モザンビーク、地方選挙に向け準備が進む
(モザンビーク)
マプト発
2023年09月21日
2023年10月11日に実施予定の地方選挙に向け、モザンビークの国家選挙管理委員会(CNE)、各政党による準備が進められている。地方選は首都マプト市を含む全国65の地方自治体で実施され、自治体の議員は住民による直接選挙方式で行われる。自治体首長には、最多得票政党の選挙人名簿最上位者が就任する。9月7日に立候補政党の審議が終了し、22の政党・団体の参加が決まった。
政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)、野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)、第2党のモザンビーク民主運動(MDM)のみが全ての自治体に候補者を擁立する。これら主要3政党のうち、RENAMOでは党内の反体制派が分離し、新党として民主革命(RD)を結成した。RDは、8自治体に候補者を立てる予定だ。
53自治体で行われた前回2018年の地方選では、FRELIMOが44自治体で勝利した。その他、RENAMOは8自治体、MDMは1自治体において最多得票を獲得した。野党が勝利した自治体はモザンビーク中部・北部に分布しており、首都マプトがある南部から離れるにつれ、与党への支持が弱まる傾向にある。前回MDMが勝利した中部ソファラ州の州都ベイラ市では、8月20日にMDM支持者とFRELIMO支持者との間で衝突が発生するなど、一部地域で混乱が発生している。
なお、2024年10月9日には大統領・国会議員選挙が実施される予定で、憲法規定(1期5年、最長2期)により現職のフィリペ・ニュシ大統領に代わる新大統領が選出される見込みとなっている。近年の政治動向や国内情勢において、政権の行方を左右するような政治的事象は発生しておらず、与野党勢力図が大きく変わることはないと予想されているが、今回の地方選挙は各地域における与野党の支持層分布を観測する指標として注目される。
(松永篤)
(モザンビーク)
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