地方選挙の結果発表、不正巡り係争続く
(モザンビーク)
マプト発
2023年10月30日
モザンビーク選挙管理委員会(CNE)は10月26日、同月11日に実施された地方自治体選挙の結果を発表した。それによると、首都マプト市や各州の州都を含む全65自治体が対象となった今回の選挙で、政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)が64自治体で最多得票政党となり勝利した。野党第1党のモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)は、前回の地方選(2018年、53自治体で実施)で中部・北部を中心に8自治体で勝利したが、今回は全敗となった。野党第2党のモザンビーク民主運動(MDM)は中部ソファラ州都ベイラ市で勝利した。
一方で、結果集計の透明性や選挙不正の有無などを巡り、野党の異議申し立てに関する係争、選挙監視団や市民団体からFRELIMOと「政権寄り」とされるCNEに対する非難が現在(27日時点)も続いている。マプト市の選挙区のカンプーモ地区では、RENAMOによる地区選挙管理委員会による集計結果改善の訴えが受理され、地方裁判所は17日、同地区での再選挙を命じる裁定を出した。
マプト市での得票について、RENAMOとモザンビークの政策系NGO「公共誠実性センター(CIP)」はともに、複写した投票用紙をカウントした結果、RENAMOが勝利したと主張している。マプトに隣接するマトーラ市や、北部の中核都市ナンプラ市など、複数の自治体でも同様に、CNEの集計結果と、野党・市民団体の勝利政党の主張に差異が見られる。加えて、複数の地方裁判所が各自治体での不正を認定し、CNEも選挙違反が発生していたことを認めるなど、今回発表された公式結果の一部は信頼性が疑問視されており、混乱が続いている。一連の裁判所決定に対し、FRELIMOやCNEは選挙の最高機関の憲法評議会に上訴している。憲法評議会はCNEの公式結果発表後に再選挙などの実施を決定するとしており、今後の動向が注目される。
(松永篤)
(モザンビーク)
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