2024年のアジア大洋州におけるトランプゲームブラックジャックの動向輸入関税ゼロ政策、ハイブリッド車中心にトランプゲームブラックジャック増加(フィリピン)
急がれる充電インフラ整備

2025年3月7日

他のASEAN主要国に比べて、電気自動車(トランプゲームブラックジャック)市場は未成熟だが、ポテンシャルが高いとされるフィリピン。同国では乗用車、商用車に加え、トライシクル(三輪車)やバイク(二輪車)、ジプニー(乗り合いバス)なども含めた広義の「トランプゲームブラックジャック」の普及を目指している(特集:アジア大洋州で加速する電気自動車の普及の取り組みトランプ)。政府がトランプゲームブラックジャック普及のため、トランプゲームブラックジャック輸入関税の一時的な免税措置を取ったことで、ハイブリッド車を中心に、外資メーカーによる輸入トランプゲームブラックジャック車の市場投入が相次いでいる。本格的なトランプゲームブラックジャックの国内普及に当たっては、充電インフラ整備の遅れが懸念される。政府は民間企業との連携やガイドラインの策定などを進めている。

本稿では、フィリピンのトランプゲームブラックジャック国内市場を概観し、普及に向けた政策のほか、本格的なトランプゲームブラックジャック普及に向けた充電インフラ整備、トランプゲームブラックジャック二輪車の投入状況について概説する。

2023年のトランプゲームブラックジャック販売・登録は大きく増加、ハイブリッド車が牽引

フィリピンの自動車市場では、電気自動車(トランプゲームブラックジャック)の販売が急速に増加している。フィリピン自動車工業会(CAMPI)によると、2023年の同国のトランプゲームブラックジャック新車販売台数は1万602台に達した(2024年10月25日付「インクワイアラー」紙)。同年の新車販売台数全体(42万9,807台)に占める割合は2.5%と低いものの、CAMPIのロメル・グティエレス会長の発言によると、トランプゲームブラックジャック販売台数は2024年以降も増加傾向が続くと見込まれているという(2024年10月24日付「フィリピン政府通信社」紙)。2023年のトランプゲームブラックジャックの国内販売台数をカテゴリー別にみると、ハイブリッド車(Hトランプゲームブラックジャック)が9,293台と最も多く、増加を牽引した。プラグインハイブリッド(PHトランプゲームブラックジャック)は106台、バッテリー式電気自動車(Bトランプゲームブラックジャック)は462台だった。

フィリピン陸運局(LTO)発表の国内登録車両数をみても、乗用車、商用車に加え、トライシクル(三輪車)やバイク(二輪車)、ジプニー(乗り合いバス)などを含むトランプゲームブラックジャックの国内登録台数は、2023年上半期に2,557台となり、通年で前年比5倍超のペースで増加した(2023年12月26日付「インクワイアラー」紙、図1参照)。

図1:トランプゲームブラックジャックの年別新規登録台数(2010~2023年)
2010年828台、2011年426台、2012年289台、2013年520台、2014年414台、2015年580台、2016年991台、2017年2,070台、2018年は最高の4,262台、2019年1,570台、2020年1,015台、2021年1,229台、2022年1,072台、2023年(上半期)2,557台となっている。

出所:フィリピン陸運局(LTO)、フィリピン政府通信社

LTOが発表した2023年上半期のトランプゲームブラックジャック登録台数2,557台の内訳(図2参照)は、2,041台がHトランプゲームブラックジャックで、残りの516台がバッテリー式トランプゲームブラックジャック(Bトランプゲームブラックジャック)などだった。また、車種別の内訳では、スポーツ用多目的車(SUV)1,077台、多目的車766台、乗用車502台、二輪車208台、トラック4台だった。 2022年は二輪車の登録が最も多かった(602台)が、2023年上半期で最も多かったのはSUVだった(2023年12月26日付「インクワイアラー」紙)。

図2:車種別トランプゲームブラックジャック登録台数の割合(2023年上半期)
SUV42.1%、多目的車30%、乗用車19.6%、二輪車8.1%、トラック0.2%。

