2024年版IMD世界競争力ランキング、スイス2位、日本は38位へ後退
(スイス、日本、世界)
ジュネーブ発
2024年06月26日
スイスのビジネススクールの国際経営開発研究所(IMD)は6月18日、世界競争力ランキング2024を発表した。前年調査で4位だったシンガポールが4年ぶりに1位に返り咲き、スイスは3位から順位を上げて2位となった。前年調査で首位だったデンマークは3位に後退し、日本も3つ順位を落として38位となった(添付資料表参照)。人口2,000万人以上の国・地域を対象にしたランキングでは、首位が台湾、米国が2位、オーストラリアが3位で、日本は15位だった。
同ランキングは67カ国・地域を対象に、各国・地域の競争力について、「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4カテゴリー(合計20項目)の336の指標でスコア付けしている。評価基準のうち3分の2が測定可能な数値データを、3分の1が企業幹部などへの調査回答を基にしている。ランキング発表が開始されたのは1989年で、今回の調査から新たにガーナ、ナイジェリア(2024年版IMD世界競争力ランキング、カジノ)、プエルトリコ(同日記事参照)の3カ国が加わった。
項目別にみると、スイスは「政府の効率性」「インフラ」の2つのカテゴリーで首位になった。特にこれらカテゴリーに含まれる政府の財政状況や、中央銀行など制度的枠組み、健康・環境、教育が首位を占め、高く評価された。「経済パフォーマンス」(前年18位、今回12位)「ビジネスの効率性」(前年7位、今回5位)のカテゴリーでも、それぞれ前年調査から順位を上げたが、生活コストや賃料、食料コストなどを含む価格の項目では、前年調査の56位から順位を落とし、61位と引き続き低評価だった。
日本は、国内経済や雇用、科学インフラの項目が10位以内にランクインして高く評価されたものの、政府の財政状況や企業の経営慣行の項目の評価が前年調査よりもさらに順位を落とし、それぞれ64位、65位と特に低かった。
前年調査から5つ以上、大きく順位を上げたのは、オーストラリア(13位、前年調査からの順位の変化6)、中国(14位、同7)、韓国(20位、同8)、タイ(25位、同5)、インドネシア(27位、同7)、ラトビア(45位、同6)、ヨルダン(48位、同6)だった。
(深谷薫)
(スイス、日本、世界)
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