タイ政府がEV生産・普及支援補助金の予算案を閣議承認
(タイ)
バンコク発
2022年09月09日
タイ政府は8月23日、タイ財務省が提案した、電気自動車(EV)の生産・普及を支援するための補助金にかかる29億2,397万バーツ(約111億1,109万円、1バーツ=約3.8円)の予算案を閣議承認した。また、EVメーカーや関係者が、補助金の受給資格を得るため順守すべき同省物品税局の規則・条件も併せて承認した。
EV支援策は、タイのバッテリー電気自動車(BEV)の産業競争力の向上を目的とする。具体的には、BEVの購入に補助金を拠出し、BEVの価格を従来の内燃機関(ICE)自動車と同等まで引き下げ、タイ国民のBEV購入増と利用率上昇、またメーカーのBEV増産を推進する。
【BEV補助金の対象と金額】
〇希望小売価格が200万バーツを超えない乗用車(10席まで)
(1)バッテリー容量が10キロワット時(kWh)以上、30kWh未満:7万バーツ
(2)バッテリー容量が30kWh以上:15万バーツ
〇希望小売価格が200万バーツを超えないピックアップトラックで、バッテリー容量が30kWh以上:15万バーツ
〇希望小売価格が15万バーツを超えない二輪車:1万8,000バーツ
補助金を申請する事業者は、国内で製造するBEVメーカーや、正規代理店である輸入業者などの必要がある。事業者は、物品税局に希望小売価格の通知を行う。また、物品税の規則・条件を順守し、違反した場合は(年率7.5%の利子を付加した上で)補助金を返還する同意書に署名する必要がある。
2022年度に物品税局が承認した補助金対象申請者は5社で、そのうちBEV自動車メーカーは(1)SAICモーター・CP(上汽正大、MGブランド)、(2)グレートウォールモーターズ(長城汽車タイ、GWMブランド)、(3)トヨタ・モーター・タイランド、(4)NETAオート・タイ(合衆新能源汽車)の4社。BEV二輪車メーカーはDecoグリーンエナジーの1社だった。
補助金の予算内訳をみると、四輪車で1万8,100台、二輪車で8,800台の購入が見通されているほか、デザインや開発プロジェクトへの支援にかかる拠出も計上されている。
(北見創、シリンポーン・パックピンペット)
(タイ)
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