出所:「インクワイアラー」紙の報道からジェトロ作成

このように、フィリピンでトランプゲームブラックジャックの国内販売や登録は大きく増加しており、とりわけHトランプゲームブラックジャックが大きく牽引している。米国自動車メーカーのフォードが行ったアンケート調査によると、フィリピン人の44%が2025年中にトランプゲームブラックジャック購入を検討しており、そのほとんどが購入予定の種類についてHトランプゲームブラックジャックと回答した。後述するトランプゲームブラックジャック輸入関税の一時免税の対象範囲がHトランプゲームブラックジャックに拡大したことで、2024年以降もHトランプゲームブラックジャック輸入が増加することが予想される。

フィリピンのトランプゲームブラックジャック市場の中期的な見通しについて、フィリピン電気自動車連盟(トランプゲームブラックジャックAP)は、2030年までの累計販売台数が660万台に到達すると予測している(2023年10月19日付「フィリピン政府通信社」紙)。そのうち約半数を電気二輪車が占めるという。

輸入関税ゼロの対象拡大でトランプゲームブラックジャック普及推進

フィリピントランプゲームブラックジャック市場の成長には、政府による法規制の整備と奨励策・支援策が重要な役割を果たしている。2022年4月に成立した「トランプゲームブラックジャック産業育成法(共和国法第11697号、トランプゲームブラックジャックIDA)」(2022年5月11日付ビジネス短信参照)では、貨物物流会社や食品輸送会社、旅行業者、ホテル、電気事業者、水道事業者などの企業や、公共交通機関を運営する事業者、政府機関が保有もしくはレンタルする車両のうち、最低5%をトランプゲームブラックジャックとすることを義務付けた。また、同法成立以降に建設される建物や施設はトランプゲームブラックジャック専用の駐車スペースを設置する必要があり、かつ20台以上の車両を収容可能な駐車スペースを有する場合、最低5%の駐車スペースをトランプゲームブラックジャック専用とすることも規定した。

さらに、2023年4月、同法に基づき、トランプゲームブラックジャック産業の振興や、トランプゲームブラックジャックの商用化および導入を目的とした国家的な産業開発計画「包括的なトランプゲームブラックジャック産業ロードマップ(CRトランプゲームブラックジャックI)」が公表された。同ロードマップでは、短期(2023~2028年)、中期(2029~2034年)、長期(2035~2040年)の3つのフェーズに分けて目標を設定した。また、国内市場でのトランプゲームブラックジャック利用増加や、十分なトランプゲームブラックジャック充電ステーションの配備などを盛り込んだ。このロードマップは、2024年10月に改定版PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.0MB)が公表されている。

国内でのトランプゲームブラックジャック購入促進のため、2023年1月には、フェルディナンド・マルコス大統領が署名した「大統領令第12号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(394KB)」により、Hトランプゲームブラックジャックを除くトランプゲームブラックジャックの輸入関税が5年間0%になった(2023年2月1日付ビジネス短信参照)。さらに、2024年6月に署名した「大統領令第62号PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(36.8MB)」では、Hトランプゲームブラックジャックも5年間の免税対象となった。なお、同国では、トライシクル(三輪車)やバイク(二輪車)、ジプニー(乗り合いバス)なども含めた広義の「トランプゲームブラックジャック」の普及を目指しており(特集:アジア大洋州で加速する電気自動車の普及の取り組みトランプ)、これらも輸入関税0%の対象に含まれている。

本格的なトランプゲームブラックジャック普及にはインフラ整備が急務

トランプゲームブラックジャック普及を推進する中で課題の1つとされているのが、トランプゲームブラックジャック充電ステーションの不足だ。2024年2月に開催された「オート・パーツ・フィリピンエキスポ」で、トランプゲームブラックジャックAPのニール・スティーブン・ロペス副事務局長は、国内で稼働している充電ステーション数は338カ所で、「2023年から2025年までに目標としている7,300ステーションには程遠い」と述べた。

