議会が任期満了で解散、総選挙は5月21日に投票

(ギリシャ)

ミラノ発

2023年04月28日

ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は4月22日、議会の4年の任期満了に伴い、カテリナ・サケラロプル大統領へ正式に解散・総選挙を求めた。大統領はこれを受け、解散と総選挙の実施、新議会の招集に関する大統領令を発した。同大統領令により、5月21日に総選挙が投票され、6月1日に新議会が招集される予定だ。

ギリシャの調査会社メトロン・アナリシィスが4月19~20日に実施した世論調査の結果によると、支持率トップは与党の新民主主義党(ND)で27.8%、続いて急進左派連合(SYRIZA)が22.2%で、両党の支持率差は5.6ポイントとなっている。3位は全ギリシャ社会主義運動 ・変化のための運動(PASOK-KINIMA ALLAGIS)の8.5%、以下、ギリシャ共産党(KKE)が6.0%、右派政党ギリシャの解決策(ELLINIKI LISI)が4.0%、アレクシス・ツィプラス内閣で財務相を務めたヤニス・バルファキス氏を党首とするMERA25(DIEM25、注)が4.4%、極右政党のカシディアリス党が3.5%などと続き、無党派13.2%となっている。

政権発足には議会定数300の過半数を獲得する必要があり、今回の世論調査では、総選挙で単独政権が誕生する可能性は極めて低いことを示唆する結果となった。4月24日時点で各党の党首から連立を模索する表明などは出ていない。世論調査どおり、どの政党も過半数を獲得できなければ、再選挙が必要となる可能性も高い。3月28日の閣僚会合でのミツォタキス首相の発言によると、再選挙は遅くとも7月初旬までに実施されることになる。

(注)DIEM25:EU改革とともに、欧州統合を呼び掛ける左派の汎(はん)欧州の政治グループ。MERA25は、DIEM25に所属。

(井上友里)

(ギリシャ)

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