ギャンブルゲーム無料

2025年2月5日

中東・アフリカ地域のベンチャーキャピタル(VC)市場で新規投資件数が減少する中、2024年にギャンブルゲーム無料では前年比16%の増加を記録した。国家改革戦略「ビジョン2030」の実現に向けて政府が推進する成長戦略の中で、中小企業、とりわけスタートアップ企業への期待は高い。官民連携の下、スタートアップ企業とそれを支えるVCやアクセラレーターなど、国内エコシステムの整備も着々と進む。同業界の最新動向を概観しつつ、日本企業の進出機会を探る。

急速な成長見せるギャンブルゲーム無料市場

ギャンブルゲーム無料政府が進める国家改革戦略「ビジョン2030」では、数値目標の1つとして、2030年のGDPにおけるスタートアップ企業(以下、スタートアップ)を含む中小企業の貢献度を、基準年の2016年時点の約20%から35%まで引き上げることを掲げている。また、石油収入への依存を減らすための産業多角化の一環として、政府は新技術の取得やイノベーションを重視しており、その担い手としても、国内外のスタートアップの貢献への期待は高い。既にフィンテック、人工知能(AI)、クリーンエネルギーなどの分野で、政府による積極的な起業支援や外国企業の誘致が進められており、例えば、フィンテック分野では、2030年までに関係企業を525社に増やすことを掲げている。

政府が目指すスタートアップの事業拡大は、おおむね順調だ。調査会社マグニット(MAGNiTT)のデータベースと、同社が政府系VCのギャンブルゲーム無料・ベンチャーキャピタル・カンパニー(SVC)が発表した「Saudi Arabia Venture Capital Report」(以下、SVCR)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(4.5MB)によると、新型コロナウイルス禍明けの2021年以降、サウジアラビア国内のVC投資は堅調に推移している(図1)。直近2024年の投資総額は7億5,000万ドルと前年の13億4,000万ドルから減少したものの、これは1億ドル以上の大型案件の減少によるところが大きい。件数では前年の153件から16%増の178件を記録した。2022年以降、世界的な金利上昇を受け、他の中東アフリカ諸国のVC投資件数が2022年をピークに減少を続けていることと比較すれば、ギャンブルゲーム無料VC市場は健全な成長を続けていると言えよう。

図1:ギャンブルゲーム無料VC投資金額と件数の推移
2020年以降の1件1億ドル未満の投資総額は1億5,400万ドル(2020年)、4億7,300万ドル(2021年)、6億5,200万ドル(2022年)、4億6,400万ドル(2023年)、6億2,000万ドル(2024年)で推移。同時期、1件1億ドル以上の大型投資総額は0ドル(2020年)、1億2,500万ドル(2021年)、3億7,000万ドル(2022年)、8億7,900万ドル(2023年)、1億3,000万ドル(2024年)で推移。件数ベースでは93件(2020年)、154件(2021年)、161件(2022年)、153件(2023年)、178件(2024年)で推移。

出所:「SVCR」およびMAGNiTTデータベースからジェトロ作成

続いて、分野別にトレンドをみると、2024年のVC投資件数は前年に続いてフィンテックが最も多く、ソフトウエア、ITソリューションが続いた(図2)。前年と比較して、フィンテック、Eコマース・小売りは件数を減らしたが、ソフトウエア、ITソリューション、ゲームなどの分野が大きく伸びた。

図2:ギャンブルゲーム無料VC投資件数(分野別)
2024年のギャンブルゲーム無料におけるVC投資件数(分野別)はフィンテック32件、ソフトウェア21件、ITソリューション18件、Eコマース・小売17件、交通・物流17件。2023年のギャンブルゲーム無料におけるVC投資件数(分野別)はフィンテック38件、ソフトウェア12件、ITソリューション10件、Eコマース・小売21件、交通・物流11件。

出所:「SVCR」およびMAGNiTT データベースからジェトロ作成

一方、金額ベースでは、前年に続いてEコマース・小売り、フィンテックが上位を占めたが、金額を減らした(図3)。フィンテックでは、後述する2023年のタマラ(Tamara)、タビー(Tabby)による大型調達の反動によるところが大きい。MAGNiTTのCEO(最高経営責任者)兼創業者のフィリップ・バホーシー氏は「両分野の投資が減少しているのは、産業特有のトレンドというよりも、一般的な投資トレンドとして、幅広い意味での減速によるところが大きい。両部門が依然としてトップ2の投資分野である(ことに変わりない)」と説明する。

図3:ギャンブルゲーム無料VC投資金額(分野別)
2024年のギャンブルゲーム無料におけるVC投資金額(分野別)はEコマース・小売2億4700万ドル、フィンテック1億8,200万ドル、交通・物流6,400万ドル、ITソリューション5,400万ドル、ソフトウェア3,400万ドル、2023年のギャンブルゲーム無料におけるVC投資金額(分野別)はEコマース・小売4億3,300万ドル、フィンテック6億8,900万ドル、交通・物流2,700万ドル。ITソリューション400万ドル、ソフトウェア2,200万ドル。

