GDP成長率予測、2024年は1.2%、2025年は1.6%の見通し

(スイス)

ジュネーブ発

2024年09月27日

スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は9月19日、2024年の実質GDP成長率予測(スポーツイベント調整後:注1)を1.2%、2025年を1.6%と発表した(プレスリリースPDFファイルPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、添付資料表参照)。前回6月の予測から、2024年は据え置き、2025年は0.1ポイント下方修正した。

2024年の実質GDP成長率(1.2%)は過去平均(1.8%、注2)を大きく下回る水準だ。特に欧州の他国での厳しい経済環境は昨今の通貨スイス・フラン高と相まって、景気や為替の変動の影響を受けやすいスイスの輸出産業に悪影響を及ぼしているが、第2四半期(4~6月)の成長率が例外的に好調だったことから、特に財貨の輸出は通年で堅調に伸びると予測される。また、前回予測時よりも消費者物価指数(CPI)上昇率が急速に低下しており、ペースは鈍化するものの、雇用が継続的に増加するとみられることから、国内経済は主に個人消費が牽引すると予測される。他方、産業設備の稼働率は低く、受注が低迷しているため、投資は減少する可能性が高いとされる。

2025年にかけては、特に欧州経済の緩やかな回復がスイスの輸出と投資を刺激するとみられることから、2025年の実質GDP成長率は1.6%と予測した。景気は緩やかに回復するものの、失業率の上昇を伴う可能性が高いとしており、失業率は前回予測の据え置きで、2024年は2.4%、2025年は2.6%とした。

2024年第2四半期の実質GDP成長率(季節、スポーツイベント調整後)は前期比0.5%で、2023年第1四半期(1~3月)以降6四半期ぶりに、四半期の統計データが入手可能な1980年第2四半期以降の平均(0.4%)を上回った(関連ブラック ジャック 賭け)。化学・製薬業が好調な輸出を背景に成長を牽引した。

(注1)スイスには、国際オリンピック委員会(IOC)、国際サッカー連盟(FIFA)、欧州サッカー連盟(UEFA)など主要国際イベントの本部があるため、イベント開催年に放映権収入がGDPを押し上げ、翌年はマイナスに作用するのが通例。このため、SECOはこの影響を除いた調整値を別途算出している。

(注2)年間の統計データが入手可能な1981年以降の平均。

(深谷薫、パブロ・ダス)

(スイス)

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