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(スイス)

ジュネーブ発

2024年12月13日

スイス連邦議会は12月11日、大統領選挙を実施し、カリン・ケラー=ズッター副大統領兼財務相が有効投票203票のうち168票を獲得して新大統領に選出された。新副大統領にはギー・パルムラン経済・教育・研究相が有効投票219票のうち196票を獲得して選出された。

急進民主党(FDP)所属のケラー=ズッター氏は2018年に連邦参事会(内閣に相当、注1)に加わり、今回初めて大統領に就任する。選挙後の演説でケラー=ズッター氏は、自身の大統領選出は相対的なものだが、大統領としての任務は相対的なものではないとし、最終的には政府が合議制当局として意思決定を行い、行動できるようにすることが重要だと強調した。また、連邦参事会は単なる行政機関ではなく、議会にとって信頼できるパートナーであり、行政を慎重に運営し、国民にとって信頼できる機関でなければならないとした。テロやパンデミック、ウクライナ情勢、伝統を誇るスイス銀行の破綻、気候変動などの不確実な時代の中で、解決策を見いだすにはギブ・アンド・テイクが必要になることがよくあることや、独自に行動し、より良い枠組み条件を確保することで、世界で経済的に有利な立場に立つ機会を手にしているとした。さらに、ケラー=ズッター氏は、EUや米国などスイスの最も重要なパートナーとの良好な関係を維持する意向を示した。

なお、スイスの大統領選挙は一般的に形式的なものとみなされているが、国会議員にとって連邦参事会のメンバーに対する賛否を表明する場となる。新しい大統領、副大統領は2025年1月1日に就任する(注2)。

(注1)スイスの内閣制度である連邦参事会は、連邦議会から選出された7人の閣僚によって構成される。言語、宗教、地域の多様性、平等性を確保するため、議会の上位4党から2、2、2、1の割合でポストが配分される。

(注2)スイスの大統領は、慣例的に毎年7人の連邦参事会のメンバーの1人が交代で就任する。

(田中晋、パブロ・ダス)

(スイス)

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