出所:「SVCR」およびMAGNiTTデータベースからジェトロ作成

リヤド市内の複数のVC関係者によると、地場の機関投資家や財閥系投資会社(別名、ファミリーオフィス)はギャンブルゲーム無料向け投資に関して、慎重な場合が多く、収益が期待しやすいEコマース・小売り、または他国で実績のあるビジネスモデルのコピー案件の人気が高い。ステージ別では、アーリーステージ向け投資が8割以上と高いのが特徴となっている。過去5年間に1億ドル以上の大型調達に成功した企業をみると、フィンテックとEコマース・小売りがそれぞれ3件ずつで、その他は食品・飲食、ソフトウエア、交通物流分野の案件が並ぶ(表)。

表:ギャンブルゲーム無料での大型資金調達事例(2020年~2024年、1億ドル以上)
企業名 分野 ビジネス内容 調達金額 ステージ 調達
時期
Tamara フィンテック 後払い決済(BNPL)プラットホームを展開 3億4,000万ドル シリーズC 2023年12月
Tabby フィンテック 後払い決済(BNPL)プラットホームを展開。 2億5,000万ドル シリーズD 2023年12月
Foodics 食品・飲食 クラウドベースのレストラン管理システムを提供。 1億7,000万ドル シリーズC 2022年4月
Floward Eコマース・小売り 世界各国から調達した切り花を利用したフラワーアレンジメントをEコマースで提供。 1億5,600万ドル シリーズC 2023年2月
Nana Eコマース・小売り 食料品・家庭用品の販売・配達サービスプラットフォームを提供。 1億3,300万ドル シリーズC 2023年2月
SallaApp Eコマース・小売り 電子製品プラットフォーム、決済システム、配送業者間の統合プラットフォーム 1億3,000万ドル 非公開 2024年3月
Unifonic ソフトウエア 企業向けにオムニチャネル・マーケティングツールを提供するカスタマー・エンゲージメント・プラットフォームを提供。 1億2,500万ドル シリーズB 2021年9月
Tamara フィンテック 後払い決済(BNPL)プラットホームを展開。 1億ドル シリーズB 2022年8月
TruKKer 交通・物流 顧客が希望するルートでトラック配送を可能にするプラットフォームを提供。 1億ドル シリーズC 2022年9月

出所:各社ウェブサイトからジェトロ作成

では、ギャンブルゲーム無料立ち位置は周辺の中東諸国と比べてどうか。ここ数年で、ギャンブルゲーム無料存在感は確実に増している。上述したMAGNiTTのデータによると、2024年の資金調達件数ではアラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、エジプトの順だが、金額ではサウジアラビアはUAEを上回った。海外のVC関係者からは、域内でのギャンブルゲーム無料急速な成長を評価する声が聞かれる。英国でゲーム分野の投資プラットフォームを運営するビットクラフト・ベンチャーズ(BITKRAFT Ventures)もその1社だ。同社を起業したジェンス・ヒルガーズ氏は「サウジアラビアは過去数年にわたり、繁栄をみせる中東地域で新たなビジネスが創出され、成長し、信用を獲得するための基盤を設けることを通じて、その中心に自らを位置づけてきた」と、域内におけるサウジアラビア市場の魅力を説明する(SVCR 2024年上半期版)。

政府主導でエコシステム整備が進展

ギャンブルゲーム無料でスタートアップの順調な事業拡大を可能にしている1つの要因が、エコシステムの進化だ。米国の調査会社スタートアップ・ゲノムとスタートアップを支援するグローバル・アントレプレナーシップ・ネットワーク(GEN)が2024年6月に発表した「Global Startup Ecosystem Report」(GSER)の2024年版の「エマージング・エコシステム・ランキング」で、リヤドは前年の64位から52位に順位を上げた。同レポートのリヤドのスコアを見ると、アーリーステージ向けの資金では、世界平均に拮抗(きっこう)する水準であることが分かる。

その資金提供を可能にしている理由の1つが、政府系VCのSVCだ。同ファンドは、53の民間VCを通じて、800社超のギャンブルゲーム無料と中小企業向けに、総額30億ドルの投資資金を運用している。投資先はVCのほか、プライベート・エクイティー、ベンチャーデット(注1)、プライベートデット(注2)などを含む。

