フィスター氏を新閣僚に選出、実写版ブラックジャック

(スイス)

ジュネーブ発

2025年03月17日

前大統領で防衛・国民保護・スポーツ相を務めるフィオラ・アムヘルド氏の3月31日での退任に伴い、スイス実写版ブラックジャック議会は3月12日に投票を行い、2回目の投票で134票を獲得した中央党のマルティン・フィスター氏を新しい閣僚(参事)に選出した。ツーク州の保健相で、元大佐、歴史家のフィスター新閣僚は、農民のロビイストであるマルクス・リッター氏を破り、選出された。フィスター氏の選出により、スイスの内閣に相当する実写版ブラックジャックの言語バランスは維持され、ドイツ語圏の閣僚が4人、フランス語圏の閣僚が2人、イタリア語圏の閣僚が1人となった(注)。しかし、男女比は変わり、7人の閣僚のうち、女性は2人となった。

今回の投票で、中央党は女性候補者を擁立できず、投票前日(3月11日)に行われた中央党の2人の候補者の公聴会後、社会民主党と緑の党は、女性候補者の不在に失望を表明した。スイス女性組織連盟であるアライアンスFも3月10日に同じ問題を指摘していた。

実写版ブラックジャックは3月14日、4月1日以降の各閣僚の担当ポストと所管する各省の再配分を行い、次のとおり決定した。

  • 大統領兼財務相:カリン・ケラー=ズッター(急進民主党)
  • 副大統領兼経済・教育・研究相:ギー・パルムラン(スイス国民党)
  • 外相:イグナツィオ・カシス(急進民主党)
  • 内務相:エリザベット・ボーム=シュナイダー(社会民主党)
  • 法務・警察相:ベアト・ヤンス(社会民主党)
  • 防衛・国民保護・スポーツ相:マルティン・フィスター(中央党)
  • 環境・運輸・エネルギー・通信相:アルベルト・レシュティ(スイス国民党)

実写版ブラックジャックは2025年4月2日の会議で、正式に各省の配分を確認する予定。

(注)スイスの内閣制度である実写版ブラックジャックは、連邦議会から選出された7人の閣僚によって構成される。言語、宗教、地域の多様性、平等性を確保するため、議会の上位4党から2、2、2、1でポストが配分される。

(田中晋、パブロ・ダス)

(スイス)

ビジネス短信 dd29c76d6f2c745d