ブラック ジャック ストラテジー

(スイス、リヒテンシュタイン)

ジュネーブ発

2020年11月10日

2020年で4回目となるスイスのブラック ジャック ストラテジースイス・デジタル・デー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が11月1~3日に開催された。主催者のデジタルスイス(注)によると、会期中、スイスやリヒテンシュタインの26都市で500以上の無料イベントが開催されたが、前回(2019年9月17日記事参照)までとは異なり、今回は新型コロナウイルス感染防止対策からほとんどのイベントがオンラインでの実施となった。主催者の発表によると、参加者は現地とオンラインで合わせて約8万人になったとのことだ。今回のトピックは、民主主義と政府、教育と新しい労働、環境とエネルギー、健康とヘルスケア、インフラとモビリティ、セキュリティと安全、社会とメディア、技術と製造業、の8つとなった。

会期中、トピックに沿って、スイスの産学官を代表するメンバーに対するインタビューが行われた。主な内容は以下のとおり。

  • 連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)教授兼ディズニーリサーチスタジオ所長のマーカス・グロス氏は、イノベーションの拠点としてのスイス、チューリッヒの魅力について語った。同スタジオは設立12年目となり、ハリウッドやシリコンバレーから離れたスイスで、ストリーミングプラットフォーム開発のための基礎研究やデジタル人材の育成に取り組んでおり、欧州随一のETHZの学生と共同体制で研究に取り組んでいる。今後、デジタル技術は教育、医療、観光、富裕層の資産運用などにも応用範囲を広げていくとの見通しを示した。
  • アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のスイス・カントリーマネジャー、イボンヌ・ベットコーバー氏は、クラウドサービスを提供するAWSが2022年後半にスイス国内にデータセンターを開設予定であることを明らかにした。
  • ギー・パルムラン経済・教育・研究相は、スイスの教育とデジタル化について、情報セキュリティやソーシャルネットワークに関する学習機会の提供、教育現場・職業訓練におけるデジタル技術のさらなる活用、全年齢層や社会層に対するデジタル教育の提供の必要性について語った。
  • イグナツィオ・カシス外相は、外交戦略上、デジタル政策に取り組み、スイスのイニシアチブを発揮することの重要性を説明し、デジタル関連の規制の国際整合化、デジタルガバナンスの確立、デジタル分野での人権といった課題を挙げた。

上記のインタビューを含めて、会期中のイベントの動画などはデジタル・デーのウェブサイト上で公開されている。また、会期前後の期間にはサイドイベントも行われ、デジタル分野の体験機会を増やす工夫がされていた。

(注)スイスのデジタル化を推進するため、2016年に創設された産学連携組織。UBS銀行、スイス国鉄(SBB)、スイスコム、ETHZなど150社が参加している。

(和田恭)

(スイス、リヒテンシュタイン)

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