第2四半期GDP成長率は前期比0.5%、化学・製薬業が牽引
(スイス)
ジュネーブ発
2024年09月12日
スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は9月3日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率を前期比0.5%(季節、スポーツイベント調整後、注)と発表した(プレスリリース、添付資料表1参照)。2023年第1四半期(1~3月)以降6四半期ぶりに、統計データが入手可能な1980年第2四半期以降の平均(0.4%)を上回った。化学・製薬業が好調な輸出を背景に成長を牽引した。
第2四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前期比0.3%、政府消費支出は0.2%と、いずれも過去平均(それぞれ0.4%、0.5%)を下回るペースの緩やかな伸びにとどまった。個人消費は主に住宅や医療、レストラン・ホテルへの支出が下支えした。建設投資は0.5%で、過去平均(0.2%)を上回る水準を記録した一方、設備・ソフトウエア投資はマイナス1.4%と、前期のプラスからマイナスに転じた。特に自動車や機械、研究開発費への投資が減少した。財貨の輸出は6.9%と大きく伸び、サービスの輸出も1.5%と好調だった。全体でみると、財貨・サービスの輸出入が成長を牽引した。
産業別にみると、製造業は前期比2.6%増と好調だった(添付資料表2参照)。特に化学・製薬業が好調な輸出を背景に8.4%増と、2021年第1四半期(15.7%増)、同第2四半期(8.4%増)に次ぐ伸びを記録し、成長を牽引した。内需の停滞はサービス部門の緩やかな成長に反映されている。宿泊・飲食サービス業は国内外からの旅行客の増加により、2.7%増と好調だった。医療・社会福祉サービス業(1.1%増)、ビジネス関連サービス業(0.6%増)、公共サービス(0.3%増)も好調だった。他方、運輸・通信業は横ばい(0.0%増)で、卸売・小売業、自動車・オートバイ修理(1.2%減)、芸術・娯楽・レクリエーション業(0.3%減)ではマイナス成長となった。
(注)全て季節調整値。ただし、「GDP」「サービス輸出・輸入」「芸術・娯楽・レクリエーション業」については、季節調整に加えて、スポーツイベント調整後の数値。
(深谷薫)
(スイス)
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