IT大手ネイバー、第2四半期の売上高、営業利益ともに過去最高
(韓国)
ソウル発
2024年08月15日
韓国大手IT企業のネイバーは8月9日、2024年第2四半期(4~6月)の業績(連結ベース)を発表した。同四半期の売上高は前年同期比8.4%増の2兆6,105億ウォン(約2,872億円、1ウォン=約0.11円)、営業利益は26.8%増の4,727億ウォン、当期純利益は15.8%増の3,321億ウォンだった(添付資料表参照)。売上高と営業利益は四半期ベースで過去最高となった。
事業部門別にみると、検索プラットフォーム部門は、ディスプレー広告や検索広告といった商品の改善などにより、売上高は前年同期比7.5%増の9,784億ウォンを記録した。商品売買の運営などを行うコマース部門では、到着保証制度とマーケティング支援サービスの使用率の増加、KREAM(注1)の成長が追い風となり、売上高は前年同期比13.6%増の7,190億ウォンとなった。フィンテック部門の売上高は3,685億ウォン(前年同期比8.5%増)、クラウド部門の売上高は1,246億ウォン(19.2%増)と、いずれも高い成長率を見せた。ウェブトゥーン(注2)やスノー(注3)などを扱うコンテンツ部門の売上高は前年同期比0.1%減の4,200億ウォンだった。ただし、ウェブトゥーンのグローバルでの売上高を為替変動の影響を除いた同一為替レート基準でみると、前年同期比11.1%増だった。特に日本では、ウェブトゥーンの月間有料ユーザー数(MPU)が過去最高になるなど、成長が続いている。
同社の崔秀姸(チェ・スヨン)代表は「AI(人工知能)やデータ、検索などの革新的な力を融合して、ネイバーのエコシステム内のパートナー企業に特別な経験を提供するとともに、プラットフォーム自体の能力を強化したことで、収益の面でも効果が表れた」とし、「下半期もAIとデータを活用して、軸となる事業の商品とプラットフォームの強化を加速させ、新しい事業機会の発掘に集中していく」と述べた。
(注1)スニーカー、ラグジュアリーなどのプレミア商品、限定版製品のみを扱う取引プラットフォーム。
(注2)インターネットを意味する「ウェブ」と漫画を意味する「カートゥーン(cartoon)」の合成語で、韓国発祥のウェブ漫画プラットフォーム。
(注3)フィルターやグラフィック効果などを搭載したカメラアプリ。
(橋本泰成)
(韓国)
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