった。

オンラインショッピングでは、家庭用向けのレジャー製品、修理道具、フィットネス製品の販売が好調だ。主要ビジネスメディア「RBK」(3月22日)によると、ECプラットフォーム大手オゾンでは2020年3月(注)の家庭用レジャー製品・サービスの販売額が前年同月比75%増となっており、平均購入額は2,100ルーブルと前年同月に比べ900ルーブル上昇している。オンラインでのゲームや映画の講読数は200%増加し、加えて机上ゲームの売り上げは150%増、趣味・創作製品120%増、書籍110%増に上っている。特に、ロシアの企業が在宅勤務体制への移行を始めた3月14~17日に伸びが顕著だったとしている。

加えて、家庭修理用製品(電動ドリル、ドライバー)の売り上げも296%増と顕著に増加し、家庭内でのフィットネス用品も、トレーニング用のフロアマットが102%増、ウエイト製品105%、エキスパンダーは90%増と急拡大を見せているという。

(注)記事には売上をカウントしている対象期間が明記されていない。

(齋藤寛)

(ロシア)

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