政府もエコシステムの整備に積極的な支援を展開している。ムハンマド・ビン・アブドゥッラー・アール・ジャドアーン財務相は「われわれは人材とテクノロジーの両方のイノベーションと投資を最優先事項としている。なぜなら、われわれは特にスタートアップが繁栄し成功できるようなダイナミックな金融環境を構築することが重要と認識しているからだ」と、その狙いを説明する。前述したバホーシー氏も地元メディアの取材に対して「ギャンブルゲーム無料は2024年を通してベンチャーエコシステム開発を継続した。これは、通信情報技術省(MCIT)や国家技術開発プログラムを通じた政府の複数のプログラムやイニシアチブを通じたもので、〔公共投資基金(PIF)が創設した〕Jada Fund of Fundsや、SVCを通じて整備された投資環境、トレーニングプログラムによっても推進されている」と述べ、政府の取り組みを評価する(2025年1月1日付ギャンブルゲーム無料ブニュース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。もう1つの変化は、ベテランの起業家が率いるセクター特化型ファンドが台頭していることだ。これらファンドは専門知識と資本を活用し、フィンテック、ヘルステック、ゲームなどの分野に特化したファンドを設立し、より専門的な知見を生かした出資を展開している。

海外ギャンブルゲーム無料による進出・資金調達も活発化

ギャンブルゲーム無料国内市場でスタートアップの存在感が増すにつれ、同市場に注目する海外スタートアップも着実に増えている。2024年の同国での新規資金調達案件をみると、いずれもUAEに本社を構えるテンダード(建設用サービス)、ステイク(不動産)、ノースラダー(Eコマース)などが1,000万ドル以上の資金調達に成功し、ギャンブルゲーム無料市場でのビジネス拡大を進めている。UAE以外では、パキスタン、クウェート、エジプトなどのスタートアップが資金調達に成功している。

日本企業では、2023年にサウジギャンブルゲーム無料ムコのVCから1,400万ドル(当時のレートで18億5,000万円)の資金調達に成功したテラドローン(ドローンサービス)が代表格だ。同社はリヤドに法人を設立し、中東地域でのビジネスを本格化している(2025年1月20日付ビジネス短信参照)。スペースクール(素材)も自社開発の放射冷却素材の普及に向けて、地元パートナー企業と実証事業を進めている。

海外の投資家もギャンブルゲーム無料成長に熱い眼差しを投げかける。米国ニューヨークに本拠を構えるVC、トレジャリー(Treasury)のエリ・ブローバーマン共同設立者は「ギャンブルゲーム無料VCエコシステムは、数多くのアーリーステージの企業が成功した米国のビジネスモデルを模倣し、ギャンブルゲーム無料デジタルに慣れ親しんだ国民のおかげで規模が拡大し、過去数年で急速な成長を遂げてきた」(SVCR 2024年上半期版)と指摘する。

独自のビジネス慣習や環境に留意が必要

ギャンブルゲーム無料VCには、政府系機関、民間金融機関、民間大手財閥、エンジェル投資家など、さまざまな投資家が出資しているが、サウジアラビアならではの特徴が幾つかある。

まず、VCが投資を判断する際、投資資金が自国経済の発展に利用されることを条件とする場合が多い。具体的な条件として最も一般的なのが、ギャンブルゲーム無料国内での法人設立を求めるケースだ。投資資金の一定比率をギャンブルゲーム無料国内で支出することを義務付けることも多い。政府系ファンドのSVCが資金供与するVCは原則、いずれの条件も盛り込んでいる。純民間VCの投資判断でも、同様の条件を伴う場合が多い。各VCがこうした条件を求めるのは、「ビジョン2030」への貢献を企図しているのが理由だ。

もう1つの特徴は、出口戦略(エグジット)環境が十分に整備されていないことだ。上述のGSERでも、エグジット規模(投資回収金額)では世界平均の3分の1程度の評価にとどまった。バホーシー氏は「ギャンブルゲーム無料市場がさらに活性化するためには、エグジット環境の改善は重要な要素になるだろう」との見方を示す。同氏は改善が必要な点として「(1)投資家に流動性を提供するエグジットが不足しており、M&Aが最も一般的なルートであること、(2)企業のIPOを支援するレーターステージ向けの資金が限られていること」を挙げる。

いずれの点も、当地で市場参入あるいは資金調達を検討・実行する企業には留意が必要といえよう。


注1:
エクイティー(株主資本)とデット(負債)の双方の性格を持つ金融商品の総称で、転換社債や新株予約券付き融資などが含まれる。
注2:
銀行以外の主体が投資家から集めた資金をローン形式で企業に貸し出す行為。
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執筆者紹介
ジェトロ・リヤド事務所長
秋山 士郎(あきやま しろう)
1995年、ジェトロ入構。ジェトロ・アビジャン事務所長、日欧産業協力センター・ブリュッセル事務所代表、対日投資部対日投資課(調査・政策提言担当)、海外調査部欧州課、国際経済課、ジェトロ・ニューヨーク事務所次長(調査担当)、海外調査部米州課長、海外調査企画課長などを経て2021年11月から現職。