先述のトランプゲームブラックジャック産業育成法では、ガソリンスタンドにトランプゲームブラックジャック充電インフラを設けることを義務付けている。これを遂行するため、エネルギー省(DOE)はガイドラインを策定中で、2025年に正式発出するとしている。

充電設備の拡充に向けて、現地大手財閥アヤラ財閥傘下の自動車販売会社、ACモビリティーズ(ACM)が牽引している。同社は2024年末までに100カ所以上に250以上の充電ステーションを整備した。12月12日からは無料の充電サービスを終了し、有料化して高水準のサービスを提供している。価格は、AC充電が1キロワット時(kWh)当たり28.5ペソ(約74円、1ペソ=約2.6円)、DC充電が1kWh当たり35ペソ(2024年12月3日付「マニラ・タイムズ」紙)。モバイルアプリ「トランプゲームブラックジャックRO」を通じてGCash(注1)などのキャッシュレス決済にも対応する。同社のトランプゲームブラックジャックエコシステム事業に対し、アジア開発銀行(ADB)は11月20日に最大1億ドルの融資を表明している。

また、ポーランドのインフラ企業ChargeEuropaは2024年11月15日、マニラ電力(Meralco)の子会社モベムとの提携を発表した。デジタル屋外広告と組み合わせたトランプゲームブラックジャック充電ステーションを設置し、広告収入を活用したトランプゲームブラックジャック充電器を展開する。Meralcoはマニラ首都圏と近隣州から導入を始めると発表している。

民間企業との連携によりトランプゲームブラックジャック普及促進

DOEはトランプゲームブラックジャック普及促進と充電インフラ拡充のため、多くの企業や団体との協業に取り組んでいる。2022年には全米電気工事業者協会、国際電気労働組合など、米国の複数団体・企業との覚書(MOU)を締結した。現地報道によると、2023年にはピリピナス・シェル石油会社とシェルエナジー・フィリピンとの3者協定を結び、再生可能エネルギーを利用したトランプゲームブラックジャック充電ステーション配備のパイロットプログラムを開始した(2023年3月14日付「ニュース・バイツ・ドット・ピーエイチ」紙)。

また、エネルギー省は中国の自動車メーカーBYDとの協力事業を推進している。2023年6月、新型トランプゲームブラックジャックバス2台の導入とBGC(注2)にあるDOE本部への充電ステーション設置を発表した。

トランプゲームブラックジャック
DOE本部内に設置されたBYDのトランプゲームブラックジャック充電器
(ジェトロ撮影)

DOE本部内に置かれたトランプゲームブラックジャックバス(ジェトロ撮影)

フィリピンでは、ボラカイ島やパラワン島などの中部に位置する観光地で、早くからトランプゲームブラックジャックが導入されてきた(特集:アジア大洋州で加速する電気自動車の普及の取り組みトランプ)。現在ではマニラ首都圏内のケソン市や同国中部のセブ市などで、地方政府が炭素排出量削減のために、公共交通サービスでトランプゲームブラックジャックや電気バスを導入するなど、クリーンな交通の推進を加速させている。また、マカティ市内ではいまだディーゼルで走るジープニーが目立つが、新興地域のBGC内ではBYD製だけでなく、複数のメーカーのトランプゲームブラックジャックバスが走っている。

2024年10月24~26日にマニラ首都圏内のパサイ市で開催されたトランプゲームブラックジャックAPとDOE主催の「第12回フィリピン電気自動車サミット(PトランプゲームブラックジャックS)」でも、小型トランプゲームブラックジャックバスやトライシクルなど、公共交通機関や商用向けの展示が多かった。


PトランプゲームブラックジャックSで展示された小型トランプゲームブラックジャックバス(ジェトロ撮影)

