与党・モザンビーク解放戦線はシャポ氏を大統領候補者に選出

(モザンビーク)

マプト発

2024年05月27日

モザンビークは、2024年10月9日に大統領・国会議員・州議会議員選挙を予定している。現政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)は、5月3日から5日にかけて党大会を開催し、党員投票によって、2016年からイニャンバネ州の知事を務めるダニエル・シャポ氏を大統領候補に選出した。FRELIMO党首を務めるフィリペ・ニュシ現大統領は2期目の満了を迎えるため(2期が上限)、FRELIMOの候補者は大統領選における最有力候補と目されており、国内メディアの注目が集まっていた。

党首に次ぐ役職のロケ・シルバ書記長や、ジョゼ・パチェコ元内務相など、党内有力者や中央政権の経験者が有力とされる中、主に地方行政の場で経験を積んでいたシャポ氏の選出は、驚きをもって報道された。モザンビークの独立系メディアに所属するジャーナリストは、FRELIMO内で候補者をめぐりニュシ大統領と党の重要機関である中央委員会との意見が分かれる中、折衷案としてシャポ氏が擁立されたと分析している(「クラブ・オブ・モザンビーク」5月7日、「カルタ・デ・モザンビーク」5月8日)。他方、1977年生まれのシャポ氏が大統領選に当選すれば、モザンビーク初の独立(1975年)後に生まれた大統領となることから、市民からは世代交代が進んでいるとして好意的に受け止められている。

また、5月5日に野党第2党のモザンビーク民主運動(MDM)が党大会でルテロ・シマンゴ党首を大統領候補に選出し、同月16日には野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)がオスフォ・モマデ党首を候補に選出した。なお、同党のベナンシオ・モンドラーネ議員は、2023年の地方自治体選挙で民衆からの支持を集め、大統領候補への意欲を見せていたが(2024年1月22日記事参照)、4月に実施された大統領候補の立候補要件を含む党紀改定により、同議員は要件を満たさなかった。

(松永篤)

(モザンビーク)

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