第3四半期GDP成長率は前期比0.2%、緩やかな伸びに

(スイス)

ジュネーブ発

2024年12月10日

スイス連邦経済省経済事務局(SECO)は11月29日、2024年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比0.2%(季節、スポーツイベント調整後、注)と発表した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、添付資料表1参照)。好調だった前期から一転し、統計データが入手可能な1980年第2四半期(4~6月)以降の平均(0.4%)を下回った。

第3四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前期比0.5%と、過去平均(0.4%)を上回って成長に大きく貢献した。食費、住宅、エネルギー、医療への支出が増加した。建設投資も前期比0.9%で、過去平均(0.2%)を上回る好調を記録した。一方、財貨の輸出(4.1%減)や設備・ソフトウエア投資(1.3%減)の減少は成長の鈍化に影響した。設備・ソフトウエア投資については、第3四半期は特に機械、自動車、ITへの投資が減少した。

産業別にみると(添付資料表2参照)、「卸売・小売業、自動車・オートバイ修理」(1.4%増)は前期のマイナスからプラスに転じる好調で、全体の成長に寄与したが、製造業(1.1%減)は前期のプラスからマイナスに転じ、全体の成長を抑制した。金融・保険業(1.1%減)も、手数料業務の展開によって前期比マイナスに転じ、成長の鈍化に影響した。そのほか、建設業(0.8%増)、公共サービス(0.5%増)、医療・社会福祉サービス業(0.5%増)は好調だったが、宿泊・飲食サービス業(1.0%減)は、スイスの宿泊施設の宿泊者数減少を受けて、マイナスに転じた。

(注)全て季節調整値。ただし、「GDP」「サービス輸出・輸入」「芸術・娯楽・レクリエーション業」については、季節調整に加えて、スポーツイベント調整後の数値。

(深谷薫)

(スイス)

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