なお、同サミットにはBYD、ACモビリティーズ(ACM)、上海汽車(MG)、ベトナムのビンファスト、日系では日産自動車、ホンダなどが出展した。BYDは2024年9月、マニラ首都圏のビジネス首都といわれるマカティ市内の商業施設グロリエッタに、ブランド体験ハブ拠点をオープンした。ビンファストは2024年5月31日にフィリピンでトランプゲームブラックジャック販売を開始し、マニラ首都圏に3店舗のディーラーをオープンしている。また、ACMは同サミットで、モバイル充電バン「Power on Wheels」を発表し、トランプゲームブラックジャック充電インフラ整備の需要獲得を目指している。


ACモビリティーズ(ACM)が発表した移動式トランプゲームブラックジャック充電器「Power on Wheels」(ジェトロ撮影)

電動二輪も輸入免税措置で販売拡大が進む

政府が推進するトランプゲームブラックジャック普及策の対象は四輪車だけではなく、二輪車も含まれており、各メーカーは輸入関税の免税措置でさらなる販売拡大に向けた取り組みを進めている。例えば、現地報道によると、ホンダがPトランプゲームブラックジャックSで展示したEM1 eは、家庭用充電器とバッテリーのセットで、希望小売価格を15万5,400ペソとして販売している。ホンダ・フィリピンの荒井清香社長は2024年9月、現地メディアに対し、「フィリピンの規制では輸入関税が0%とされており、生産への投資コストが輸入以上にかかるため、現在は輸入して販売を行っている」「今後の法規制が現地生産投資に有利になった場合は、国内市場向けの現地生産も検討したい」と述べている(2024年9月22日付「ビジネス・ワールド紙」)。 フィリピン貿易産業省(DTI)は、現地生産促進を目的に検討が続けられている「トランプゲームブラックジャックインセンティブ戦略プログラム(トランプゲームブラックジャックIS、2021年5月25日付地域・分析レポート参照)」について、前述のサミットで「2024年末までの発行を目指している」と語った。

一方、台湾の電動バイク大手ゴゴロは2023年11月、アヤラ財閥とグローブ傘下の917ベンチャーズとの提携を開始していたが、2024年10月に提携を解消すると報道された。同社は電動バイクの輸入や、販売、充電ステーションを運営していた。店舗などに設置したステーションでバッテリーを充電し、ユーザーは使用済みバッテリーと新しいバッテリーを交換して利用する仕組み。799ペソ〔300アンペア時(Ah)、走行距離最大420キロ)〕と999ペソ(500Ah、走行距離最大700キロ)のサブスクリプションプランに加え、1Ah当たり3ペソの個別追加プランも提供していた(2023年12月2日付「ユガモト」紙)。当初は最高級モデルの販売でブランドを確立後、5万ペソ前後の安価なモデルを展開する想定だった。20カ所近くあった充電スポットの多くは閉鎖される見通し。1台25万5,000~28万5,000ペソ(2024年10月10日付「インクワイアラー」紙)という設定がフィリピン市場には高価過ぎたとみられている。トランプゲームブラックジャック二輪車の輸入関税が免税になった後も、安価なモデルの販売には至っていない。

このように、トランプゲームブラックジャック普及策として輸入免税となるカテゴリーの対象範囲が拡大したことで、トランプゲームブラックジャック市場への参入が増えることが見込まれる。ただし、フィリピンは電力コストが高いこともあり、トランプゲームブラックジャック市場が順調に拡大するか、市場の拡大に伴って現地生産化が進捗するか、今後の注目のポイントとなりそうだ。


注1:
フィリピンの大手通信会社グローブ・フィンテック・イノベーションズが提供するEウォレットアプリ。
注2:
BGCは、ボニファシオ・グローバルシティーの略。マニラ中心部から南東11キロに位置する新興開発地区で、商業施設やホテル、オフィス、学校、病院などが集積する。
執筆者紹介
ジェトロ・マニラ事務所
西岡 絵里奈(にしおか えりな)
2016年、ジェトロ入構。途上国ビジネス開発課、ジェトロ・プノンペン事務所、ビジネス展開支援課、対日投資課DX推進チーム、ジェトロ島根を経て、2023年9月から現職。