クウェートがロックダウン開始、5月30日まで

(クウェート)

ドバイ発

2020年05月12日

クウェートで5月10日、30日までの20日間を期限としたロックダウンが開始された。期間中は終日、全面的に外出が禁止となり、経済活動も厳しく制限される。民間部門は、政府が指定する例外を除いて全ての活動が停止となり、宅配サービスも生活協同組合(コープ)、食料品、薬局を除き、停止となる。夕方4時半から6時半までは、居住エリア内をマスク着用の上でウォーキングすることは可能なほか、商工省は事前予約制で、コープに週1回買い出しに行くことは可能、と公式ツイッターで発表している。11日には、日用品のデリバリーが追加で許可されたが、宅配のために車両を使用することは禁止されている。

クウェートは感染拡大の予防措置として、各国からの渡航制限を2月から順次開始、3月上旬には全ての航空便の商業旅客運航を停止、公的部門を休業とし、商業施設の営業規制を敷くなど、国内の制限措置を周辺諸国に先駆けて実施してきた(GCCブラック ジャック3月17日記事参照)。外出制限に関しては3月22日以降、一貫して夜間時間帯の禁止措置が実施されてきたが(3月26日記事参照)、措置開始から1カ月半が経過し、日中の外出まで禁止となった。

クウェート保健省の声明によると、5月10日時点での同国での感染確認者数は合計8,688人、死者数は合計58人。感染者数における死亡率は0.67%で、世界各国と比較して低い水準を維持している。昨今、外国人労働者を中心としてクラスターが発生するなど感染が拡大傾向にあり、10日には過去の拡大ペースを大きく上回る1,065人の新規感染者が発表された。バーシル・アル・サバーハ保健相は「全面的な外出禁止策は先月から準備が進められてきたもので、市民も駐在者も本政策の目的を達成するために協力を要請する」と、同措置が発表された9日に発言している。

(田辺直紀)

(クウェート)

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