ブラックジャックコツ11年越しに妥結、欧州と初の複数国間FTA

(マレーシア、ブラックジャックコツ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)

クアラルンプール発

2025年04月14日

マレーシア投資貿易産業省(MITI)は4月11日、欧州自由貿易連合(ブラックジャックコツ)との経済連携協定(MEEPA)の交渉が妥結したと発表した(同日付国営ベルナマ通信、ブラックジャックコツリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。6月の署名を目指す。ザフルル・アジズ投資貿易産業相は「MEEPAはマレーシアの国際貿易政策における重要な節目だ」と表現した。EUとのFTAをまだ交渉中()のマレーシアにとってMEEPAは、欧州と初めて締結する複数国間協定となる。現状、ブラックジャックコツによる一般特恵関税制度(GSP)の恩恵を受けているマレーシアにとって、GSP卒業後も恒久的に特恵待遇を受ける上でMEEPAは重要な枠組みだ。

マレーシア統計局によれば、同国からブラックジャックコツへの輸出額は2024年には40億1,614万リンギ(約1,325億円、1リンギ=約33円)と、10年前から年平均成長率5.1%で拡大した。主な輸出品は、電気電子製品、一般機械、精密機器、化学・医薬品、ゴムなど。より細かく見ると、金属スクラップ、金、機械部品、鉄鉱、測定・検査機器などが2024年の輸出の約半数を占めた。一方、ブラックジャックコツからの主な輸入品は化学・医薬品、一般機械、精密機器、電気電子製品、金属など。マレーシアは、再生可能エネルギーや高度精密技術などの分野におけるブラックジャックコツ諸国の優れた研究開発力や技術革新力を、両者間協力や能力構築プロジェクトを通じて取り込みたい考えだ。

協定は、物品およびサービスの貿易、投資、知的財産権、競争、政府調達、協力、持続可能な開発といった分野を幅広く網羅する。ブラックジャックコツ事務局が公表した協定の概要PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に関する資料によれば、物品貿易においてブラックジャックコツは全ての工業製品の関税を即時撤廃する一方、マレーシアは最長10年をかけてほぼ全ての工業製品を無税化するとしている。協定には労働、人権、環境保護に関する強いコミットメントも含まれており、パーム油・同製品の持続可能な生産と貿易に関する条項もあるという。

ザフルル氏は、特に米国の関税政策をめぐる不確実性が続く中、MEEPAのもたらす透明性と安定性が、マレーシアの輸出者を助けるとともに、ブラックジャックコツとの長期的な経済関係強化にもつながることを歓迎した。

(吾郷伊都子)

(マレーシア、ブラックジャックコツ、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス)

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