地方選挙結果を訂正、野党勝利の自治体が増加

(モザンビーク)

マプト発

2023年12月12日

モザンビーク憲法評議会は11月24日、地方自治体選挙(10月11日投票)の結果と選挙不正の有無に関する裁定を発表し、選挙管理委員会(CNE)が10月26日に発表した選挙結果の一部を訂正した。

CNEが発表した選挙結果では、政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)が全65自治体中64自治体で勝利し、野党第2党のモザンビーク民主運動(MDM)が1自治体で勝利、野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)が全敗となっていた(2023年10月30日記事参照)。この結果に対し、RENAMOなどが複数の自治体でのFRELIMOの得票数水増しにつながる選挙不正を訴え、一部の地方裁判所は該当自治体の選挙やり直しを認める裁定をしていた。これを不服としたCNEやFRELIMOの反訴や、野党からの上訴を受け、選挙法での最高機関の憲法評議会が審理を実施していた。

11月24日に憲法評議会が発表した最終結果は、FRELIMOが56自治体で勝利、RENAMOが4自治体で勝利、MDMが1自治体で勝利だった。勝利政党が覆ったのは、キリマネ、アルト・モロクエ(以上、ザンベジア州)、チウレ(カーボデルガード州)、ビランクーロ(イニャンバネ州)の4自治体で、いずれもRENAMOが勝利政党となった。

このほか、首都マプト市を含む5つの自治体で、再集計により各政党の得票数と獲得議席数が訂正され、いずれの自治体でもFRELIMOの議席数が減り、野党のRENAMOまたはMDMの議席数が増えた。憲法評議会は今回の地方選で不正があったことを認め、CNEなど選挙管理機関に対し、選挙プロセスでの順法の徹底、責任・役割の明確化を求めた。

また、憲法評議会は、グルエ、ミランジェ(以上、ザンベジア州)、マロメウ(ソファラ州)、ナカラ・ポルト(ナンプラ州)の4自治体で再選挙を命じた。モザンビーク閣僚評議会は11月28日、再選挙の日程を12月10日と決定し、同日に実施された。

(松永篤)

(モザンビーク)

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