イラン、ロシア、トルコ3首脳がアスタナサミットでシリア情勢について会談

(イラン、米国、ロシア、トルコ)

テヘラン発

2022年07月22日

イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領と、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の3首脳は719日に、シリアの最近の状況やテロ対策強化について意見交換を行うため、テヘランで「第7回アスタナ和平プロセスサミット」(注)を開催した(7月20日付IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

会談後、3首脳は16項目からなる共同声明を発表した(7月20日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。声明では、危機の平和的かつ持続可能な解決に向けたアスタナプロセスの主導的役割について述べるとともに、軍事的解決ではシリアの紛争は解決できないことを強調。また、あらゆる形態のテロと闘うために引き続き協力していく決意を表明し、シリアの主権と領土保全の重要性や、シリア政府が国全体に対して主権を持つことの重要性にも触れた。さらに、いかなる口実の下でも東ユーフラテス地域に米国人(この場合は、主に米軍を指す)が存在することは正当化できず、その地域から撤退すべきと述べた(7月20日付IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

プーチン大統領は、今回のサミットは有益で豊かなものであり、3首脳で重要な問題の見直しができたと評価。シリアの国の統一と領土保全が尊重されるべきで、この危機は政治的解決を通じて回避できるため、3首脳で今後もこのアスタナ形式の協議を継続し、テロとの闘いを継続することで同意したと述べた。また、シリアに駐留する外国軍は撤退し、ユーフラテス川の東はシリア政府の支配下に置かれるべきと付け加えた。さらに、イランの核開発に関する「包括的共同行動計画(JCPOA)」にも言及し、2015年に合意した全ての当事者がそれを維持して復活させるべきだと述べた(7月20日付IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

エルドアン大統領も、3カ国首脳でシリア危機から抜け出す唯一の方法は政治的解決という考えを共有したとし、アスタナサミットはシリアの平和と安定を促進する最も効果的な措置と強調した。また、他の協力可能なパートナーにも、持続可能な解決に達するための政治的協議を迅速に行うべきだと述べた(7月20日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(注)シリア情勢について協議するため、3カ国のイニシアチブで、201711月に初回会合がカザフスタンのアスタナ(当時の名称)で開催されたことから命名。「アスタナプロセス」とは、シリア情勢の緊張緩和に向けた政策的な枠組みのこと。

(鈴木隆之)

(イラン、米国、ロシア、トルコ)

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